コラム

 公開日: 2014-09-08 

魂の交流に時間の制限はない ―別れの形について―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 Aさんは父親を送る席で挨拶した。
「父は一筋に50年やりました。
 私はまだ25年。
 まだまだ、教えてもらうことがありました。
 残念です。
 勉強しながら残りの人生を生きて行こうと思います」
 まだ若いAさんが訥々(トツトツ)と絞り出した「残りの人生」は、父親から日々、薫陶を受けた〈これまでの人生〉がいかに濃密なものであったかを物語る。

 そんなAさんに心残りなできごとがあったという。
 ずっと手を握って看病していたが、ちょっと離れた隙に父親は他界していたのだ。
「もう少し一緒にいれば、最後のやりとりができたのに……」
 悔いがのしかかっている。

 小生に起こったできごとの話をした。
「娑婆にいた頃、臨終間際の義父に添い寝し、夜中に異変を感じて起き上がったところ、急に顔をこちらへ向け、カッと見開いた目と視線が合いました。
 そのまま息を引き取ったので、最後のやりとりは文字どおり一瞬でしたが、『娘を頼んだぞ!』というメッセージは明確に届いてきました。
 それ以来、波風はあっても別れず、もちろん、暴力などふるわず、気持だけは『守ってやる』という意識で今日まできました」

 話はそこまでで、慌ただしく場面が変わってしまった。
 これだけでは、何のために私的な体験を持ちだしたのかわからない。
 本当はその先を言いたかった。
「心がつながっていれば、必ずメッセージはお互いに届いているはずです。
 その手紙はすぐに開けないかも知れませんが、やがて、心中で開く時がきます。
 こんなできごともありました。
 共稼ぎをしていたBさんは、急な成り行きで、おしどり夫婦だった夫と死に別れました。
 とても、すぐに仕事へ復帰する気にはなれません。
 親戚や友人たちも、喪に服すべきだと言います。
 しかし、会社からは一日も早くと求められ、迷ったあげく、人生相談にご来山されました。
 ご本尊様と一体になる法を結び、念じた世界の中へBさんを招き入れました。
『どうですか?』
 やがてBさんは静かに涙を流し、ゆっくりと言いました。
『夫は、早く仕事に復帰してもらいたいと希望しているように思えます』
 言葉を添えました。
『私の胸にある判断と同じです。
 ご主人のご親戚などからいろいろ批判されても、これは夫婦間のことだと腹を決め、いちいち言い訳などせず、ただ黙々と仕事をすればよいのです。
 ご主人はきっと、これまでと変わらずに活躍する貴女の姿に喜び、見守っていてくださることでしょう』
 時は刻々と流れます。
 瞬間、瞬間は色とりどりです。
 しかし、魂の感応は消えません。
 Aさんが手をつないであげた故人から、おりおりに〈無言の伝授〉を受けるのはこれからです。
 どうぞ、心配せずに、ご精進ください」
 
 今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=qp8h46u4Ja8



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。合掌

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ