コラム

 公開日: 2015-08-25 

連続する爆発に予告の縁を観る ―狂気と日本の役割―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈「ペシャワール会」様よりお借りして加工しました〉


〈「津軽金山焼」この揺るがぬもの〉

 ここ1か月、爆発、炎上やそれに類するできごとが異様に多い。
 
 7月26日には、東京都調布市富士見町の民家に離陸直後の小型飛行機が墜落し、3人が死亡、4人が重軽傷を負った。
 8月4日には、南北軍事境界線近くの非武装地帯(DMZ)の韓国側地域で地雷が爆発し、韓国側に負傷者が出た。
 8月12日には、中国天津市塘沽港で化学物質の大爆発が起き、数百人とおぼしき死者の数や大気の汚染などは今なお、不明である。
 8月12日には、沖縄県うるま市の伊計島沖に米陸軍ヘリコプターH60が墜落し、自衛官2名を含む6人が負傷した。
 8月15日には、鹿児島市が桜島の噴火警報を受け、島の3地区へ避難勧告を出した。
 8月17日には、タイのバンコクで爆発物が爆発し、死者は20名、日本人1人を含む100名以上が負傷した。
 8月18日には、タイのバンコクで爆発物が水中爆発した。
 8月20日には、ソウル北方で北朝鮮が韓国側地域を砲撃した。
 8月22日には、中国山東省の化学工場で爆発事故が起こり、1人が死亡、9人が負傷と発表された。
 8月24日には、相模原市中央区の米陸軍施設「相模総合補給廠(ショウ)」で爆発・火災の事故が起こったが、詳細は不明である。
 8月24日には、川崎市の日鉄住金鋼管川崎製造所で火災が発生、隣接する大手日用品メーカー「花王」の川崎工も延焼したが、幸いにして爆発事故には至らなかった。

 運勢を動かし運命を創る〈縁〉は二段階で動く。
 まず仮の縁(予告の縁)が生じ、そやがて実の縁が現れる。
 たとえば、友人が結婚については、独身の自分にとって〈仮の縁〉が起こったと観られる。
 自分にもその時が近づいている可能性が高まっているかも知れない。
 そこで、こうした仮の良縁が実の良縁である出会いや交際につながって行くよう、自分にある思いやりの心を大いに発揮して生きればよい。
 しかし、〈仮の縁〉に気づかず、嫉妬したり、漫然と過ごしたりすれば、よき縁は仮のままで消えてしまいかねない。

 悪しき縁もまた、同じように観られる。
 まず、仮の悪縁が現れるのだ。
 こうした観点からすると、日本とその周辺に爆発・炎上の事故や災害が連続して発生している上記の状況は、ただごととは思えない。
 しかも、体感できる地震の何と多いことか。

 元国際司法裁判所裁判長のモハメド・ベジャウィ氏は初めて広島を訪れ、8月22日付の朝日新聞紙上で語られた。

「人類の狂気を知るために、すべての人がこの地を訪れるべきです。
 ご存じのように、私たちは地球を何度も破壊させるほどの数の核兵器を持ち続けています。
 いつでも発射できる高度警戒態勢の核爆弾もたくさんあって、数分以内にこの世界をなくせる。
 これは完全な狂気です。」

「冷戦は終わったはずなのに、核大国は今も、核爆弾を載せた爆撃機の航空距離を伸ばそうとしています。
 私たちの頭上に飛んできて事故を起こすかもしれない。
 非常に危険で正気の沙汰ではありません。
 もっと前に広島を見ておくべきでした。」

「広島・長崎と福島。
 日本人は、核の軍事利用と民生利用の結果がもたらした両方の被害を、世界で唯一体験しました。
 これは想像を絶する異常な経験なのです。
 この二重の核被害という経験によって、人類に重要なメッセージを送る資格が与えられました。
 日本人はまさに、人類の『守り人』です。
 日本の皆さんは、我々の狂気に対して、我々すべてに対して注意を与えてくれる存在なのです。
 人類全体が日本人に敬意を表するべきです。
 世界で唯一、二重の核被害を生き延びた存在なのですから。」

 こうした人類に対する役割を認められている日本は、今、どのようにそれを果たそうとしているか?
 それを気づかない、あるいは忘れているのではないか?
 一方では、爆発・炎上の縁を日常へ持ち込もうとしてしているのではないか?
 戦争や爆弾テロが身近に迫っているのではないか?

 これまで幾度もとりあげた昭和14年の俳句を再々掲しておきたい。

「戦争が廊下の奥に立ってゐた」(渡辺白泉)

 俳人は、それ行けどんどん、と政府が威勢のよいかけ声をかけていた頃、すでに死に神の到来を感じとっていたのである。
 事実、6年後に原爆が落とされ、日本は敗戦国となったのみならず、70年経った今も沖縄は事実上、米軍の基地と化したままであり、首都圏上空は治外法権的エリアとなり、オスプレイは日本中を自由に飛んでいる。

 ちなみに、仮の悪縁に対抗するために必要なのは〈正しさ〉であるとされている。
 正しさとは、狂気を狂気と見抜く正気ではなかろうか。
 モハメド・ベジャウィ氏は、日本人の正気を認めておられる。

 パキスタンとアフガニスタンで医療、水源確保、農業支援の活動を続ける医師中村哲氏は、平成26年を振り返り、7月1日付の『ペシャワール会報』に書いた「戦(イクサ)や目先の利に依らずとも多くの恵みが約束されている」を読んでみたい。

「『緑の大地計画』が立案されたのが確か2002年でした。
 当時『アフガン復興支援』で世界中が沸いていましたが、私たちの訴え続ける干ばつと飢餓はあまり重視されなかったと覚えています。

 2014年12月、破壊と大混乱を残して欧米軍が去っていきました。
 あの軍事介入が何だったのか、『対テロ戦争』とは何であったのか、心おだやかにはなれません。
『テロとの戦い』と言いさえすれば何でも正当化されるような狂気が、この十数年の世界を支配してきました。
 実際アフガニスタンでは、異を唱える者がテロリストの烙印を押され、容赦なく抹殺されていきました。
 その多くが国際テロ組織とは無関係な、弱い立場の人々でした。
 無差別爆撃による膨大な犠牲は、『二次被害』と呼ばれました。

 イスラム教徒に対する偏見が意図的にあおられ、人々の間に多くの敵対が作り出されました。
 病的な残虐行為や拷問は日常でした。
 だが、欧米軍兵士もまた犠牲者でした。
 その多くは貧しい階層の出身で、社会的事情で志願し、半ば駆り出された人々でした。
 少しでも良心を持つ者の一部は、自殺に追い込まれました。

 これが現地で見た『テロとの戦い』でした。
 細々と保たれてきた人間の英知とモラルは、これによって一挙に後退しました。
 欧米では預言者を揶揄することが流行り、それが表現の自由であるとされました。
 世界全体が、露わな暴力主義と排外主義の毒に侵されていくように思われました。
 利権を主張して弱者を圧するのが当然のように言われ始めたのです。

 このような世界をためらいつつ歩んできた日本もまた、良心の誇りを捨て、人間の気品を失い、同様に愚かな時流に乗ろうとしているように思えます。
 先は見えています。
 アフガニスタンを破壊した同盟者にならぬことを願うばかりです。

 しかし、現地事業のおかげで垣間見える世界は、全く逆のものです。
 少し目を開けば、戦や目先の利に依らずとも、多くの恵みが約束されていることが解るからです。 

 今、次の段階への飛躍に当たり、立場を超えて実に多くの人々が協力しています。
 ここに希望と平和の基礎を見るからです。

 先は長い道程ですが、このオアシスこそ、飢餓に苦しむ人々だけでなく、私たち自身をも励ます力であることを訴え、変わらぬ協力に感謝いたします。」

 私たちは、予告の縁が何を教えてくれているか、「テロとの戦い」の現場はいかなるものか、そして、世界における日本の役割は何か、落ちついて考えてみる必要があるのではなかろうか。
 
 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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