コラム

 公開日: 2014-11-03 

お釈迦様はなぜ、中道によって悟られたか? ―お釈迦様の三つの智慧と凡夫の三つの智慧―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 お釈迦様が悟られた時のありさまが、明解に説かれた。
 宮元啓一博士の「苦楽中道」に関する文章である。

「快楽主義に従う世俗生活とその極端な対極である苦行主義との両者を離れた、いわゆる苦楽中道こそが修行の本道だということをしっかりと自覚した。
 そして静かに瞑想に入り、ほどなくして目覚めた人、ブッダになった」(以下の参照文は『ブッダが考えたこと』による)

 お釈迦様は、煩悩という苦の元を何とかしないではいられず、欲望を滅しようと苦行に邁進したが、得られたものは〈モグラ叩き〉的感想でしかなかった。
 苦行の間は抑えられても、離れた瞬間に、また、何かを求める気持も、何かを厭う気持も起こってしまう。
 お釈迦様は、無の境地を求める思考停止的な瞑想も、とっくに捨てていた。
 思考停止的な平安状態は、知性の自然なはたらきとして起こる「なぜ自分はままならぬ人生を繰り返すのか」という問いへ究極的回答を与えず、瞑想から離れて他人と接触すれば、相変わらず何かを求める気持も、何かを厭う気持も起こってしまうからである。

 では、なぜ、お釈迦様は苦行を離れて再び、瞑想に入り、間もなく悟りを開かれたか?
 この成り行きについて、博士は目の醒めるような見解を披瀝した。

「ゴータマ・ブッダは、苦行に根本的な疑問を抱きはじめたとき、すでに真理を、顕わにではないが鋭く直感していたと考えるのが自然というものではないか」
「苦楽中道こそが本道であると自覚したとき、その真理を確信し、その確信のもとに瞑想に入り、その確信を不動のものとなし終えた、そのとき、もはや疑念や迷いを完全に払拭して目覚めた人、ブッダになった」

 真理をつかむ智慧は、聞慧(モンエ)・思慧(シエ)・修慧(シュエ)の「三慧(サンネ)」という三段階の修行によって得られるとされており、仏教の学び方の基本である。 

1 聞慧(モンエ)
 まず、教えを正しく、すなおに受けとらねばならない。
2 思慧(シエ)
 得た情報を自分自身で熟慮せねばならない。
 世間的権威や名声、あるいは自分の好き嫌いなどにとらわれず、論理的思考や感性や直感などを総動員する。
 その真剣さは、アメーバが、触れたものを食べられるか食べられないかを自分で判断し、それによって生死が分かれる峻厳さと何ら変わりはない。
 オカルト的なものにはまるか、はまらないかは、自己責任である。
3 修慧(シュエ)
 納得できた内容を、納得できる方法で修行、実践し、深く確認できれば真の智慧が得られる。
 
 天才であるお釈迦様は、自らの閃きの中で第一の聞慧を得られたのだろう。
 そして、思慧により、ほぼ確信できた。
 それから、スジャータの差し出す乳粥を食してゆったりと瞑想に入り、直感した内容を隅々まで確信できて智慧が完成した。
 博士は、この第三段階について指摘した。

「その瞑想は、アーラーラ・カーラーマ仙人やウッダカ・ラーマプッタ仙人たちが追い求めていたような、『思考停止を目指す瞑想』ではなく、『徹底的に思考する瞑想』でなければならない」
「やみくもに菩提樹の下に坐って瞑想に入ったのではなく、きわめてはっきりとした成算があったからこそそうしたのである。
 だからこそ、ゴータマ・ブッダは、驚くほど速やかに、目覚めた人、ブッダになることができた」

 お釈迦様が悟られたおりの状況について、実に納得できる。
 凡夫である私たちが、聞・思・修によってお釈迦様の後を追えることは、たとえその背が遥かに霞んでいる程度ではあれ、あまりにもありがたい。

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

消えた因縁 ─心の檻(オリ)から脱した話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

「みやぎシルバーネット」20周年おめでとうございます ─無私の編集長につながる方々─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

平成28年12月の行事予定 ─護摩・書道・寺子屋・お焚きあげ─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 行事・お知らせ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ