コラム

 公開日: 2014-09-19 

思春期の過ごし方は? ―ヤフー知恵袋(1)―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 ヤフー知恵袋での質疑応答です

「思春期をうまく乗り越える方法&考え方は?」
「思春期に悩んでいます」

 思春期は、自分自身も含めてようやく生身(ナマミ)の人間に触れる時期です。
 悲しみが胸にズンときて、やるせなくなります。
 喜びが世界中へ広がって、心のカンバスに力強く未来を描きます。
 怒りで心が煮え立ち、破壊のエネルギーが全身に燃え上がります。
 ワクワクする楽しみを知り、抜けられなくなりそうな自分を感じます。

 この時期に最も大事なのは、他人のそうした思いも知り、想像力の幅を広げることです。
 自分の気持だけが強くなると、ちょうど真剣の抜き身(鞘から出した刀身)を手にして歩くようなもので、ふとした拍子に誰かを傷つけたり、周囲から煙たがられたり、困り者扱いされたりするかも知れません。
 不満や不安や苛立ちばかりが高じて、やるべきことに集中できず、心がオロオロするかも知れません。

 想像力の幅を広げるには何と言っても読書をすることです。
 それも、あらすじだけを知っておしまいにするのではなく、作品そのものと姿勢を正して向かい合いましょう。
 文学であれ、評論であれ、科学であれ、芸術であれ、作者や登場人物や景色や状況や世界などに魂が震えれば、それは、想像力という人間性を深め高める力を自分から引き出す大切な体験なのです。
 想像力は、智慧と慈悲の源泉とも言うべきものであり、人が真の意味で大人(オトナ)になれるかどうかは、畢竟(ヒッキョウ)、他人の哀しみを〈想像〉できるかどうかにかかっているのです。

 もう一つ、大事なのは、自分という意識にあまりこだわらないことです。
 医学博士の養老孟司先生が繰り返し述べておられるように、〈頑として動かない確固たる自分〉などというものを大切にするのなら、教育も宗教もいらないことになって、人は荒(スサ)み、社会はトゲトゲしたぶつかり合いの巷(チマタ)になってしまうことでしょう。
 ありとあらゆるものが生まれては消え、変化し続けているように、人もまた一生、変化し続けます。
 その変化の方向性を上向きにしたいからこそ、貴方はこうした質問をされたはずです。
 できることなら〈本質的に変わらない本当の自分〉といった観念にとらわれませんよう。
 限りない良き変化を求めるからこそ、学ぼうとするはずです。
 その時々に、結果として表れているのが〈その時点での自分〉であり、それ意外に〈てこでも動かない自分〉などというものを想像しないようにしましょう。
 そんな観念は、我(ガ)を強め、他人へ非情になり、傷つけ合う人間関係をつくりだすだけです。

 自分を忘れるような、詩や音楽や山登りに親しみましょう。
 我(ガ)に閉じこもるよりも、我(ガ)を解放する体験こそが人間性を大きく豊かにし、社会人として円滑な人間関係を築いて行く底力をもたらすことでしょう。

 最後に、老婆心をつけ加えます。
 ご質問の「うまく乗り越える」には、〈手っ取り早く手段を見つけよう〉、あるいは〈便利な道具が欲しい〉といった気配が感じられます。
 残念ながら、人生においては、そうしたものはないと早めに覚悟した方が人生を誤りにくくさせます。
 現代人はスキル(=道具)という観念に犯されています。
 スキルがなければうまく人生を渡れないという強迫観念に取り憑かれているように見受けられます。
 読書のところで書いたとおり、知識としてあらすじを知り、何かのおりに作品について弁舌爽やかに解説してみせることよりも、読書で魂を震わせた体験によって他人の心をおもんばかり、置かれた状況の意味するところを想像し、思いやりと智慧をもって生きて行くことの方が100倍も大切なのです。
 くり返しますが、人生をうまく渡るための手っ取り早く手に入る道具はありません。
 読書をし、〈自分〉を忘れて夢中になり、温かい心を養い、我を張らない人になってください。
 この駄文を書かせていただいたことに深く感謝します。合掌

 今日の守本尊文殊菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=WCO8x2q3oeM


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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