コラム

 公開日: 2014-10-08 

ブログ「公開Q&A(その8)僧侶はお納骨や開眼供養で何を考えているの?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 ブログ「公開Q&A(その7)僧侶はお葬式で何を考えているの?(その5 繰り上げ法要にて)」についてメールをいただきました。
「次は納骨ですね?」
 確かにそうです。
 では、お納骨はどんな気持で行っているのか、ありのままに述べさせていただきます。

 お納骨には二種類あります。
 一つは、個別の墓地におけるもの、もう一つは共同墓におけるものです。

○個別の墓地におけるもの

 出来上がったお墓は、まだ、住み手のいない〈あの世の家〉です。
 何もしないうちは、単なる墓石というモノです。
 さて、お納骨をする、つまり、家として使うためには作法があります。
 それが古来、開眼(カイゲン)と呼ばれている修法です。
 俗に言う魂入れをして初めて、組み立てられた墓石は聖なる場となり、そこに納められたお骨を縁として憩う御霊は、仏神のご加護で安心の世界へ向かうことができます。
 手順はおおむね、以下のとおりです。

1  礼拝します。

2  行者である導師は護身法(ゴシンポウ)を結び、すべてを清めます。
 まず、法を結ぶ自分を清め、固め、周囲にある目に見えるものも、見えないものもすべて清めます。
 もちろん、お墓も清めます。

3  ご挨拶の声明(ショウミョウ)を唱えます。
 東西南北と中央をご守護くださる守本尊様をお讃えする声明という唄うようなお経を唱えます。 

4  結界を張ります。
 次に、八方天地、十方世界の守本尊様方へ祈り、ご守護いただくために結界を張ります。
 守本尊法によって結界を行っている時は、それぞれの守本尊様に応じた真言を唱え、気合と共に九字を切るので、皆さん緊張されるようです。
 もちろん、修法中は一旦、法を解かない限りどなたとも口をきくことはあり得ないので、後をふり返りませんが、子供たちの私語などがピタッと止まり、周囲の空気も一変します。

5  墓石へ魂入れの法を結び、仏神のご加護を受けて守られる聖地の主柱とします。
 この法を結ぶことによって初めて墓石に聖性が宿り、墓所は聖地となります。

6  ご供養します。
 次に、ご守護くださる守本尊様方と納められた御霊を、真言や経文によってご供養します。
 気配が徐々にゆったりし、皆さんの安心も広がって行くように感じられます。

7  お線香を捧げていただきます。
 次に、法を解いてから「お線香を捧げてください」と声をかけ、石屋さんが点したお線香を皆さん交代で捧げていただきます。
 ここは皆さんにとって、とても大切な場面です。
 きちんとみ仏にお守りいただいた聖地へ納めたという実感と共にお線香を捧げれば、大切な一区切りとなります。
 皆さんのお心に大きな区切が生じておられると感じるのは、まず、枕経が終わり、導師によるみ仏の結界に加え自分たちの心で、故人に引導が渡されるまで守る決意を固めた時。
 お通夜で戒名を目にし、説明を受け、み仏の別世界へ旅立つ存在になったと確信した時。
 お柩へ釘を打つ時。
 斎場で火葬炉へ送る時。
 白いお骨を目にした時。
 引導が渡された時。
 一連の法事が済み、自分の家で、あらためてお位牌へ手を合わせた時。
 そして、お骨を埋葬し、お線香を捧げた時。
 皆さんからも、ほぼ同様のお話をお聴かせいただいています。

8  永遠にご守護くださるすべての仏神へ感謝を捧げます。

9  修法の主尊となってくださった不動明王をお讃えします。

10 供養の功徳(クドク)が遍く生きとし生けるもののためになるよう祈ります。

11 墓所の結界は解きませんが、修法の場の結界は解きます。

12 礼拝します。

 参加された方々のほとんどが一様に、納骨はこういうふうに行われるのかと驚かれます。
 ただ、お経を〈読む〉だけではないのです。
 時空を超えて伝えられた修法には人智を超えたものがあり、〈現場〉で体験していただくしかありません。
 最近はまたもや、「あれも要らない」「これも要らない」といった風潮が流れ、「あれ」や「これ」はそもそも何なのかという真実が、全身全霊をかけて修法する当事者から語られることのないままに、そして正確な情報として知られないままに脇へ置かれ、亡き人を送るという厳粛な行為が安易な方向へと傾いているのではないかと危惧しています。
 東日本大震災で立ち止まり、あの世をあらためて感じ、仏法にすがり祈ったはずの私たちはもう、〈あれ以前〉のところへ戻ってしまったのでしょうか?

 ○共同墓などにおけるもの

 もう聖地としてご守護をいただいているので、ご供養し、お線香を捧げていただくのが、主たる流れとなります。
 共同墓『法楽の礎』、『自然墓』共に、祈りと共にお納骨を済ませると、どなたも心からホッとされるようで、心からありがたいと感じます。

 以上で、ご葬儀に関するQ&Aを終えます。
 もしも「これもどうでしょうか?」と思われる方はどうぞ、ryuuchi@hourakuji.netへご質問ください。
 きっと、すぐにはお応えできませんので、悪しからず……。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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