コラム

 公開日: 2015-04-01 

み仏の戒めを受けた時(その2) ―怒りっぽい人は何をすればよいか?―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈家具職人増野繁治師の最新作〉

2 すぐにカッとなり、怨む場合

 つまらぬことにもすぐ腹が立つ〈ささくれて荒々しい〉心になっている時は、「慈心観(ジシンカン)」という瞑想法を行いましょう。
 これは、真の思いやりを抱くことにより、怒り怨む黒い心が起こらぬようにする実践法です。

 お釈迦様が説かれた深い思いやりすなわち慈悲は、対象を選びません。
 苦しむ人がいれば共に苦しみへ立ち向かい、楽しみが得られない人がいれば共に楽しみを求める抜苦与楽(バックヨラク)が慈悲の心です。

 ところが私たち凡夫は、好き嫌いや自分の都合により、苦しみや不足に悩む人がいても知らん顔をします。
 それどころか、「他人の不幸は蜜の味」ということわざがあるとおり、思いやりと反対の心さえ私たちには抜き難くつきまとっています。
 しかもこの心理は、そうした反応が脳内メカニズムとして生じることが解明されており、なかなかやっかいです。
 ただし、救いなのは、〝ざまあみろ〟という気持になっても、そのまま爽快さを保てるわけではなく、心のどこかに後ろめたい気持や後味の悪い気分が伴うことです。
 私たちの心には確かに慈悲心があり、問題は活性化させるかどうかにかかっています。

 さて、慈心観へ戻りましょう。
 この瞑想は、自分勝手な区別の心を抑制し、本来持っている慈悲心がはたらくようにする心のトレーニングです。
 まず、周囲の人々を三種類に分けましょう。

・Aグループ:親しい人・良い人
・Bグループ:憎い人・悪い人
・Cグループ:どちらでもない人

 縁のある人は必ずどこかのグループへ入るはずです。
 次に、Aグループの一人一人が何らかの苦しみを抱いていると想像します。
 たとえば、母親が持病に苦しんでいる、恩師が生徒の非行に苦しんでいる、恋人が親の不和に苦しんでいる、などなど。
 この想像をじっと続けて行けば、必ず、いたたまれない気持になってくることでしょう。
 次に、Cグループの一人一人が何らかの苦しみを抱いていると想像します。
 たとえば、八百屋のおばさんが老後の蓄えを騙し取られた、コンビニの店員さんが暴漢に殴られた、いつも道路掃除している隣の家のおじさんが大切にしている壺を壊した、などなど。
 この想像をじっと続けて行けば、当初は〝知ったことか〟と思っても、だんだん、いたたまれない気持になってくることでしょう。
 次に、Bグループの一人一人が何らかの苦しみを抱いていると想像します。
 たとえば、辛く当たるクラブの先輩が失恋して苦しんでいる、大嫌いな同級生が大怪我をした、反抗的な下級生が苛められている、などなど。
 この瞑想をじっと続けて行けば、当初は〝いい気味だ〟〝自業自得さ〟と思っても、苦しむ様子をリアルに想像しているうちに、やはり、いたたまれない気持が起こってきます。

 等しく煩悩(ボンノウ)を抱いている私たちは必ず、意のままにならない状況にぶつかり苦しみを抱えます。
 そして、誰かの苦しみをありのままに観る時、必ず、自分が苦しみを感じている時の気持がよみがえってきます。
 あたかも、鏡が姿形を映し出すように、音叉が共鳴するように。
 この真実に気づくと、慢心や軽蔑や憎悪といった悪しきものが離れ、つまらぬことで怒ったり怨んだりしなくなります。
 ちなみに、チベット仏教には菩薩(ボサツ)となるための訓練法『三十七頌(ショウ)』があり、そこでは自他を等しく観る心の眼が繰り返し説かれています。(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-category-65.html
 また、チベットでは、他者の苦しみを自分が身代わりとなって受け、自分の幸福と福徳とをそっくり他者へ渡すトンレンという瞑想が行われています。
 こうした訓練は、カルトによるマインドコントロールといったレベルとはまったく異なり、体操が身体に有益なのと同じく、心に有益なトレーニング法です。
 そのあたりの検証は、ダライ・ラマ法王と脳科学者たちの対話『「脳」を変える「心」』に詳しく示されています。

 どうでしょうか?
 怒りっぽい方はA・B・Cのグループ分けから始めてみませんか?

 次回は、三毒の最後、「愚癡」を克服する瞑想について述べます。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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