コラム

 公開日: 2015-02-01 

武器商人の話 ―戦火を望む者へ対抗するには―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 仙南の町から帰山する途中、夜の東部道路は大雪となった。
 激しいみぞれの中、しっかりハンドルを握っていると、NHK第一放送ラジオから聞き慣れた声が流れた。
 ジャーナリスト小林和男氏である。
 氏は、激化する中東情勢の裏で動いている力があると言う。
 武器商人たちである。
 世界兵器見本市には何でもあり、世界を股にかけた商売の裏には残念ながら国家が控えている。
 氏がかつて取材した業界トップのA氏は中東出身者だが、ヨーロッパのど真ん中で悠然と暮らしながら、世界中へ武器を売りさばいている。
 A氏は20年前、こう言ったそうである。
「招来は中東が商売になる」
 商売人は儲けるのが仕事であり、紛争が起きて注文が入れば双方にでも武器を売り、利益を上げる。
 小林和男氏は最後に述懐した。
「武器輸出三原則のようなものは子孫のために残しておきたい」
 平成26年4月1日、半世紀ほど続いてきた武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則が閣議決定された。

 武器がなければ武力行使する侵入者から自らを守れない。
 しかし、武器は必ず誰かによってつくられており、それを売る商売人、あるいは商売国は常に買い手を求めている。
 紛争や戦争は常に求められ、あるいは気づく者などないままに、つくり出されている。
 人は誰しも、武器によって危害を加えられることなど望まないのに、一方では武器をつくり、売る人々や国が後を絶たない。

 イスラム過激派によるテロは、国際的な非難を受けて熄(ヤ)むどころか、燎原の火のごとく広がりを見せ始めている。
 心身を神へ捧げる人々を殺し、巻き添えになる無垢の人々を殺すのは、彼らへ与えられた武器であり、〈与える人〉は安全な場所で我が世の春を謳歌している。
 アメリカをはじめとした国々がイスラム国を撲滅すると宣言した戦いは、最低、三年かかるとみなされている。
 その間、人々を殺し、生活環境を破壊するためにどれほどの砲弾やミサイルが消費され、どれほどの利益が武器の製造者たちや販売者たちへもたらされることだろう。
 膨大な死や悲しみや絶望が人の手によってつくり出され、それらが大きければ大きいほど、ほくそ笑む者の懐は温かくなる。
 反吐(ヘド)が出そうなほど醜悪な構図は人間の歴史にべったりと貼りついている。
 私たちは何ができようか?

 まず、観ることではないか?
 情報操作などによって盲(メシ)いないことではないか?
 そして、反吐が出そうになる感覚を忘れないことではないか?

 あるいは、殺される人々や哭く(ナ)く人々の死や悲しみや絶望を我が身に置き換えてみることではないか?
 そんなことなどできはしない、気休めさ、と言ってしまうのは簡単だ。
 しかし、万分の一、やろうとしているうちに、やがて千分の一はできるようになり、やがて、百分の一もできるようになるという事実は、人が人であるために通るべき道の一本を示している。

 そして、害することの恐ろしさ、害されることの恐ろしさを想像し、〈害さない人〉でありたいと願うことではないか?
 私たちは、自己中心であるがために、意図せずとも誰かを害してしまう哀しい存在だ。
 なかなか別な者にはなり難い。
 しかし、己の恐ろしさを知り、そこから脱しようと努力することはできる。
 誠実であることはできる。

 このように、決して、やれることがないわけではない。
 自分が変わらずして、自分の存在がかかわっている世界を変えようとするのは無責任だ。
 一方、自分が変われば、即、世界はかわる。
 いかに細(ササヤ)かであろうとも。

 世界へ網をかける武器商人の存在を忘れないようにしたい。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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