コラム

 公開日: 2014-11-09 

歴史の証言者たち ―「映画『ひめゆり』を観る会」が終わりました― 

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈廊下まで開け放ちました〉

 講堂いっぱいになるほどたくさんの善男善女が参加され、およそ2時間半に及ぶ映画『ひめゆり』の観賞会を行いました。
 当時、女子高生の年令だった方々がいかに精いっぱい生き、亡くなられたか、また、今をいかなる気持で生きておられるか、22人の証言はあまりに重いものでした。
 とても〈総括〉など、できはしません。
 強く残った印象の一つは、若い女性としての情緒がはたらく余裕もないほど想像を絶する修羅場にあってなお国のため、そして〈その場〉にいる互いのために全力を尽くしきられたであろうという確信です。
 Bさんの証言です。

「壕の入り口に小さな箱が一つありました。
 休んでよし、と言われるとようやく腰を下ろせます。
 先に座る上級生は下級生のためにすぐ、腰を上げようとします。
 私はそんな上級生のために、大丈夫ですと言って近くに落ちていた棒にすがり、立ち寝をしました」

 Cさんの証言です。

「米軍の攻撃が激しくなり、解散命令が出て、どこへでも逃げ延びるよう言われました。
 壕の人々と一緒に死ぬことしか考えていなかったので、誰も壕を出ようとしませんでした。
 強く指示された時、足元が崩れた感覚に陥りました。 
 そして何の感情も忘れていたの突然、家族を思い出し、母を思い出し、会いたくなりました。
 童謡『ふるさと』が口をついて流れました」

 血の海と遺体と硝煙と爆音の中にあって、最後の最後までそれぞれの分をつくしてはたらき、あるいは死に、あるいは生き残られた人生の先輩方に、ただただ頭を垂れるのみです。
 鑑賞後、短いご挨拶をいただいた渡辺ひろし師が指摘されたとおり、米軍が上陸して本土決戦となれば、ひめゆり学徒隊の方々がおられた沖縄と同じく、ここ宮城でも爆弾と銃弾と火炎放射器によって街も村も破壊し尽くされ、住民の多くが死んでいたはずです。
 宮城からも多くの軍人が沖縄戦に加わり、米軍にたやすく降服せず、文字どおりいのちをかけて米軍に本土決戦を思いとどまらせました。
 後衛に引っ込めばたらふくステーキが食えた米軍兵士たちは、満身創痍でも夜中に突っこんでくる日本の兵士たちが本当に怖かったと述懐しています。

 証言の内容はどfれもが悲惨であり、結果はすべて無惨なものでした。
 しかし、どの方のお話にも、生き切り、死に切った方々の真実が感じられ、圧倒されました。
 皆さんの〈真実〉がもしも平和な世の中で発揮されていたなら、と思うと、涙を禁じ得ませんでした。
 私が行法の最中に聴いた「死なないで!」という声は、映画の証言には出て来ません。
 きっと、看護に当たった隊員たちに共通する日々の〈心の叫び〉だったのでしょう。
 乙女たちのいのちと心をあまりにも悲しい形で鋭く輝かせ、そして消し去りもした戦争というものを、さらに考え、戦争をせぬ日本であり続けられるよう「不戦日本」の祈りを深めます。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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