コラム

 公開日: 2014-11-21 

「大雨が教えてくれた使命」(ハン・スンホ)全文 ―スピーチ最優秀賞に輝いた22才の韓国人警察官―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 11月15日、ソウルにおいて行われた「日韓交流スピーチ大会」で韓国人ハン・スンホ(韓昇コウ)氏が最優秀賞に選ばれました。
 主宰は在韓日本大使館公報文化院及び一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)です。
 この全文は日本国内未発表であり、以下の方々のご尽力により、当山へ送られました。

○駐仙台大韓民国総領事館様 
○一般財団法人 自治体国際化協会
Council of Local Authorities for International Relations (CLAIR)
総務部 企画調査課 主事 高坂 真理子(Mariko Kosaka)様
○在韓日本大使館公報文化院様

「私は警察の機動隊で働いています。
 外国の大使館や政府機関など公的重要施設の警備、そしてデモや集会の管理が私たち機動隊員の主な仕事です。
 本日は夜明けの頃、大雨の中で日本大使館を警備しながら感じたことについてお話ししたいと思います。

 6月のその夜は梅雨で雨が降りしきっていました。
 バスの中で休憩する時、天井を叩く雨の音で一睡もできないほどでした。
 勤務時間になっても大雨が続きました。
 視野は灰色の雨脚でいっぱいになって、足元は雨水で溢れていて、羽織っていた雨着や靴の中はすでに濡れてじとじととしていました。
 気温も湿度も高い大変な状況にもかかわらず、私はじっと立っていなければなりませんでした。
 私は後ろに建っている日本大使館を肩越しに見ながら、なぜ自分がこの大使館の前に立っていなければならないのかと考え始めました。

 上の指示に従うしかないからだろうか、ウィーン条約によって外国の大使館を守るのが義務だからだろうか、いくつかの理由を思いついたのですが、どれもその状況を乗り切るための動機にはなりませんでした。
 ちょうどそう感じた時、前の方にあった電光掲示板に連日悪化している日韓関係についてのニュースが出ていました。
 それを見た途端に思い出した二つは、反日デモ隊から日本大使館を警備した時の経験と、反韓デモ隊から韓国大使館を守るために苦労しているはずの東京の警察のことでした。
 東京にも韓国大使館の前で私と似たようなことを思う警察官がいるかもしれないと思うと、東京の警察との間に仲間意識さえ感じられました。
 それから私は、我々ソウルと東京の警察が、日韓関係という舞台の片隅で一番目立たないけれど絶対欠かすことのできない役を共に担っていることを、誇らしく思えるようになりました。
 悟りのようなものを得たと一人で感心していると、いつの間にか終わりそうでなかった大雨もやっと止み始めて、夜が明けようとしていました。
 なんとなく、これからはしっかり仕事に打ち込めそうな気がしました。

 それ以来、日本大使館勤務のときはいつもその夜を思いながら元気を出しています。
 そして常に日韓友好を念頭において、勤務中会う日本の観光客の方にはいつも笑顔で丁寧に対応するように努力しています。

 そして何より、今も私の仲間たちが責任感と使命感を持って日本大使館を守っているということを、本日の私の話で皆さんにわかっていただけると本当に嬉しいです。
 今まで私の話をお聞きくださりありがとうございました。」

 ハン・スンホ氏のプロフィールです。
・年令:22才
・身分:ソウル大学3年。徴兵制により現在は休学し、警察の機動隊に配置。在韓国日本大使館の警備などを務める。
・日本語学習期間:3年6ヶ月
・日本滞在経験:なし

 スピーチの文章は、教科書に掲載されてもよい内容ではないでしょうか。
 公開にご協力くださった関係者各位様へ、心よりお礼申しあげます。合掌

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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