コラム

 公開日: 2015-08-28 

積極的平和とは何か?(その2) ―半世紀前から積極的平和を説くヨハン・ガルトゥング博士―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈仙台弁護士会が主催する市民集会〉



 8月26日付の朝日新聞に掲載された「『積極的平和』の真意」と題するインタビュー記事である。
 以下〈〉内は北郷美由紀記者の質問、「」内はヨハン・ガルトゥング博士の言葉である。

〈――安全保障関連法案は、中国や北朝鮮からの脅威に備えるために抑止力を高めるものだと説明されています。〉

「日本が米国とともに集団的自衛権を行使するようになれば、中国はさらに軍備を拡張するでしょう。
 その結果、東アジアにはかつてない規模の軍拡競争が起きる。
 そこまで考える必要があります」

「北東アジア共同体の創設を提案したい。
 メンバーは日本と中国、台湾、韓国、北朝鮮、ロシアの極東部。
 本部は地理的にも中心で、琉球王国時代に周辺国と交流の歴史をもつ沖縄に置いてはどうでしょう。
 モデルはEC(欧州共同体)です」

 互いに喉元へ刃を突きつけ合う恐怖の軍事的均衡ではなく、隣組同士の親和をこそ目ざすべきではないかと説いている。
 EC(欧州共同体)をモデルにという提案はもっともである。
 永年にわたって敵対し、侵略もし合って来た国々が幾多の困難を乗り越えて一つになった。
 そして、そうした国家間の侵略事件は以後、起きていない。
 
〈――政治体制が異なり、領土問題も抱えるそれぞれの二国間関係を考えると実現は難しいのでは。〉

「政治体制が異なっても、協力はできます。
 協力することに慣れていないだけです。
 互いの悪い点ばかり見ていては関係はよくなりません。
 共同プロジェクトを通じて良い点を発見しながら、段階的に進めていくのです。
 すでにNGOや民間レベルでは、相互の交流や協力関係が進んでいます」

「領有権を主張しあっている土地は、共同管理とする。
 尖閣諸島も竹島も、北方領土もです。
 それぞれに言い分があるのですから、そうでないと解決できません。
 答えは実はシンプルなのです」

「大切なことは、未来の理想的な状況から考えてみることです。
 あなたは将来、どのような北東アジアに住みたいか。
 このことをそれぞれが真剣に考えていけば、共同体はそう遠くない将来に実現すると思っています」

 重要なキーワードは「共同管理」と「未来の理想」である。
 領土問題はどこかの時点で区切をつけねばならない。
 尖閣諸島、竹島、北方領土はこれまで、事実上の棚上げという対応策がとられてきた。
 しかし、一方からの強い主張や激しい行動がとられると、一気に国家間の緊張が高まる。
 各国政府が内政に行き詰まると領土問題にスポットライトを当て、政権の浮揚策に用いたりもしてきた。
 この繰り返しだけでは、常に火種を抱えているようなものであり、いつ、燃え上がらないとも限らない。
 お互いに未来の理想をイメージすることにより、叡智を寄せ合った解決策が導き出せるのではないか。
 博士は、数々の難問に対処してきた体験上、共同管理という方法の検討を提案している。
 本気になって解決をはかれば、道が見出せるのではなかろうか。

〈――日本とのかかわりが長く、中央大や立命館大などで教えてきました。
 積極的平和への理解は深まっていると思いますか。〉

「たとえば江戸時代は、消極的平和です。
 戦争はなかったものの、対外関係で何もすることがなかった。
 積極的平和を実現するためには、未解決の問題を解決して、紛争の種をなくしていく必要があります。
 解決には和解が伴わなくてはなりません。
 日本は中国や韓国との和解に向けたプロセスがまだ十分ではありません」

〈――平和貢献のために具体的に何が必要ですか。〉

「国際紛争を解決する手段として武力を放棄した憲法9条1項を堅持すると、国連総会の場で表明することです。
 条文と矛盾する政策は改め、攻撃能力の高い武器は手放す。
 そのうえで各国に9条の採用を呼びかけてほしい。
 1928年のパリ不戦条約を実現することにつながるからです」

「誤解しないでほしいのですが、私は専守防衛のための軍事力は必要だという立場です。
 百%の理想主義者ではありません」

 憲法9条1項の堅持とは、こういうことである。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
 つまり、日本は戦争をしないという宣言である。
 また、パリ不戦条約は、昭和3年に、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなど15か国が署名し、後に63に膨れ上がった戦争放棄の条約である。
「パリ不戦条約 第一条
 締約国は国際紛争解決の為戦争に訴ふることを非とし且其の相互関係に於て 国家の政策の手段としての戦争を放棄することを其の各自の人民の名に於て厳粛に宣言する」
 この条約は簡単に破られ、世界大戦が起こった。
 しかし、地球上から戦争をなくすことは、戦争で設けようとする人々や国家以外、すべての人々が持つ永遠の願いである。 
 自ら戦争をしない今の日本なら、「地球上から戦争をなくそう」と主張する資格がある。
 この資格こそ、日本の国際的価値ではなかろうか。
 
 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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