コラム

 公開日: 2014-10-13 

死なないで!叫びの主は……

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 ある朝、「一心祈願不戦日本」を祈っているうちに「死なないで!」という若い女性の声が飛び込んで来た。
 耳に聴こえたわけではない。
 意識の中へ突然、生じたと言った方が正確だ。
 誰の声かは、わからない。
 3240回を唱え終え、浮かぶイメージがあった。
 轟音のとどろく戦場で負傷兵を治療する看護婦さんたち。
 沖縄の激戦に参加し、散華した沖縄県立第一高等女学校の生徒「ひめゆり」である。
 もともとは「姫百合」であり、他校の学徒隊もあったことから、戦地では「学生さん」「学徒さん」と呼ばれており、戦後になってから、ひらがなで「ひめゆり学徒隊」と書かれるようになった。

 しばらく、「不戦堂」から出られなかった。
 思い違いを思い知らされたからである。
 自分の祈りが広がり、皆さんにも共に不戦を祈っていただけるようになればと願って始めたが、まず、〈共に〉祈るのは生者よりも死者でなければならなかった。
 お盆の時期に、不戦を祈り、不戦堂という場を造ろうと決心したのは自分だと思っていたが、実際は、死者たちの願いが集まり、そうした想念に結晶したのだった。
 である以上、御霊へこそ想いを向け、偲びつつ、この祈りは続けられねばならない。

 10月9日、最高裁第1小法廷は、アスベスト訴訟において、国の賠償責任を認める初の判決をくだした。
 平成21年、ブログ「想いの記」へ、たった一人でアスベストによる公害から区民を守った千代田区役所職員加藤哲夫(61歳)氏のことを書いた。
 東京都の職員だった氏は、職務中に「石綿がむきだしの古い立体駐車場では、車が中を移動するたびに飛散するのでは」と気づいたが、誰も一緒に立ち上がる者はなく、たった一人で行動し、ついに、アスベストの撤去費用を国土交通省から引き出すに至った。
 氏を動かしたのは損得勘定でも、名誉欲でもない。
 責任感であり、志である。
「命の問題。今動かないで、30年後に肺がん患者を出したら区民に申し訳がたたない」

 生涯かけて水俣病と闘い続けている作家石牟礼道子氏は『苦海浄土 わが水俣病』で第1回大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれたが、受賞を辞退し、一身をかけて行動している。
 平成25年10月、天皇、皇后両陛下が初めて熊本県水俣市訪れ水俣病患者と懇談することに先立ち、氏は7月に初めて皇后陛下と会った。
 故鶴見和子を偲ぶ会で皇后陛下と並んで座った氏は、「水俣にはまだまだ問題が残っています。患者の苦しみに思いを致していただく機会になればと思います」と懇請し、皇后陛下は、パーキンソン病を患う氏の皿へ料理を取り分けながら、水俣を訪れる約束をされたという。

 平成19年、柴田昌平監督は、13年かけて学徒隊の生存者から聴き取りしたドキュメンタリー映画「ひめゆり」を完成させた。
 イデオロギーからも、興業性からも離れ、事実と真実を伝える映画である。
 関係者からのご理解をいただき、11月8日の寺子屋法楽館で自主上映したいと願っている。
 一人で祈りつつ、広く戦争の真実に触れていただく機会も作り続けたい。
 何としても不戦日本を続けたい。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ