コラム

 公開日: 2014-12-19 

ダライ・ラマ法王の説かれた『般若心経』(その2) ―すべてが不生不滅、不垢不浄、不増不減とは?―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈外は銀世界ですが、水槽ではタニシが大発生し、何ものかの卵も産み付けられています〉

 般若心経についてのご質問です。
「生じることもなく、滅することもなく、汚くもきれいなものでもない、減りも増えもしないものとは、具体的に何のことを言っているのですか?」
 今回は、(その1)で用いたDVDから少し離れますが、おおよそ、以下のようにお答えしました。

「般若心経は『是(コ)の諸法は空相(クウソウ)にして不生不滅、不垢不浄、不増不減なり』と説いています。
 字面をそのまま追えば、あらゆるものは生じたり、滅したりと無常であるのにどうしたことか?と疑問が生じるのはもっともです。
 考えてみましょう。
 そもそも、ここで言う『諸法』とは、私たちが日常生活で見聞きする現象世界そのものではありません。
 あくまでも観音菩薩の深い瞑想にあって〈空(クウ)〉であると観られた世界を示しています。
 すべては因と縁によって仮そめに存在しているだけであり、本も、猫も、自分もここにあって、ここにいますが、空の目から観れば独立して存在するものとしては、何一つありません。
〈不在〉なのです。
 なので、本や猫や自分と呼ばれるものの究極的ありようは、生じる何ものかでも、滅する何ものかでも、垢れている何ものかでも、浄らかな何ものかでも、増える何ものかでも〈ない〉というしかありません。

 ダライ・ラマ法王は、凡夫の目にとらえられる現象世界において、因と縁によって生じ、滅し、垢れ、清浄らかで、増し、減る状況を『世俗の真理』とされました。
 確かにそう見え、確かめられているから『真理』です。
 しかし、それは、それにとらわれて一喜一憂する凡夫の世界における真理でしかありません。
 現象世界のありようを根源からつかんだ観音菩薩の目に映り耳に聞こえる世界(般若心経の中身です)はただただ、空であり、それを『究極の真理』と言います。

 だから、この一文は、究極の真理として現れているこの世の諸々のものはすべて、凡夫の間で用いる言葉にすれば〈~でない〉と表現するしかないことを意味しています。
 凡夫の目には生じており、滅していますが、同じ世界が観音様の目には、そのままにして、空なのです。
 理解するポイントは、一つの世界が、凡夫の目には〈世俗的に〉とらえられ、観音様の目には〈究極的に〉とらえられるという二面性にあります。
 どうぞ、これからも、お励みください。」

 予断ですが、今日は暦上、一年に一日だけの特異な日です。
 一年を陽と陰に分けて運行する星の巡りが、昨日で陰の時期を終え、今日から陽の時期に切り替わる「陽転(ヨウテン)」と呼ばれる日なのです。
 大寒波で被害が出ている日本列島は、目に見えぬところで陽の気が動き始めました。
 今からおよそ200年前、イギリスの詩人パーシー・ビッシュ・シェリーは長編詩『西風に寄せる歌』をこう締めくくりました。

"If Winter comes, can Spring be far behind?"

「冬来たりなば、春遠からじ」という翻訳が有名です。

 また、22日は冬至を迎えます。
 一年で最も昼の時間が短くなり、翌日から確実に「日中」は長くなり始めます。
 そこで「一陽来復(イチヨウライフク)」と言われます。
 陰の気が極まり、陽の気がまた、勢いを持ち始めるのです。
 川崎展宏は詠みました。

「空をゆく鏡のごとき冬至の日」

 いかに寒くとも、荒天ではなく、好天で陽の時期を迎えたいものですね。
 空の鏡が発する陽光に照らされる善名善女の運気も陽となりますよう。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ