コラム

 公開日: 2015-09-02  最終更新日: 2015-09-07

苦しみや困難を乗り越える方法(その1) ―必要なものは?―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈幻のような小さなウサギ〉

 ダライ・ラマ法王は、著書『ダライ・ラマ法王、フクシマで語る』において、苦しみや困難を乗り越える方法を説かれた。

「ご質問へのお答えとしましては、もし肉体的なレベルとして考えてみるならば、免疫機能が弱っている場合に、何らかのウィルスが入ってきたら、私たちはすぐに病気になってしまいます。
 しかし、強い免疫力を持っている人は、たとえ強いウィルスが入ってきたとしても、そのウィルスに打ち勝つことができます。
 それと同じように、私たちの心のレベルにおいても、自分自身の心のありようが穏やかなものであり、現実を客観的につかんだ上での対応をすることができて、自分自身に自信を持っている方の場合には、たとえ困難な状況に直面しても、心がかき乱されることはなく、精神力で乗り越えていくことができるわけなのです。」

「その反対に強い精神力や自信がないときには、たとえささいな問題が起きたときでも、その小さな問題に耐えきれずに、すぐに負けてしまいます。」

「困難な状況に出会ったときには、自分の中の精神力を奮い立たせ、自信を持つことによって、決して厭世的にならず、楽観的なものの見方をして、問題に立ち向かっていこう。
 ――そういうものの考え方をぜひしていただきたいと思います。」

 法王がまず心の穏やかさを説かれたのは、そうでなければ自分が持っている力を存分に発揮できないからだろう。
 陸上短距離で活躍するジャマイカのウサイン・ボルト選手はスタートする前に十字を切る。
 大リーガーのイチロー選手は打席に入ると、バットを水平に伸ばしてから、左手で右肩あたりのユニフォームを整え、それからバットを立てて構える。
 そうした一連の行動が余分な心の動きを制し、水のように穏やかな気持になるのではなかろうか。
 勝負に欠かせない集中力はその先に自ずから生じるのではなかろうか。
 定まった次第に基づく手順で法を結び、必要な精神世界へ入る行者も同じである。
 一種の穏やかさを経過しなければ、守本尊様の降臨を仰ぐご加持もできないし、お不動様が持つ魔除けの剣も動かせないし、断崖絶壁を跳び越えるような引導も渡せない。

 法王が次に「現実を客観的につかんだ上で」と説かれている点も重要である。
 困難に直面すると渦に巻き込まれたような状態になる。
 と言うよりも、抗い切れないような渦に巻き込まれた状態が「困難」と呼ばれる事態なのかも知れない。
 蜘蛛の巣に掛かったごとく絡め取られているのだ。
 懸命にもがいてはみるが、いくらもがこうとどうしようもないとも思え、焦りが強まる。
 こうした焦りや困惑や不安や絶望などに揺さぶられていては、最善の脱出法を考えつくことは難しい。

 たとえば手形の期日が迫っているのに資金がなくて不渡り寸前になったとしよう。
 まず、何かを売ったり担保に入れたりしてお金をつくろうとする。
 うまく行かないとついには良からぬ筋のお金に手を出し、二進(ニッチ)も三進(サッチ)もゆかない状態になる。
 そして最後は借金の解消ができず倒産や破産に追い込まれる。
 この過程で経営者は、自分の座や会社を手放すという道について冷静に考えられない。
 しがみついた結果、最悪のところへ堕ちる。
 どこかで穏やかさを取り戻せば、自分が置かれた状況を客観的に観て、全体の破滅を避ける方法が見出せるかも知れない。
 一切の思惑を離れて客観的な分析や判断をしてくれる人の助言に対して心を開けば、自分は小さなキズで渦から脱し、多くの人を渦に呑み込まれる巻き添えから救えるかも知れない。

 法王が説かれる決め手は「自信」である。
 たとえ同じ病気に罹っても、自分は生きられると確信している人と、自分はもうだめだと沈み込んでいる人とでは、結果に天地ほどの開きがあるのではなかろうか。
 思うことが違えば言葉も行動も違う。
 ハキハキと話し、生きるための運動をしている人と、言葉少なく、かがみ込んでいる人とでは、心身の力の出方が違うであろうことは明らかだ。
 身口意のはたらきによる免疫機能や自己快癒力への影響は計り知れない。
 実に自信のはたらきは大きい。

 では、どうすれば自信が持てるか?
 それは、心の穏やかさを確保する自分なりの方法を確立することではなかろうか?
 ボルトやイチローは、普段のトレーニングに加え、いざ本番という際の〈これをしておけば大丈夫〉という型を持っている。
 自分を振り返ってみれば、私たちもまた、仕事であろうと家事であろうと趣味であろうと、たくさんの〈型〉をもっているはずだ。
 つまらぬたとえだが、小生などは、お花見や芋煮会でカラオケのマイクを向けられた時、必ず右手でマイクを握り、左手でマイクのケーブルを掴み、そして、やや左足に体重をかけないと落ちついて唄えない。
 逆に言えば、そうして立てば、いかに疲れていようが、風邪をひいていようが、何の不安もなく声が出せる。
 出来不出来は仕方がない。
 本当の自信とは、〈よくできる〉という確信ではなく、〈やれる限りはやれる〉という安心ではなかろうか?

 何ごとでも本気になってやってみて、自分にしっくりくる型をつかもう。
 小さな安心と自信の基をたくさんつくっておこう。
 安心と自信はどんな時でも穏やかな心をもたらし、事態を客観的に観る目を開かせ、苦しみや困難を乗り越える具体的な方法を見つけ出させてくれるのではなかろうか。

 以下もご参照ください.。( http://mbp-miyagi.com/mamorihonzon/column/12111/

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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