コラム

 公開日: 2015-03-21 

出家と家出 ―オウム真理教に学ぶ危険な宗教の見分け方と落とし穴―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 地下鉄サリン事件から20年となり、オウム真理教に関する報道が増えた。
 あの事件やオウム真理教から教訓とすべきことは多々あるが、出家(シュッケ)と家出(イエデ)の違いを見分けることは重要である。

 出家とは目的を持って家を出ることであり、専門的仏教者を目ざす者は一時的に日常生活を離れ、修行一筋の生活へ入る。
 家出とは家を捨てることであり、家庭での生活を続けたままでは自分の抱えた問題を解決できないと諦めて親兄弟を見限る。

 両者の決定的な違いは家や家族との関係にある。
 出家において家を離れ、家族や友人から離れるのは、あくまでも途中経過であり、やがてそうした人々と共によりよい世界を創ることが不動の目的となっている。
 ところが家出は、家を見限り、家族や友人を切り捨ててフリーになりたいがために行う逃避行動であり、再びそうした人々と共生しようという積極的な意志はない。

 仏教で説く修行者は、以下のとおりである。
「今の自分のままでは親や社会やご先祖様などの恩に報いられないので、愚かさを離れ、真に役立てる人間を目ざす者」
 つまり、菩薩(ボサツ)を目ざすのである。
 地蔵菩薩も観音菩薩も、釈迦如来や阿弥陀如来に匹敵する悟りを開いていながら、私たちのおそばに顕れ、お救いくださることを願いとしており、救う相手を選ばず、〈見捨てる〉〈見限る〉という行為ほど菩薩から遠いものはない。

 オウム真理教や、その末裔である「アレフ」や「光の輪」はどうか?
 家や社会への不満を逆手に取り、「ここへ来れば大丈夫」とばかりに教団内へ引き込み、一旦、入信したならば決して帰そうとしない。
 手放さない方法として、信者へ家や社会の恩を忘れさせ、国家を含め外部の一切を憎悪させ、軽蔑させ、敵視させるマインドコントロールを行う。
 教団の内部は一切が善であり、外部は一切が悪であるという独善的な妄想の帰結が地下鉄サリン事件を始めとする数々の犯罪行為である。
 麻原 彰晃は明言している。
「対立する者は消せばよい」
 これが誤ったポアであり、現在の「過激派組織IS=イスラミックステート」などに共通する過激思想の終着点である。

 まっとうな宗教と怪しい宗教の見分け方が明らかになった。
1 出家は方法としてあり得るが、家出をさせるものは疑うべきである。
2 信者を囲い込み、教団外の仏神や人間を憎悪させ、軽蔑させ、敵視させるものは疑うべきである。

 問題のある様相は現在、宗教団体に限らず、一般的にも散見される。
 専門的な機関は別として、「いつでもおいでなさい」と子供や若者に家出を勧め、〈我が家〉へ留め置こうとするものは疑うべきである。
 家出者が気ままにできる場所を天国と誤認させてマインドコントロールし、社会から孤立させ、あげくの果ては犯罪へ巻き込むケースがどれだけあったろうか。

 最後に確認しておきたい。
 自分や家族や社会などへの落胆や失望や絶望から出家することはあり得る。
 そこでまっとうな指導者は必ず〈恩〉を説く。
 ちなみに現在、伝統仏教においては、出家の時点で「親や、社会や、生きとし生けるものや、仏法僧への恩に報いる」ことをご本尊様の前で約束せねばならない。
 憎悪し、軽蔑し、敵視する者は真の出家者として認められない。
 いかに有名であろうが、大きかろうが、すばらしい人道を掲げていようが、〈内部にのみ真理がある〉と説くものは危険である。

 西暦2000年を期してできあがった「地球憲章」にはどう書かれているか?
「平和とは、自分自身、他人、他の文化、他の生命、地球、そして全てがその一部を構成する、さらに大きな全体との間の、適切な関係によって創られた総体であることを認識しよう。」
 万物に真実を見出す柔軟で親和と思いやりに満ちた人間となるよう精進するのが、これからの時代に求められている真の宗教ではないか?
 高野山開創1200年目を迎える真言宗では、ご縁の方々と共にめざしている。
「相互礼拝 相互供養」
(互いに尊び合い、互いに思いやろう)
 この「互いに」から除外される人は誰一人いない。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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