コラム

 公開日: 2015-11-04 

小学生の寸劇『平和の鐘』とパグウォッシュ会議

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 某小学校で学習発表会があり、DVDをいただいた。
 6年生は『平和の鐘』だった。
 生徒たちが自主的に調べ、考え、語り、唄った作品である。

「毎日があたりまえのようにやってくる今この瞬間に、70年前の人びとの祈りが込められていることを知りました」
「戦争とは何か?平和とは何か?」

 孫の役はお祖母さん役へ、70年前に何があったのかと訊く。
 お祖母さんは、本当は話したくないと尻込みしつつも、最後は、しっかり伝えておくから、よく覚えておいてね、と語り出す。
 その内容を生徒たちが代わる代わるに語り、演ずる。

「警戒警報が鳴り、空襲警報に代わり、やがて静かになって防空壕から出た瞬間にピカッと光りました」
「変わり果てた姿になったたくさんの人たち、変わり果てた広島の町」
 ブーンという爆撃機の音が続く。
「1945年8月6日、午前8時15分、広島。
 1945年8月9日、午前11時2分、長崎。
 世界で初めて原爆が投下されました」

「沖縄では人口の4分の1が失われました。
 あれから70年、美しい海、美しい空を大切に守ってきました」
 全員がリコーダーで「なだそうそう」を演奏する。
 生徒たちは一人残らず真剣だ。

「1945年7月10日、午後0時5分、仙台市も空襲を受けました。
 123機のB29が13000発の焼夷弾を落とし、1066人が亡くなりました」
「いつまでもこうした戦争のない世界が続きますよう。
 カエルを食べたり、敗れた服を縫ったりしながら人びとが生きてきたことを忘れないよう」

 天皇陛下が大東亜戦争終結の詔書を読み上げ、人びとが皇居前でぬかづくモノクロの映像と音声がごく短時間、流れる。
 再び、小さく、リコーダーの「なだそうそう」が響く。

「8月15日、長く続いた戦争が終わりました。
 たくさんのいのちとひき換えに、今の平和な世の中はあるのです。
「戦争を知らない私たちは、大切なことを次の世代に伝えて行かなければならないのです」
 全員の合唱『平和の鐘』が始まる。

「よみがえれ あの時代(トキ)へ
 武器を持たぬことを伝えた
 先人たちの声を
 永遠(トワ)に語り継ぐのさ
 脅かすことでしか 守ることができないと
 くり返す戦争(ツミ) 忘れゆく 愚かな権力(チカラ)よ
 いつか(自由な空が)
 虹かかる(翼ひろげゆく)
 風に(高く大きな) 幸せ贈るだろう
 ぼくらの生まれたこの地球(ホシ)に
 奇跡を起こしてみないか
 拳をひろげてつなぎゆく
 心はひとつになれるさ
 平和の鐘は 君の胸に響くよ

 唄い踊り助け合った
 振り向かず 笑い続けた
 誇る島の魂を 永遠(トワ)に守り抜くのさ
 銃声が鳴り響き 海や大地が砕け散る
 正義の叫び こだまする フェンスを飛び越えて
 君が(一人立てば)
 変わるのさ(明日へ輝いて)
 ずっと(未来の夢を)ここに残してゆこう
 ぼくらの生まれたこの地球(ホシ)に
 奇跡を起こしてみないか
 拳をひろげてつなぎゆく
 心はひとつになれるさ
 平和の鐘は 君の胸に響くよ」

 ラララと歌い終わった生徒たち。
 見事だった。
 この発表会の記憶はやがて薄れて行くだろう。
 しかし、こうした勉強と体験を続けて行けば、〈平和であることを何とも思わない〉という無関心、怠惰ではいられない智慧が磨かれ、問題意識を持って社会を眺めてゆくことだろう。

 時あたかも、11月1日、長崎市での開催は初めてとなるパグウォッシュ会議が始まった。
 これまでと変わらぬ議論となっているらしい。
 米ロなどは、核の抑止力の有効性を主張し、科学者は人類が核を持つ危険性に警鐘を鳴らす。
 常に理想と現実はずれており、どちらに軸足を置くかで主張は異なる。
 現実をふまえなければ一瞬後は生きられないが、理想を忘れれば人類の悲惨と不安は続く。
 あるいは人類そのものが滅亡しても不思議ではない。
 たとえば、中国の東海岸に林立する核発電所で事故があれば、偏西風に乗った放射能が降りそそぐ島国日本はたちまち壊滅するのだ。
 こうした恐ろしい状況はあまりにも明らかな〈想定内〉の可能性として、たった今、ここにある。
 生徒たちには、それを直視できる大人に育ってもらいたい。
 目先の利益を求めるあまり、都合の悪い事実や可能性から目を背け、結果として核発電所の事故を起こし、数十万にものぼる人生を破壊した団塊の世代を反面教師としてもらいたい。

 核の廃絶や戦争の放棄という理想の実現は、奇跡に近いと思われるかも知れないが、私たちはそれをやらねば未来への責任を果たせない。
 歌は力強い。
「ぼくらの生まれたこの地球(ホシ)に
 奇跡を起こしてみないか」
 老いも若きも、共に、奇跡へ向かおうではないか。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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