コラム

 公開日: 2015-03-08 

ポジティブ思考に疲れたら ―強迫観念から解放世界へ―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 ポジティブ思考に疲れた方からの人生相談です。
 以下、簡単に述べてみます。

 私たちにとって、「~と思う」という状態と、「~と思わなきゃ」と自分に言い聞かせている状態はまったく違います。
 前者には開放感が伴い、後者には圧迫感が伴っています。
 最もわかりやすいのがこの二つです。
A:「自分はこの仕事に向いていると思う」
B:「自分はこの仕事に向いていると思わなきゃ」
 Aの状態で仕事をしていれば、多少、辛いことがあっても乗り切る力が湧いてきて、峠を越えた後は、歩む脚が一段と丈夫で逞しくなっています。
 Bの状態で仕事をしていれば、ちょっとの問題でも大きな負担に感じ、ストレスと闘いながらふうふう言ってようやく峠を越え、超えた後はフラフラになっていたりします。

 ところが私たちは、Aの状態で仕事ができることなど、あまりありません。
 だから、実際はBなのに、Aであると自分に言い聞かせながら頑張ろうという〈訓練〉法がいろいろあります。
 しかし、〈実際はB〉であると知っている自分をごまかしきれず、表面の心と潜在意識とがずれた葛藤からなかなか離れられないので、訓練は大変です。

 仏教では、思い込みを排除します。
 経典も作法も修行もすべて師より伝授されますが、その時点では、ただ〈知った〉ということでしかありません。
 例えば、「一切の現象世界は、本質的に清浄であり、自分も又、本質的に清浄である」という内容の観想があります。
 これを与えられたならば、どういうことなのか?と自分で考えつつ、修行としては誤りなく観想を続けます。
 そうするとある時、〈そうなのか!〉と気づき、一気に心の視界が開けます。
 もちろん、そうなりにくい、あるいはならない人もいて、それは仏縁の問題としか言いようがありません。

 さて、大切なのは、この修行のどこにも強迫観念がないということです。
 経文としては「思え」となっていても、それは、手順としてこうなっているという意味でしかなく、強要はせず、現実感と経文の内容とのギャップを無理になくす必要はないのです。
 そもそも、経文とは、み仏の世界そのものや、み仏の世界へ入る方法を説くものであって、私たちが不通に生活している現実世界とかけ離れているのは当然です。
 しかし、かけ離れているという事実認識がちっとも苦にならないのは、経文の向こう側が、苦から離れた解放の世界だからです。
 臨死体験をした人が見るお花畑は常に魅力的で「行きたい」と思わされています。
 そのように、経文の世界は〈知らぬ間に〉よき世界をかいま見せ、眺める窓が広がれば嬉しく、自分の中にある霊性が活性化されるので、開放感は増すばかりです。

 だから、ご縁のお寺を探し、信頼できると感じた僧侶から経文を授けられてはいかがでしょうか?
 きっと「信じなさい」とは言わないはずです。
 効率を上げようと強迫観念で自己改造をはかるのではなく、努力は続けつつも、じっと〈時を待つ〉のが仏教のありようだからです。
 ちなみに、お釈迦様は、自分の名前すら覚えられないチューラパンダカさんを導く際に、お掃除をしながら「塵を払わん、垢を除かん」だけを唱えるよう指示し、長年かかりましたが彼はとうとう悟りを開きました。
 皆さんよくご存じの茗荷は、「名」を「荷(ニナ)う」という意味があり、この草は、自分の名前すらも重い荷物として一生、荷い続けた彼のお墓に生えていたとされています。
 だから、食べ過ぎると物覚えが悪くなるという言い伝えがあるのです。

 どうぞ、「~と思わなきゃ」に疲れた時は、無心に経文を唱えてみてください。
 よき運命転化をされ、自然にポジティブ思考がはたらきますよう。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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