コラム

 公開日: 2014-09-07 

友人にふりまわされる心の弱さをどうするか? ―hasunohaへの回答について(3)―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 僧侶への質問コーナーhasunohaに寄せられた質問の骨子です。
「仲のよかった友だちからきつい言葉を投げかけられてとまどっています。
 私の心が弱いせいでしょうか?」

 当山からの回答です。
「心は刻々と変化して止まりません。
 相手の心も、自分の心も。
 自分が一瞬後に何を考えているのかが予測できないのだから、相手の心がどう動くかはより、わかりようがありません。
 だから、〈あてにできない〉のです。
 では、太宰治の『走れメロス』は空想でしかないのか?
 そうではありません。
 メロスのように、自分で意志を固め、やり通すことは自分でできるからです。
 これも、結果が出るまで、どうなるか不明ではありますが、少なくとも意志を保っている間は、揺るがぬものと共にあることはできます。
 私たちがどうにか〈あてにできる〉ものを志と言います。
 これを持てれば、周囲の人々の変化に惑わされず、悩まされなくなります。
 それどころか、絶えざる変化は、知らぬ間に忍耐力を強め、人間というものの全体像を観察させ、勇気や感動を与え、志をより堅固にしてもくれます。
 変化の中でこそ、私たちは成長できるのです。
 貴方様は、早めにこのことを知る機会に恵まれました。
 どうぞ、相手を怨まず、自信をなくさず、今の自分にとって、〈一人の人間として他ならぬ自分のなすべきこと〉は何なのかを考えてみてください。
 何しろ、あてになるのはそこに生まれる意志だけなのですから。
 いかにささやかなものであれ、志を持って生きていれば、事に応じ、状況に応じて、時には笑顔で語り、時には言い返し、時には黙って耐えられるようになることでしょう。
 一歩、一歩と向上の道を歩みましょう。
 誠実な貴方様へ仏神のご加護がありますよう。」

 筋金入りの志を1つ、追加しておきます。
 弁護士ガンジーは南アフリカで23年間も人種差別撤廃運動を行っていました。
 方法は無抵抗・非暴力です。
 80才になったトルストイは、ガンジーへ送る最後の手紙に書きました。

「あなたの雑誌『インディアン・オピニオン』を受け取りました。
 そこに書かれている無抵抗主義の人々のことを知り、喜んでいます。
 そこで私の心に生まれた考えをあなたに聞いていただきたくなりました。
 それは『無抵抗』と呼ばれていることは、愛の法則に他ならないということです。
 愛は人間の生活の最高にして唯一の法則であり、このことは誰でも心の奥底で感じていることです。
 私たちは子供の中にそれを一番明瞭に見出します。
 愛の法則はひとたび『抵抗』という名のもとでの暴力が認められると無価値となり、そこには権力という法則だけが存在します。
 ですから私はこの世の果てと思われるトランスヴァールでのあなたの活動こそ、現在世界で行われているあらゆる活動の中の最も重要なものと信じます。」

 ガンジーは第一次世界大戦中にインドへ戻り、農業労働者の待遇改善など地道な努力を重ねていましたが、転換点がやってきます。
 イギリスの植民地だったインドは、150万人ものインド人が戦争にかり出された代償にイギリスから自治権を与えると約束されていました。
 ところが、戦争が終わるや否や、掌を返したイギリス政府が民族運動を禁止する「ローラット法」を制定したため、1919年4月13日、北インドのアムリットサルにおいて、女性や子供も含めた非暴力の抗議行動が行われました。
 これに対して、イギリス政府に命じられたグルカ人やイスラム教徒の部隊は無差別発砲を行い、千人を越える死傷者が出ました。
 いわゆる「アムリットサル事件」です。
 抗議の意志を明確にするため、アジア人として初のノーベル賞受賞者となっていたタゴールは爵位を、ガンジーは勲章をイギリスへ返還しました。
 事件をきっかけとして、4月4日に最初の断食を開始していたガンジーの非暴力(アヒンサー)を手段とする不服従運動は、インド全体へ拡大してゆきます。
 ガンジーの「魂の全力を暴虐なる意志へ対抗させる」との堅固な意志は、イスラム教徒とヒンズー教徒の対立などにも苦しんでいたインドの人々を〈独立〉という共通の目標へ向かって結集させました。
 目標と方法を定め、先頭に立って実践したガンジーの志は、今でも私たちの魂へ響いてきます。

 ガンジーの志の前では、いつしか、宗教対立も民族対立も消えてしまいました。
 実に、志こそが〈あてになるもの〉であり、私たちは自分の全存在をそれにかけることすらできます。
 まず、何か、身近なことからでも、こうありたいというよき変化を求め、決めて実行することを始めようではありませんか。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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