コラム

 公開日: 2015-09-06 

お彼岸とは何か ―供養と修行―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




「秋彼岸雲にも花をもたせやり」(中村堯子)

「秋彼岸黄泉(ヨミ)近からず遠からず」(野田ゆたか)

 お彼岸には、御霊を供養し、迷いを離れ、人間としてまっとうに生きられるよう祈ります。
 迷いの岸を此岸(シガン)といい、悟りの岸を彼岸と言います。
 此(コ)の岸とは、自己中心でぶつかり合い、傷つけ合う不安と怒りの世界です。
 彼(カ)の岸とは、互いに互いを思いやり、手を差し伸べ合う安心と喜びの世界です。
 渡って行くのは自己中心という深く暗い川です。

 渡る船には六本の櫂(カイ)がついており、バランスよく漕げなければ暴流に勝てません。
 その櫂を六波羅蜜(ロッパラミツ)と言います。
 波羅蜜(ハラミツ)は般若心経でおなじみの波羅蜜多(ハラミタ)であり、「完全であること」「最高であること」などを意味します。

 だから、六つの修行を行って最高の境地に達すれば、彼岸に行き着くことができます。
 自己に関する執着を克服し、他のためにならずにはいられない利他の思いが起こるのです。
 そうなられたのがお地蔵様や観音様や文殊様などの菩薩(ボサツ)ですが、実は、私たちも、心がけ次第で、いつでも菩薩になれるとされています。
 それが即身成仏(ソクシンジョウブツ)です。

 この六つは、もう、皆さん、すっかりおなじみの教えです。
1 布施(フセ)…施すこと。お水を捧げて布施の実践を誓いましょう。
2 持戒(ジカイ)… 戒めを守ること。塗香(ズコウ)を手に塗って持戒の実践を誓いましょう。
3 忍辱(ニンニク)…忍耐すること。お花を飾って忍辱の実践を誓いましょう。
4 精進(ショウジン)…努力をし続けること。お線香を点して精進の実践を誓いましょう。
5 禅定(ゼンジョウ)…心身を整え心を乱さないこと。飲食物を供えて禅定の実践を誓いましょう。
6 智慧(チエ)…自己中心を離れ、真理・真実を観ること。お灯明を点して智慧の実践を誓いましょう。
       ◇
 さて、なぜ、一年のうちで、春と秋の二日だけがお彼岸の中日とされるのでしょうか?
 それは、昼と夜の長さが同じであり、一日として最も整った〈完全な日〉であるとみなされたからです。
 完全な日に、完全な境地に憧れ、目ざして手を合わせ、御霊も、私たちも迷いを脱することができるよう祈る。
 これが年に二回のお彼岸供養会です。
       ◇
 密教においては、土砂加持(ドシャカジ)という秘法を重ねて行います。
 修法中、六波羅蜜が完成した境地に入った行者の加持力はハイパワーで、ご加持を受けた土砂は、この世とあの世とを問わず、六道(ロクドウ)という地獄道や餓鬼道など、迷いの世界から救い出す力を持つとされています。
       
 清浄な砂は大地の徳の象徴です。
 それは梵字の阿(ア)で表されます。
 アは永遠なるいのちの世界に連なり、密教の瞑想「阿息観(アソクカン)」は、「あー」という声と息と気配とで無限のいのちの世界を感得するものです。
 母なる大地の象徴であるアは大日如来の象徴でもあり、大地にある私たちは、心を澄ますことによって天地に満ちる大いなるいのちの世界を感得できます。
 それが瞑想「阿字観(アジカン)」です。
 行者がアすなわち大日如来の世界へ入り、ご加持を行った土砂は六道を清め、生者の病気を癒し、罪障を消し、良縁を結ぶとされています。
 また、死者の罪障を消し、善道への転生(テンショウ)をうながすとされています。
 9月23日には修法後、土砂加持法が結ばれた土砂をお分けいたします。
       ◇
 なお、昨年同様、本堂での供養会が終了した後、不戦堂で「一心祈願 不戦日本」を百八返お唱えします。
 どうぞ、ご一緒にご唱和ください。
 『戦争をしない日本』の永続を共に祈りましょう。
 
 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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