コラム

 公開日: 2014-10-09 

「墓が捨てられる ~無縁化の先に何が~」について ―「墓じまい」を考える―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈共同墓『法楽の礎』〉


〈『自然墓』〉

 10月8日の「NHK クローズアップ現代」は「墓が捨てられる ~無縁化の先に何が~」を放映しました。

 都市部だけではなく、全国的に「自分の代で先祖代々の墓を処分し納骨堂などに移す“墓じまい”を行うケースが増えている」のが現実です。
 確かに、当山の共同墓『法楽の礎』及び『自然墓』への利用申込みが相継いでおり、その中には〈墓じまい〉も少なからず含まれています。
 ご先祖様、あるいは親、あるいは兄弟姉妹や子供、あるいは自分たち夫婦や自分自身のお墓をどうするかという問題を抱えてご来山される方々は、皆さん、とても真剣です。
 そして、膝詰めで対話を行っているうちに、ご来山される前に抱いてきた皆さんなりの計画が揺らぐ場合もあり、決心が固まる場合もありますが、ほとんどの方々は、その場で最終的な方向性をほぼ、定められるようです。
 悼み、供養する現場の空気に触れ、悼み、供養することにかけている生身(ナマミ)の人間から真実に触れる生(マナ)の言葉を聴き、疑問や悩みをぶつけることによって最後のモヤモヤが吹っ切れるのではないでしょうか?
 そもそも、当山を訪れる方々の多くは、お骨の問題を、単なる〈処理〉や〈処置〉と考えてはおられません。
 あるいは、どうしようと漠然たる思いで人生相談を申込み、対話の中で〈処理〉や〈処置〉が本質ではないことに気づかれます。
 
 当山はまっさらなカンバスとなり、皆さんの心をまず、描いていただきます。
 描く材料や描き方についてご希望や必要性があれば、プロとして材料も方法も提供します。
 いかなる画ができあがるかは、心が千差万別であるように、千差万別です。
 どなたもが、おずおずと描き始め、最後は空の色を塗るなり、雲の形を整えるなり、家の隈取りをするなり、髪の形を決めるなりして筆を置かれます。
 その過程において、多くの方々が、これまでは知らなかった色を発見し、知らなかった描き方を会得します。
 それは、寺院はどなたもがそれぞれの画を描くために解放されている〈専門の場〉であり、日常生活での損得や効率や好き嫌いを離れた空気が満ち、その場で、場を守るために生きている人間と接するからであろうと考えています。

 そもそも、死をどうするか、死者をどうするかという問題は、日常生活を動かす損得や効率や好き嫌いといった要素で済まされるものではありません。
 人間が人間であるゆえんの魂、霊性、そして人間としての尊厳にかかわっているからです。
 一つだけ、お考えいただきたい具体的な材料を書いておきましょう。
 太平洋戦争の激戦地でご遺骨を発見した渡邉拓氏は、ご英霊が所属していた軍関係者を訪ね、ご遺族を探し、そして寺院巡りを重ね、さまざまな努力をし尽くした末に当山へご来山し、同志と共に供養会を行い、最後はご自身の墓地へ合葬されました。

 さて、この稿では、番組が提示した諸問題に対し、敢えて見解を出さずにおきます。
 それは何よりも、皆さんが自由に、真剣に描き始めることが大切であり、おこがましい出しゃばりはできないからです。
 ポイントのみを整理しておきます。
 お役に立てればありがたいことです。

○お骨は「処理」「処置」といった観点から考えるだけでよいのだろうか?
○死者を悼む、供養する、あるいは死者と向き合うとはどういうことだろうか?
○〈家族〉が小さくなり、〈親〉から離れ、一人で生きているからといって、いのちと心を自分までずっとつないでくれた〈ご先祖様〉があたかも無いかのような気持で暮らすことは、人間として大丈夫だろうか?
○モノとしてのお骨をどうするか、それは、まごころとしての感謝や悼みをどうするかということと分けて考えられるものだろうか?
○自分の力ではどうしようもない自分の〈死後のありよう〉を思案する中で、自分の死後、実際に手をかけ、悼み、供養する人の本当の気持や考え方をどの程度、考慮しているだろうか?

 なお、当山の法務は午前9時~12時、午後1時~5時となっております。
 完全予約制であり、必ず日時をお約束の上、おでかけください。
 共同墓『法楽の礎』も『自然墓』も参拝・見学はオープンなので、いつでもおでかけください。
 また、資料はいつでもお送りしますので、どうぞ、ご遠慮なくお電話(022ー346ー2106)なり、メール(ryuuchi@hourakuji.net)なりをしてください。
 人生の大事を真剣にお考えの皆々様へみ仏とご先祖様のご加護がありますよう。合掌

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

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