コラム

 公開日: 2014-11-14 

イライラを消す方法 ―忙しいドライバーの小さな実践―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈法楽農園は、ようやく、「冬水たんぼ」の準備ができました〉

 イライラが消えない、あれこれと不平不満が溜まっている、いろいろなものに違和感を感じる、こうした気持になっている時は、ちょっとした引き金で強い怒りや怨みや妬みが起こりかねません。
 だから、爆発する前に、落ち着いて分析してみる必要があります。
「自分は何に対してイライラしているのか?
 そもそも、いつから、どんなきっかけで、こうなっているのか?
 塩をすり込まれて痛い傷口のようなものが自分の中にありはしないか?
 外から来る塩だけが悪いのではなく、傷を治さなければ、ずっとこのままではないか?
 こういう気持になっていて嬉しいか、嬉しくないか?
 自分はどういう時に嬉しいのか?」
 イライラしがちな自分を客観視するだけで、すぐに、感情の波頭は低くなってゆきます。

 たとえば、いつもセカセカと急いで行動している私は、情けないことに、追い越し車線をゆっくり走る車がなかなか許せませんでした。
 妻からは何度も「ハンドルを握ると人が変わる」と呆れられてきました。
 このイライラが克服できたのは、特に難しい経文を暗誦したり、高度な瞑想をしたからではありません。
 たった三つの方法に納得し、実践したからです。

○自分と他人とを置き換えてみる

 チベット仏教の修行法『菩薩(ボサツ)の実践三十七頌(ショウ)』にこうした教えがあります。

「あらゆる苦しみは自らの幸せを追い求めることより生じ、
 悟りは他者のためを思うことより生ずる。
 それゆえ、自己の幸せと他者の苦しみをまさしく交換する、
 それが菩薩の実践である」

 そうか、と膝を打ち、自分が急いでいる時ほど、広い車道へ出られなくて困っている車に道を空けたりするようになりました。
 楽に運転している自分と困っている他者を置き換えるのです。
 すると、不思議にスムーズな流れになって予定より早く目的地へ着いたします。
 少なくとも、〈譲った〉ために遅れたことは一度もありません。

○状況を分析してみる

 ゆっくり走る車の後で、深く腹式呼吸を一回、行ってから、いろいろ考えます。

「運転手は初心者か、年配者か、体調の勝れない人かも知れない。
 誰の人生にも、自分の人生にも、そういう時期はある。
 自分が前の車の運転手であるとしても不思議はない」
「眠い人なら要注意だ。
 事故を起こすかも知れない」
「ここは天下の大道で、前の車は別に違法な走行妨害をしているわけではない」
「もしも自分の車がスピードの出せない古く小さな車だったなら、前の車のように走っていただろう」
「急いでいるのは自分の勝手であって、他者には関係なく、時分のセカセカしている状態は周囲に迷惑をかけているかも知れない」
「スピードが出ていないおかげでゆっくり音楽やお経が聴ける。そうだ、お経の確認をしよう」
「スピード違反を注意しなくていいから楽だ」

 考える内容はつまらぬことでも、イライラは消えてくれます。

○真言を唱える

 自分の干支の守本尊様は阿弥陀如来、生まれ星の守本尊様は勢至菩薩、「不戦日本」の祈願をしているのは胎蔵界大日如来、……。
 いろいろ唱えていると無用な感情が起こらず、あっと言う間に目的地へ着きます。

 ダライ・ラマ法王は説かれました。

「この二つの対象(自己と他者)をより明確に分化させたなら、それに比例するように『怒り』は明確になってしまいますし、この『怒り』を表出することによって、『怒り』はより鮮明になっていきますね。
 これは自分にとっても他者にとっても、あまり役立つことではありません。
 それよりも、この『怒り』が落ち着くまで、放っておいた方がいいでしょう。
 そして、冷静になったときを見計らって、『怒り』の原因や、なぜそのような感情に支配されたのかを論理的に調べるべきです。
 その考えを相手に伝えることが、お互いにとって有益と思われたなら、説明する必要がありますし、また説明しても相手が納得できないようであれば、いつまでもそのことにこだわらずに、忘れてしまった方がいいでしょう。
『怒り』というのは唐突にやって来る性質のものですから、忘れようとしていれば、ある時期がきたら忘れられるのです」

 イライラ、ムカムカしたならば、「この野郎!」と「自己と他者」を切り離さず、少なくとも「ああ、又、始まったか」程度は自分自身へ小さな省察を行ってみましょう。
 そうすれば、容易に暴発はしません。
 そして、こうしたことごとは気づかぬうちに習慣となって、反射的な怒りは起こらなくなります。
 経典は説きます。

「慣れて容易(タヤス)くならないものは
 どこにもない
 それゆえ小さな苦難に慣れることにより
 大きな苦難をも忍べ」

 小さなできごとで心が乱されないようになっていれば、いつしか、大きなできごとにも動じなくなることでしょう。

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8



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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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