コラム

 公開日: 2015-03-31 

み仏の戒めを受けた時(その1) ―貪る心に負ける人は何をすればよいか?―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 今月の〈お大師様の聖語〉です。

「たまたま如来の警(イマシメ)に遭いぬれば、菩薩(ボサツ)の寛(イツクシミ)に廻心(エシン)す」

(たまたま、み仏の戒めを受けたと感じたならば、菩薩のお慈悲におすがりしよう)

 人生は、いつも順風満帆というわけにはゆきません。
 〝ああ、み仏のお叱りを受けた〟あるいは〝今、弱い自分が鍛えられている〟としか思えない場面があります。
 そうした時は怠けていたり、恩知らずだったり、思い上がっていたり、必ず何か思い当たるフシがあるものです。
 懺悔し、愚かなままではいられないと気づけば、お地蔵様や観音様など、私たちの身近に顕れて有くださる菩薩(ボサツ)のお慈悲にすがりましょう。
 至心におすがりすれば自分にも又、不思議に、思いやり慈しむ心が生じます。

 もしも自分を省みて、貪り・怒り・愚かさという「三毒(サンドク)」のどれかにやられているなと感じたならば、こんなことを実践してみましょう。
 古来、仏教徒は三毒が私たちの苦の源になっていると考え、その対策を研究してきました。



(松井冬子氏の『浄相の持続』より)

1 貪って止まない場合

 自分が〈飽くを知らない〉心になっている時は「不浄観(フジョウカン)」という瞑想法を行いましょう。
 死んだ美人が腐敗し、鳥や獣に喰われ、骨になり、やがてはそれも風に散ってしまう成り行きを観想するのです。
 インドやチベットでは実物をじっと眺める修行が行われ、日本でも「小野小町九想図(オノノコマチクソウヅ)」という9枚の絵が瞑想の対象として用いられました。
 この世では、ありとあらゆるものが生・住・異・滅(ショウ・ジュウ・イ・メツ)の「四相(シソウ)」を免れません。
 芽が出て咲く花がある一方で、咲いていた花が萎み、落ちているのです。
 吉田兼好は『徒然草』に書きました。

「生住異滅の移り変はる実の大事は、猛(タケ)き河のみなぎり流るるがごとし。
 しばしも滞らず。
 直(タダ)ちに行ひゆくものなり。」

 変化に「待て」は効きません。
 たった今の変化を免れる何ものもありはしないのです。
 財欲や色欲や飲食欲や名誉欲や睡眠欲に流され、お金や異性やごちそうや名声や惰眠の何にしがみつこうと、それらがいつまでも〈そのまま〉で止まってはいないだけでなく、お金を使える自分も、セックスを楽しむ自分も、ちやほやされていい気になっている自分も、たらふく食べている自分も、安らかに眠っていられる自分も、いつまでも〈このまま〉ではいられません。
 こうした無常を実感する時、初めて、自分そのもののありようが最大の問題として意識に立ちのぼってくることでしょう。
 その時、もしも〝このままでいいや〟と思う人は果てしなく堕落し、何をいくら得ようとも、ついに、まっとうな人間にはなり得ないことでしょう。
 貪る自分の浅ましさに身震いする人は、何が得られなくとも、まっとうな人間として与えられた命分をまっとうできることでしょう。
 そのことをお釈迦様は説かれました。

「財物も名誉も家族も何一つ、あの世に持ってはゆけない。
 あの世に持って行けるものはただ、人間としての徳のみである」

 すべてをお金に換算し、すべてを損得という定規で計りながら生きる人は、他人様を邪魔者扱いしながら霞をかき集めているようなものです。
 早く、その空しさに気づきたいものです。
 人類の叡智がもたらした「不浄観」に学びたいものです。 

 今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=qp8h46u4Ja8


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。合掌

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