コラム

 公開日: 2014-09-24 

最強のクマムシと施餓鬼の話

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 ラジオでクマムシという小さな虫について知りました。
 体長1ミリ前後で水中でも土中でも物陰でも生きられ、真空や乾燥や超低温や絶食でも大丈夫というのだから驚きです。
 しかも、街路樹の根元にある苔の中など、よく探せば、身近なあちこちで見つけられるのです。
 普段、あまりに小さくて視野へ入らず、いること自体が知られていないし、知ってもわざわざ探す物好きは少ないので、いるという認識は持たれていません。
 しかし、事実としては、確かにいるのです。

 さて、当山には、餓鬼へ施す施餓鬼壇(セガキダン)があります。
 餓鬼は存在が非情に希薄で、見えるともなく、見えないともなく、感じとれる人には「ここか」と心を澄ませばありありとわかる場合もあるというところでしょうか。
 因果応報の理によってこの世界へ堕ちれば、飲めず、食えず、それでいて口に入りそうなものをめぐって同類と争い、しかも、人間にとっては涼しい夏の月光で身体が焼け、温かいはずの冬の陽光で身体が凍えてしまうとされています。
 お釈迦様の高弟アーナンダが、ばったり出会った餓鬼へ食べものを施す方法をお釈迦様から授かったことにより、施餓鬼の修法が始まりました。
 当山では、お盆の時にだけ生ずるのではなく、いつも苦しんでいる餓鬼界の方々へ法を結んだ水や食べものをお供えするために、壇を常設しました。
 毎日、手を合わせ真言を唱えているうちに、最近では、施餓鬼幡のあたりで時折、微かにカサカサッと物音が聞こえるようになりました。
 意識を向けていなければあると気づかない餓鬼界が少しづつ感じとれるようになったのかと考えています。

 私たちの五官六根は所詮、何もかもを、どこまでもありのままにとらえられるわけではありません。
 もしも、目や耳や鼻などが今に比べて何百倍もの情報をキャッチできるようになれば、私たちは気が触れてしまうことでしょう。
 1キロ以上も上空から小動物を見分けるワシの目と、超音波を聞き分けるコウモリの耳と、水のありかを匂いでつかむゾウの鼻を持っては生きられないのです。
 適度な限界があるからようやく、一瞬の意識において一つの情報へ意識を集中させ、おちついて感じたり、考えたりできているのです。

 だから、私たちは普段、クマムシも餓鬼も見えず、日常生活上はいないに等しいのですが、実際はいるはずです。
 このことを知ったからといって何の得もないと言えるかも知れません。
 しかし、この世の成り立ちや流れは日常生活で見聞きする範囲だけではないと思い、想像力をはたらかせていれば、何らかの徳ある考え方や行動が可能になるかも知れません。
 たとえば今こうしている時も、エボラ出血熱で死に行く人々や、その治療現場へ向かう人々や、幹部の指令で殺すべき対象を探す「イスラム国」の戦士たちや、その幹部を爆殺しようとする軍人たちが確かにいるはずなのです。

 いつか、どこかの科学館にでも立ち寄ってみれば、クマムシを視認できるのでしょうか。

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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