コラム

 公開日: 2014-09-18 

死ぬ時、心はどうなるのか? ―立花隆の臨死体験思索(その1)―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 9月14日、NHKテレビは、「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」を放映した。
 古希を超え、ガンを抱えた氏が、自らの死後に迫るドキュメントである。
 ナレーターは言う。
「人類永遠の謎に迫る旅が始まりました」
 以下、順に追ってみよう。

 立花隆(74才)は哲学、宗教、脳科学まで様々な分野を自ら取材してきた作家である。
 この日、頭に被ったのは、磁気で脳を刺激するヘルメット。
 人が死ぬ時に見るという風景を疑似体験しようとしていた。
 終わって訊ねられる。
「どういう感じでしたか?」
 答える。
「悪くありませんでした」
 探求者の姿を見せられた。
 
「心はどこから生まれるのか」
「死んだら心はどうなるのか」
 脳波から遺伝子まで、様々な手法を用いて科学者たちはこの疑問に挑戦してきたが、「脳と心」の詳しい関係は未だに解明できていない。
 立花隆は、臨死体験がこの謎を解く大きな鍵だと考えている。
 臨死体験とは、心停止などによって脳の活動が止まった時に見るという不思議な現象である。
 臨死体験者の女性は語る。

「その時、私の心は身体を抜け出し、手術室の上の方へと上がっていきました。」

 同じく女性の談である。

「私は神秘的な存在に導かれ、宇宙のような空間へ行きました。
 そこで突然、光に包まれたのです」

 心が身体を抜け出し、光に包まれる美しい世界へたどり着くという体験。
 心は死んでも存続し続ける特別なものだと多くの体験者は考えている。

 科学者たちは〈神秘〉に挑戦し、今、この不思議な現象を脳のはたらきで解き明かそうとする研究が急速に進んでいる。
 脳科学者の言である。

「心が身体を抜け出すと感じるのは、身体を認識する脳内の仕組みがはたらかなくなるせいかも知れません。
 実際に身体が宙に浮いているのではなく、脳内の記憶や夢のようなものなのです」

 科学は心が脳で生まれることを明らかにしつつあり、動物や機械にも心が存在し得るという最新の研究も現れているという。
 脳科学者の言である。

「将来、心を持ったコンピューターが作れるでしょう。
 心を創るためにもはや、魔法のようなものは必要ないのです」

 立花隆は思う。

「人間の心の問題は、かつては、脳科学で扱えない世界の問題だと思われていた。
 そこを研究する人たちが増えてきて、心の世界は基本的にどういうものなのかという見方が非常に大きく展開し出した」
  
 人の心は死ぬ時どうなるのか?
 この先は、臨死体験を解き明かし人の心の謎に迫ろうとする立花隆の思索の記録である。

 テーマはこうなる。
『死の時、私たちの心に何か起きるのか』
『心とは何か』
『人間とはなにか』

 立花隆。

「人の心はどこから生まれるのでしょうか。
 そして、人が死ぬ時、心はどうなるのでしょうか。
 今、私は74才です。
 そう遠くない時期に死を迎えるに違いありません。
 私が死ぬ時、自分の心に何が起きるのか。そこを知りたいと思いました。
 私はかつて、臨死体験について長い取材をしたことがあります。
 今回、臨死体験がその手がかりになるに違いないと思い、あらためてその現状を取材することにしました」

 人間にとっての最後の関心は、「自分の死」なのかも知れない。
 不安も恐怖も好奇心も、そこには、ある。
 もっとも、中には、ダライ・ラマ法王のように、死は修行の結果を確認するチャンスであり、心が新しい衣をまとう段階に来たと受けとめる人もいるが……。

 立花隆はまずシアトルへ飛び、36年前に結成された「国際臨死体験学会」の会場を訪ねた。
 各国から臨死体験者が集まり、その体験を話している。
 臨死体験に共通するのは体外離脱、そして大きな光に包まれ、幸福な気持ちになること。
 今は、心停止や深刻な脳停止の状態の人々の5人に1人が臨死体験者と言われている。
 救急医療の発達からか臨死体験者は年々増えているという。
 女性の体験談である。

「私は自分の身体を離れて浮き上がるのを感じました。
 そして、天井の隅に行き、自分のぐったりした身体を上から見下ろしたのです」

 臨死体験とは、心停止や深刻な昏睡状態で脳がまったくはたらいていないと思われる時にする体験である。
 共通する特徴は以下の二つ。
・体外離脱…心が身体を抜け出すのを感じる
 天井から横たわる自分の身体や医師たちの姿を見たりする。
・神秘体験…トンネルのような所を通り、光り輝く美しい世界へ導かれる
 親しい人に出会い、人生をまっとうせよと言われる。
 全知全能の大いなる存在と出会い、幸福な気持に満たされる。

 立花隆は一歩、進める。

「救急医療が発達したせいか、臨死体験の事例がどんどん増えていることがわかりました。
 臨死体験者の中に、脳外科医でありながら、『心は魂のようなもの、身体が死んでも生き残る』と主張している人がいると聞きました。 どのような科学的根拠でそう思うのか、確かめたいと思いました」

 いかに自分の体験に基づくとは言え、科学者が測定できない心や魂の永遠をどのような根拠から主張できるのかというのである。
 宗教といえども仏教は道理をもって考え、納得できたものを体験によって確認する。
 また、体験した内容を道理の物差しで考え、修行に転化して力とする。
 いずれにしても決して道理というフィルターを手放さないので、立花隆の姿勢には共鳴するところ大である。

 今日の守本尊文殊菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=WCO8x2q3oeM


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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