コラム

 公開日: 2015-09-26 

輪廻転生の根拠 ―見える世界と見えない世界―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈彼岸供養会を終え、仏神と祖霊へ共に感謝し、お互いが生きてあることを共に喜び合いました〉

 ダライ・ラマ法王は、著書『ダライ・ラマ〈心〉の修行』のQ&Aにおいて輪廻転生(リンネテンショウ)の根拠を尋ねられ、答えておられる。

「『命あるものはみな生まれ変わる』ということについては、確かな証拠があるわけではありませんので、各個人によってものの考え方の違いがあると思います。
 しかし『前世や来世など存在しない』と思って悪い行いを平気で積み重ねていて、もし本当に来世が存在していたならば、それらの悪い行いから生じてくる苦しみは、自分自身が背負っていかなければならないことになります。
 その逆に、たとえ来世がなかったとしても、来世における良い結果を生むような良い行いをしていれば、自分には何の危険も生じてはきません。」

 法王はまず、因果応報の原理によれば必ずいつかは善業(ゼンゴウ)に対する善果、悪業(アクゴウ)に対する悪果が生じる以上、もしも来世があった場合、悪業を積んでいる人は恐ろしいことになると警告する。
 その一方で、善業を積んでいる人は、来世があろうとなかろうと何の心配もない。
 輪廻転生と並んで仏教の根幹となっている因果応報は、しっかり理解されていることが望ましい。
 法王が最初にこのことを説かれたのは、常に具体的救済をこそ目指してこられたからだろう。
 
「さらに、釈尊が説かれているように、この世に存在する現象には、実際に自分の目で見て確かめられる現象、表立ってあらわれてこない潜在している現象、さらに深いレベルで潜在している現象、という三つのカテゴリーがあるのです。
 実際に私たちの目に見える現象は、誰の目にも見えるものですから、その現象が存在することを誰もが認めることができます。
 しかし、他の二つの表立ってあらわれてこない現象については、実際には私たちの目には見えないわけですから、確かにこれらが存在するという証拠を見せることはできません。
 それらの現象の存在は、各自の推定に基づいて判断しなければならないのです。」

 私たちは「意識」と言い、「自分」と言うが、それらは普通、眠っていない状態つまり、普通に言う目覚めている状態での意識であり、その意識に支えられた自分である。
 しかし、眠っている時に夢を見れば、そこでも意識がはたらいており、そうしているのは自分だ。
 さらに、眠っていて夢を見ていない場合、決して意識も自分も無くなってしまったわけではなく、はたらきに気づかないだけである。

 また、普通、自分と意識しているのは表面の自分であり、その意識の下には、それと気づかぬうちに自分を動かしてしまう無意識の自分(育ちや生活の経験が積み重なったもいの)がいるし、さらにその下には生まれもった頑固な自分(過去の因縁が積み重なったもの)がいる。
 これだけではない。
 仏教の行者は、もっと奧に仏性として無限の世界につらなる意識を感得している。

 仏教の唯識(ユイシキガク)思想の後を追うように西洋心理学も深められ、潜在意識、深窓意識などという言葉は広く知られている。
 そうした幾重にもなっている意識という鏡に映し出される現象としてのこの世もまた、決して〈見える範囲〉にとどまるものではない。

「前世や来世があるかどうかについては、実際に自分の前世のことを覚えている人がこの世界には何人もいるのです。
 そしてその人たちが、自分の前世はこのようなものであった、と述べている前世での出来事が、実際にあった事実に一致することが確かめられています。
 このような事実は、私たちの意識の流れが、はじまりなき遠い昔からずっと続いてきたものであることのひとつの証明になると思いますし、そのような人たちがいること自体が、前世の存在を示していると思います。」

 カナダでナンバーワンと称される州立トロント大学医学部の精神科主任教授を務めるジョエル・L・ホイットン博士は、昭和61年(1986年)、13年間にわたる心理療法の体験を『輪廻転生 ―驚くべき現代の神話―』にまとめた。

「輪廻転生が真実だという証拠については、そのほとんどが(物的証拠ではなく)状況証拠ではありますが、きわめて有力なものがそろっている現在、理屈のうえで輪廻を認めるのに特に問題はないと思われます。」

「生や死とはいったい何なのか、ひとりびとりがなぜこんなにまちまちに生まれついているのか、という不思議を考えていくと、その行き着く先は、現代の物質中心の考えのうえに成り立つ科学では答えられない問題になってきています。」

「アメリカでは大人の三分の二が死後の世界を信じています。
 1982のギャラップ社の世論調査では、アメリカ人の23パーセントが輪廻を信じていると発表されています。」

「人間のおかれた状況を理解する一助となると信じて、私は永年にわたって集めてきたデータの公開に踏み切ったのです。」

「広範囲にわたる調査研究を行いさえすれば、あの世の秘密がさらに詳しくわかるだろうし、それを人間の進歩に役立てることもできよう。
 本書は、生と死のはざまを探検した最初の記録である。」

 人の肉体は死ねば骨になり土になり、さらに細かく分解されるだろうが、意識や自分は違う。
 自分は〈何者か〉としてどこからかやってきて、変化した〈何者か〉としてどこかへ行く。
 決して無にはなりようがない。
 その真実に立った倫理こそ、人を人たらしめ、人を荒廃させない。
 分析心理学を創始したカール・グスタフ・ユングは指摘した。

「合理主義と独断主義は現代の病である。
 これらはすべて答えを知っているかのごとく自負している。
 しかし、多くのことがまだこれから発見されることだろう。
 現代の我々の狭い視野から、それらは不可能として除外されてきた。
 我々の時間や空間の概念は、大体確実であるというにすぎない……。」

 実に、あらゆる分野で、割り切り過ぎる合理主義と権威や権力を振りかざす独断主義がまかりとおっている。
 学問であれ、宗教であれ、何であれ、謙虚さこそが真実の探求に最も必要なのではなかろうか。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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