コラム

 公開日: 2015-10-28 

Q&A(その12)子供が友だちと争っても謝らない時は?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈「因縁解脱をしたいので」と、お焚きあげに持ち込まれた方の許可を得て撮影しました。こうした紙幣を造っていた時代もあったのです〉

 ある時、寺子屋で、相手をケガさせたのに謝らない子供へどう話せばよいか、というご質問がありました。
 こんなふうにお答えしました。

「最初にB君が君の本を奪い、君がその本をとりかえそうとした時、B君が転んでケガをしたんだね。
 そして先生は、両方が相手に謝ることによって、仲直りをさせようとした。
 でも、君は、B君が先に本を取ったのだから、ケガをした原因はB君にあるので、君は謝る必要はないと思っている。
 そうだね?

 こうした場合、もちろん、争いが起こった原因がどこにあるのかを確かめて、また同じような争いを起こさないよう勉強することはとても大切です。
 そういう意味からは、まず、B君がむちゃなことをしたためにこういう結果になったのだから、B君がやったようなことは、誰でもやらないように気をつけなければなりません。
 もちろん、君もね。
 だから先生は、ケガをしたB君にも謝らせた。

 さて、問題はそれだけでは終わらないよ。
 いきさつはどうであっても、実際にB君はケガをした。
 自分で自分を傷つけたのではないのだから、B君のケガは、争った君に無関係ではない。
 こうした場合に考えなければならないのは、B君がケガをしたという事実に対する〈結果責任〉です。
 もちろん、法律の問題ではありません。
 ケガをしたり、何かを失ったりした人が出た場合、その人を〈思いやり〉、〈見捨てない〉ことが大切なんだ。
 そうでないと社会は成り立たない。
 なぜなら、必ず失敗をしてしまう人間は、助け合わないと生きて行けないからです。

 さて、立場をかえてみよう。
 成り行きしだいでは、君がケガをしていたかも知れない。
 もちろん、君が最初に争いをしかけてしまうこともあるだろう。
 そうした場合、もしもB君が、包帯を巻き手をつっている君に対して知らん顔をしているなら、君はきっと「なんてひどいやつだ!」と怒るだろう。
 絶交するかも知れない。

 しかし、もしもB君が、自分がわざとやったのでもないのに、「A君、ごめんね、大丈夫かい?」と心配してくれたならどうだろう。
 君もこう言えるかも知れない。
「ああ、大丈夫さ。
 元々、僕が悪かったんだから、もういいよ。
 また、遊ぼうね」
 これは、君が、ケガをする結果に関係したB君を許し、B君もまた、争いをしかけた君を許すことを意味しているんだ。

 つまり、B君がどういう〈態度〉をとるかによって、君の心はちがってくる。
 絶好をするのと、また、遊べるのとでは、天と地ほども、君の生きる環境がちがってくる。
 わかるね?

 さて今の状態に戻って考えてみよう。
 君は、ケガをしたB君が今後、君との関係をどうするか、君とB君との関係がどうなるか、そのカギをにぎっているんだ。
 ぼくは悪くない、と言って謝らないのか?
 それとも、B君がケガをしたという事実に〈関係した人〉として、出た結果に対する責任を感じ、「ごめんね」と謝り、「早くなおるといいね」と思いやるか?
 君の態度一つで、B君にとっての生活環境も、君にとっての生活環境も、学校に行く時の気分も決まる。
 さあ、どうしようね。

 私たちは誰でも、失敗をしてしまう人間同士なんだ。
 だから、そうしようとしたわけでもないのに、痛みや苦しみや悲しみや怒りが生じてしまう。
 問題はただ一つ、そうした時にどういう態度をとる人間になるかだ。
 結果責任を感じて謝り、あるいは相手を許し、いっしょになって痛みや苦しみや悲しみや怒りを消して行くか?
 それとも、どっちが正しいかだけを考え、自分が正しいなら相手がどうなってもかまわず、自分が正しくない時だけ謝る、こうした人間になるか?

 そもそも、人間は、自分が一番かわいいので、どうしても〈自分が正しい〉と考えがちだ。
 だから、〈正しさ〉を主張する人ばかりになったら、みんなぶつかり合い、絶好し合い、孤立し、人間社会が成り立たなくなる。
 君が結果責任を感じ、ケガで困っているB君を思いやり、争いをしかけてきたことを許すのは、君が君の住む社会をほんの少し、よくするための大切な態度なんだ。
 よく考えてみようね。」

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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