コラム

 公開日: 2015-03-02 

お釈迦様の前に悟った方々はなにを説かれたか? ―過去七仏(その2)―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈たくさんの善男善女が唱和される力にお支えいただき、般若心経百万返の供養会は無事、終了しました〉

 お釈迦様は言われました。
「私はただ、過去の聖者たちが悟られたことに気づいただけである」
 では、その「過去七仏」とは?
 第二回目です。

4 クルソンブツ

「譬(タト)えば蜂の華を採(ト)るが如(ゴト)く、其(ソ)の色(シキ)甚(ハナハ)だ香潔にして、味を以(モ)って他に恵施(ケイセ)す。
 道士(ドウシ)聚落(ジュラク)に遊んで人を誹謗(ヒボウ)せざれ、亦(マタ)是非を観ぜざれ。
 但(タ)だ自ら身行(シンギョウ)を観じて諦(アキラ)かに正、不正を観ぜよ」

 他人様の言うこと、なすことについて、あれこれと批判するより先に、自分が何を考え何を行っているかをよく省みて、それが正しいか正しくないかを冷静に判断することこそが行者のありようで、そうした人は、美しく恵みにあふれ、蜂たちへ恵みを施す花のごとき存在になるのです。
 蜂と花のたとえは後に、お釈迦様が異なった観点から用いています。
「蜂が蜜を集める際に、花びらを壊さずおいしい蜜だけを集めるように、行者は人々の気持や生活へ余分な波紋を及ぼすことなく、注意深く托鉢や修行をせよ」
 私たちは安易に、「あいつはけしからん」「あの人って嫌ねえ」と「誹謗」し、「あの人は正しい」「この人は間違っている」と厳しく、険しく「是非」を云々しますが、テレビに出ている人たちがそうしてワイワイやっている様子に引きずられないようにしたいものです。
 一緒になって興奮している自分自身の姿を鏡に映してみる想像力と、自分は何をどれだけ知り、考えて判断しているのかを省み、恥じる謙虚さを失いたくないものです。

5 クナゴンムニブツ

「志に執して軽戯(ケイゲ)すること莫(ナ)く、当(マサ)に尊寂(ソンジャク)の道を学すべし
 賢者は愁憂(シュウウ)すること無く、常に志の所念(ショネン)を滅すべし」

 思い定めた志を保って離さず、志の高みから落ちない学びと実践の道を歩むことが大切で、つまらぬことに憂いを抱かず、志の周囲にあるものによって迷わされないのが賢者です。
 吉田松陰は、自分の本分を知ることこそ人生の目標であると説き、3月1日に放映されたNHK大河ドラマ『花燃ゆ』においても、高杉晋作に対して「あなたの志は何ですか?」と問いかけています。
 また、同ドラマにおいて、自分の人生も社会も斜に眺める高杉晋作へかけた久坂玄瑞の言葉が強烈でした。
「お前の人生がつまらんのは、お前自身がつまらんからじゃ!」

6 カショウブツ

「諸(モロモロ)の悪を作(ナ)すこと莫(ナカ)れ、衆(モロモロ)の善を奉行(ブギョウ)すべし、
 自(ミ)ずから其(ソ)の意を淨(キヨ)めよ、是(コレ)諸仏の教えなり」

 悪しきことはどれも決して行わず、善きことはなるべくたくさん行い、そうした自分自身の努力によって心を清めて行くのが悟った人々の教えです。
 善悪は確かに親や先生や本などによって教えられ、やがてその人なりの判断尺度が形成されても、究極的には、自分の良心あるいは仏心とでも言うしかない自然な心の反応に従うしかありません。
 ここに説かれる「自ら」には、理論やドグマではなく、人間の心に本来そなわっている清浄な核といった感覚があり、仏教は根本的に性善説に立っていることがわかります。
 慈雲尊者(ジウンソンジャ)が説かれた「仏性(ブッショウ)に順じて心を起こすを善といい、これに背くを悪という」は不滅の教えです。
 世界の創造者でなく私たちの心におわすみ仏の救済に〈救い漏れがない〉という仏教の信念は、私たち自身に皆、仏心が具わっているという確信なしに成り立ちません。



 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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