コラム

 公開日: 2015-01-04 

み仏のご加護とは何か? ―火事場の馬鹿力をもたらすもの―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。









〈3日午後から、例年どおり「みやぎ四国八十八か所巡り道場」の参拝を行いました。〉

 おかげさまにて、無事、お正月のご祈祷を終えました。
 たくさんの善男善女にご参拝、ご唱和をいただき、心より感謝申しあげます。
 また、おでかけになられない方々からもお声をお寄せいただき、ありがとうございました。

 さて、昨日午前10時からのご祈祷を終え、こんな法話を行いました。

 当山は、お大師様から伝わる修法を行っていますが、特徴的なのは守本尊様に祈るやり方です。
 古来、私たちは十二支を用いて時間と空間を表現してきました。

 子(ネ)の刻は午後11時から午前1時、丑寅(ウシトラ)の刻は午前1時~午前5時、卯(ウ)の刻は午前5時~午前7時、という具合に1日24時間を分けます。
 古人は、魔ものたちがうごめく真夜中を、「草木も眠る丑三刻(ウシミツドキ)」と表現しました。
 丑(ウシ)の刻とは午前1時~午前3時であり、その1刻(イットキ)をさらに4つに分けていました。
 だから、丑(ウシ)の刻の三番目は、午前2時~午前2時30分となります。
 さらに、1年も12カ月なので、1月は子(ネ)の月、12月は亥(イ)の月となります。
 さらに、去年は午(ウマ)年、今年は未(ヒツジ)年、来年は申(サル)年というふうに、年の巡りも十二支で表されます。

 空間としては、子(ネ)の方位は北、丑寅(ウシトラ)は北東、卯(ウ)は東となり、酉(トリ)の方位と言えば西になります。
 立体的には、人体も同じように、頭は午(ウマ)、両手は南東と南西に当たり、腹腰は北に配置します。

 そして、運気の流れを観て祈るご祈祷にあっては、「本厄」の年は北の方位にいるようなものなので、子(ネ)に関する守本尊である千手観音様にご加護をいただき、「八方塞がり」の年は周囲を囲まれた中央にいるようなものなので、中心に関する守本尊である地蔵菩薩様というように、「厄払い」もまた、守本尊様の修法によって確かなものになります。

 さらには、死霊に関する問題で悩む方には大日如来様、生霊に関する問題で悩む方には虚空蔵菩薩様、まっとうに生きる方向が見つからない方には普賢菩薩様というように、それぞれ異なった役割を持つ守本尊様の教えとご加護をいただきます。

 当山は平成9年、大和町宮床に一山を開基した後、さまざまな場面で守本尊様のご加護をいただきつつここまで来れました。
 真冬の托鉢にあっては、腹腰をお守りくださる千手観音様に祈りつつ歩きました。
 ギックリ腰になった方は、お地蔵様の修法で救われました。
 東日本大震災が起こった直後、現場で活躍した運転手さんの不調は、大日如来様のご加持(カジ)で解消しました。
 事故が続発した建築現場は守本尊様の結界法で守られ、マンションが完成しました。
 こうした体験があればこそ、修法を続けていられます。

 さて、仏教をかじったことのある方は疑問に思われるかも知れません。
 「仏教は超越的な神を認めず、すべては空(クウ)であると観ているのに、そうしたみ仏の方々はどこにおられるのか?」
 小生にもかつて、同じ疑問がありました。
 しかし、〈救済〉という動かしようのない現実があります。
 むしろ、現実があればこそ、お大師様から千年以上にもわたって修法が伝えられ、寺院が成り立ってきたと言えるでしょう。
 
 お正月に参拝されたAさんは熱心なお不動様の信者です。
 これまで幾たびもお救いいただきながら生きてこられましたが、年末に、もうこれまでか、という場面があったそうです。
 夜中に猛烈な腹痛が起こったのです。
 独り暮らしゆえ自分で救急車を呼ばねばなりませんが、脂汗にまみれてのたうち回るだけで、電話のしようもありません。
 ああ、お不動様、という最後の思いになった時、不思議にも痛みがやわらぎ携帯電話を手にすることができました。
 危機的状況から無事、回復したAさんは笑顔で報告されました。
「お不動様のおかげでした。
 今年もよろしくお願いします」
 陽に焼けた顔いっぱいに感謝の気持を表しておられるAさんに心で合掌しながら思います。
〝ああ、力の精一杯を生きておられる〟

 自分の実体験から、また、皆さんのご様子から、み仏のご加護とは、時として〈火事場の馬鹿力を発揮する瞬間がもたらされる〉ということであろうと感じています。
 私たちは日常生活において、持てる心身の力の何割かしか使っていない、あるいは使えないでいるものと思われます。
 それは、生きものとして生を長らえるメカニズムなのかも知れません。
 マラソンを行う人が百メートル競走のようには走らないのと同じです。
 また、私たちが持っている仏心、良心などからずれた自己中心的な心のはたらきが、本来の思考や身体の動きを抑えているのかも知れません。
 いずれせよ、〈余分なもの〉からすっかり離れた精神的状態になれば、潜在的な力が動くのであろうと思います。
 数学者であった故岡潔博士は、純粋直感がはたらく瞬間をこう述べておられます。
「私達が唯一無雑に努力した結果、心情によく澄んだ一瞬ができ、時を同じくしてそこに智力の光が射したのです」

 桁外れの聖者、行者といった方々が〈火事場の馬鹿力〉の体験を重ね、それを発揮するさまざまな方法を遺してくださったのがお次第という手引き書ではないでしょうか。
 ご主人を亡くし憔悴し切っていたBさんがご来山して報告されました。
「朝晩、必ず仏壇の前で、いただいた経典を読んでいます。
 内容はなかなかわかりませんが、いつの間にか口ずさめるようになりました」
 Bさんの目にも動作にも力が漲っておられます。
 ああ、抜け出られたか、と安堵する気持になりました。
 祈りは必ずや、いのちのはたらきを高め、いざという時は、普段の何倍もの力を発揮させることでしょう。
 み仏のご加護を信じ、普段の祈りを欠かさないようにしたいものです。

※まことに勝手ながら、5日(月)はご祈祷の後片付けなどのため、臨時のお休みとさせていただきます。祈祷札などを受け取りたい方はどうぞ、本日午後5時までにご来山ください。(ご不幸など、急用の方はご遠慮なくご連絡ください)

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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