コラム

 公開日: 2015-07-18 

『寺院消滅』を読む(その2)

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈個別型永代供養樹木葬『法楽陵』の第一期分は申込み終了となり、周囲へ芝生を貼り始めました。第二期20基のお申し込みを受け付けています〉


〈招霊木(オガタマノキ)も元気です〉
 鵜飼秀徳著『寺院消滅』を読み続けたい。

 108頁から、作家玄侑宗久氏が問いに答える「宗教は『時代遅れ』でもいい」が掲載されている。

 今から半世紀ほど前、アメリカにおいて、宗教者が純粋に布施や奉仕に徹した宗教活動を行うためには、宗教行為以外の収入があった方がよいという運動があり、氏も若い頃は「そうした考え方に共鳴していた」が「今ではそれは違う」と思っていると言う。

「宗教者自身が生活のすべてを懸けなければ、仏教教団はどんどん弱ってしまう気がします。」

 当然である。
 一時、二足のわらじを履いていた体験者として断言できる。
 最大の理由は、生活が保証されている環境にあれば、ほとんどの人は、生きて行けるかどうかわからない地点まで、自分を追いつめないからである。
 それは難行苦行の話ではなく、行動原理を純粋な宗教的要請のみに置くかどうかという、行者自身へ突きつけられる問題であり、片足が娑婆的収入につながっていれば、いよいよの段階で必ず、甘くなる。
 甘さはプロとしての未成熟をもたらし、宗教者として生きてゆくだけの布施には決して恵まれない。
 身を棄ててこそ浮かぶ瀬もある。
 お釈迦様もお大師様も、ここのところを仏神へお任せしたからこそ、一流の宗教者となった。
 二足のわらじを脱ぎ、托鉢で生きるようになってようやく、〈お任せする〉恐ろしさもありがたさも知った。
 この恐怖と感謝こそ、行者を真のプロへと導くものではなかろうか。

「おらが寺の和尚さんに『送ってもらいたい』と檀家さんに思っていただけるか。
 そこが寺の生命線です。」

 当山は「脱『檀家』宣言」を行い、布施と檀家の真の意味を世に問い続けている。
 その結果、法務を理解して仏縁を求める方々や、一歩、進んで自主的サポーターとなってくださる方々による尊いお布施によって、皆さんが必要とする宗教行為を継続させていただいている。
 その中で最も強い要請こそ「送ってもらいたい」そのものである。
 
 ご紹介を受けてご来山されたAさんが言われる。

「散骨にしてもらおうと思いましたが、息子から問われました。
『お母さんはそれで気が済むかも知れないけど、俺たちが手を合わせようとした時、海へでかけたとしも一体、どこを向いてどうすればいいんだ。
 お母さんから死後のことを言い出されてから、俺たちも具体的に考え始めた。
 お母さんが死んだら、俺たちは必ず、おりおりに感謝して手を合わせたいと思うはずだ。
 その時、ちゃんとわかるようにしておいてくれないと困る。
 そして、そうなる前に、お母さんが本当に安心してあの世へ行けるよう、信頼できるプロの話をちゃんと聞いておいてくれないと困る。
 もちろん、その内容は、実際に手をかける俺たちに教えておいてよ。
 お母さんに俺たちが言いたいことはあと二つ。
 万が一にも当てにしたり争いになったりするのは嫌だから、財産は一切残さないでくれ。
 そして、それぞれ生きていくのに精一杯なんだから、借金も絶対、残さないでくれよ。』
 ご住職とお話をして決心しました。
 どうぞ、私を送ってください。」

 そして、戒名の意義を理解して生前戒名を求め、共同墓『法楽の礎』の契約をされた。
 Aさんはまだ50才台で元気溌剌、どう考えても小生の方が先に逝く。
 だから、Aさんのご信頼は、当山の姿勢についていただいたものに他ならない。
 お応えできる寺院として残すよう、先述の〈恐怖〉と〈感謝〉を知っている行者に後を託したいと願っている。
 
「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

この記事を書いたプロ

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遠藤龍地

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