コラム

 公開日: 2015-03-20 

スマホに文明の凶器性を考える ―7時間スマホの女子高生と中学生レベルの学力―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 3月18日付の朝日新聞は「女子高生 スマホに潜む危険」と題し、女子高校生は1日平均7時間をスマホや携帯電話に費やしていると報じた。
 なお、男子高校生は1日平均1日4・1時間である。

 インタビューに答えた千葉県の高校2年生(17才)である。
「友人とのコミュニケーションはLINE抜きでは考えられない。
 メッセージを読んだら2分以内に返信、学校の休み時間もメッセージのチェックを欠かさない。
 密封できる袋に入れて入浴中も音楽を聴き、芸能人の動画を楽しむ。」
 そして言う。
「これでも友達と比べたら短い方だと思います」

 記事は、スマホの使用にまつわるトラブルを取りあげ、警鐘を鳴らしている。
 無料で動画を配信できるツイキャスを運営するモイ社は「不適切な配信の監視を強化し、個人情報公開が危険であることへの注意も呼びかけていきたい」としている。
 また、鎌倉女学院中・高(神奈川県)の佐藤正二教諭はインターネットに関する学習に取り組んできた立場から提言する、
「スマホの全面禁止は現実的でないし、頭ごなしに警告しても思春期の子は受け入れない」
「親もサービスを知り、気持ちに寄り添うのがポイント」
「『使ってみたいから教えて』と親が言えば意外と教えてくれる。
 コミュニケーションをはかりつつ、危険性について話してほしい」
 つまり、中傷、強迫、プライバシーの侵害、その他不適切な情報の発信などへ警告を発している。

 しかし、本当に恐ろしい問題はもっと別なところにありはしないだろうか?
 24時間しかない1日のうち7時間をネット上のやりとりに費やし、誰かから届いたメールへただちに返信せねばならないとは、〈依存症〉あるいは〈中毒〉のレベルではなかろうか?

 そもそも、誰かへ手紙を出し、メールを送り、電話するのは、自分の都合によって〈相手の人生の時間を分けてもらう〉行為である。
 だから、手紙は必ず、「拝啓」などの頭語から始まる。
 いかなる相手であろうと、「慎んで申しあげます」「まことにすみませんが……」とへりくだり、恐縮する気持を伝えなければ申しわけないのである。
 最後が「敬具」など、「心より敬い、申し述べました」と結語で終わるのは当然である。

 暇無しに膨大なメールのやりとりをするとは、互いに相手の人生を削り取り、削り取られている状態であり、しかもそれが自覚されていないと言えないだろうか?
 そして、メールが来なくて淋しいとは、もはや、自分で自分の人生を充実させられなくなっている状態であるとは言えないだろうか?
 モダンジャズやクラシックの室内楽1曲を聴くだけで数分かかる。
 一篇の詩を読み、印象にたゆたうのもまた数分かかる。
 しかし、その間もメッセージは届き、すぐに返信をしなければ人間関係が怪しくなるとは、あまりに恐ろしいではないか。


〈朝日新聞様よりお借りして加工しました〉

 同日、朝日新聞はもう一つ、「高3英語力 中学並み7~8割」という驚愕すべきデータを掲載した。
 3月17日に文部科学省が発表した調査によれば、高校生の7~8割が、卒業時に目標とされている「英検2~2級程度」に達していない。
 日常の範囲で単純な情報交換ができるレベルであるA2(英検準2級程度)に達した生徒は1~2割、英語圏で暮らせる「B1」(2級程度)は最大で2パーセントしかいない。
 非英語圏で中学レベルとされる「A1」(3~5級程度)に分類される生徒が7~8割である。

 文科省の担当者の話である。
「特に『書く』『話す』は課題が大きい。
 授業改善につながるよう、いい授業の事例をまとめて配るなどして後押ししたい」
 彼がこう言うしかないのはわかる。
 しかし、それは、火付けを放置したまま消化の練習をするようなものではないか?
 生徒が自主的に勉強する時間も、自分の頭で考え想いを深める時間も少ないまま、与えられるもののレベルが上がっただけでは、できる子とできない子の格差は広がるばかりだろう。

 かつて、ゲームの問題についても、文明の刃が子供たちを傷つけないよう、大人たち、経済界の人々が熟慮せなばならないと書き、経済人が集まる場でも繰り返し、お話ししてきた。
 今回も同じく、子供たちを集団夢遊病にかけつつ莫大な利益を上げるスマホなどの関連会社も、政府も、よくよく考える必要があると思う。
 ここまでくればもはや、一家庭だけではどうにもならない。
 〈生身(ナマミ)の人間〉と円滑な人間関係が結べず、反射的に思考停止し、怒りや怨みや欲望などに流された無謀な行動に走るのは、人生の時間が神経症的に削り取られていることと無関係であるとは思えない。
 早くこの恐ろしさに気づいていただきたい。
 危機感をより多くの方々と共有したい。
 もうすでに、文明という川で流されるままに滝壺へ落ちる若者たちがいるのだ……。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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