コラム

 公開日: 2015-06-25 

お葬式を行えば何が変わる? ―枕経や引導の現場から―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈個別型永代供養樹木葬『法楽陵』の工事は着々と進んでいます〉


〈土が漏れ出さないよう、自然石一つ一つの間へ割った石片を丁寧に挟み込んで行く庭師さん〉


〈この時期の七ツ森は最高です〉

 友人の人生相談についてきたAさんから突然、ご質問があった。
「お葬式をすると、何が変わるんですか?
 俺たちは正直、お葬式は別にやらなくたっていいと思ってるんですが……。」

 正直なAさんにゆっくりお答えした。
「そうですね。
 私は輪廻転生(リンネテンショウ)によって何度も死んだ経験をしているはずですが、その記憶はこの世に生まれてくる時に上書きされるらしく、思い出せません。
 だから、自分自身の体験に基づいたお話はできません。
 でも、修法を行うと亡くなった方(カタ)に何らかの変化が起こるという経験はいろいろあります。

 たとえば、自死した少女の唇へ散杖(サンジョウ)で香水(コウズイ)を落とし、数珠をご遺体へ当ててご加持(カジ)を行ったところ、花のような得も言われぬ佳い香りが立ち昇り、参列していた方々の嗚咽が高まったことがあります。
 修法前、『娘は何を言いたかったのか』と悩んでいたお父さんは、『娘が言いたかったことはこれからだんだん、わかるような気がします』と涙を浮かべられました。

 また、遠くに住む息子さんが臨終の場に間に合わず、枕経に駆けつけられた時のできごとです。
 光明真言を唱え、ご加持を終えた瞬間、亡くなった方がフーッと一息、安心したような溜息を漏らされました。
 修法前、『苦労して私を育ててくれたおふくろはきっと、言いたいことがあったろうに、済まなかった……』と泣いていた息子さんは、『何を言いたかったか、わかるような気がします』と頭を下げられました。

 また、友人のご葬儀に参列した学友Bさんのお話です。
『ご住職が引導を渡された瞬間、遺影の上方にあいつの顔が浮かびました。ずいぶん、苦しみながら逝ったはずなのに、昔の笑顔そのままでした。』
 故人の魂を感得して引導を渡す導師としては、自分が相手と対面する経験は決してめずらしくありません。
 でも、ご参列の方がはっきりと感じとられたのは、ありがたいことだと思います。

 また、斎場で最後のお別れを行った時のできごとです。
 大問題を起こし、不慮の最期を迎えた方なので、参列者の間にどこかザワザワした雰囲気がありました。
 でも、心身を天地へお還しし、お不動様のお導きでこの世から解き放たれる法を結んだ瞬間、ざわめきは嘘のように静まりかえりました。
 故人との関係上、自分の気持にとらわれていた参列者の皆さんがようやく、み仏と御霊の〈尊厳の世界〉を感じとってくださったのだろうと思いました。
 み仏のお導きには、善人と悪人の区別はありません
 人はひとしく、故郷であるみ仏の世界へ帰って行くのです。

 こうしたことごとを体験しつつ祈り、修法している身としては、皆さんに申し上げたいことは一つしかありません。
 僧侶という〈現場〉にたずさわる者から直接、話を聴き、自分で真実をつかみ、人を、あるいはペットを送るという人生上の大事を軽々しくやり過ごさないでください。
 誰かの死を軽んじるのは、自分の人生を軽んじることにつながるのではないでしょうか。
 小生のこの思いは、人が死ぬ戦争の〈現場〉をよく想像することによって、何としても戦争を避けたいという信念を持っていただきたいという願いに通じています。

 こんなところです。
 答になっているでしょうか?」
 
「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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