コラム

 公開日: 2015-11-06 

心から思いやりがなかなか出ない時は? ―思いやりを思い出す瞑想法―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈十三代酒井田柿右衛門作『慈母観音置物』〉

 当山では、瞑想法の一環として、チベット密教に学んだやり方を採り入れています。
 誰かからひどい仕打ちを受けて腹の虫が収まらない時。
 世の中の嘆かわしさにうちひしがれた時。
 意欲が湧かない時。
 さまざまな状況で、この単純な瞑想が皆さんに役立っています。

 まず、目をつぶり、誰かから思いやりでくるまれた状況を思い出してください。
 親、友人、先輩 先生、師、その方その方によって相手は違っても、必ず誰かは心に浮かぶはずです。
 一人として、〈おかげさま〉という体験をしない人はいません。
 誰かの手を借りないでこの世を生きている人は、一人もいないからです。
 小生は、悪口をたしなめてくれた母親、弱い者いじめを制してくれた父親、病弱な生徒を励ましてくれた先生、困窮のどん底で手を差し伸べてくれた友人、無知で高慢な者を導いてくださった師、托鉢のおりに本音をぶつけてくださった方々、当山を信じ支えてくださっているサポーターやご縁の方々、……。
 まるで死に瀕したおりのように、恩人の数々が思い浮かびます。

 次に、そうした人びとのうち、誰か一人をはっきりと瞼の裏側に浮かび上がらせます。
 そして、忘れられない〈その時〉の光景をできるだけはっきりと再現します。
 すると〝ああ、ありがたい……〟という思いが胸に広がります。

 感謝の思いで胸がいっぱいになったなら、その人へ呼びかけます。
 心中でも、小声でも、あるいは大声でもかまいません。
 「お母さん」「母ちゃん」「ママ」「おふくろ」、自分の心から自然に出てくる呼びかけ方が一番です。
 呼びかけが重なると情感が深まり、自然に合掌しているかも知れません。
 このあたりではもう、受けた思いやりに対して感謝するだけでなく、音叉が共鳴するように、自分の心でも誰かを思いやる気持が強く動き出しています。

 一日のうち数分でも、こうした時間を持てば、心中に閉ざされがちな思いやりの心が日々、活き活きとはたらくようになることでしょう。

 11月5日、河北新報社で行った相談会でも、参加者の方々と共に、ささやかな瞑想体験を行いました。
 シーンとした会場に、小生の「かあちゃん」という小さな呼びかけが通って行きました。
 心中で母親以外の誰かを思い出していた方々には邪魔だったかも知れませんが、単純な瞑想法の肝(キモ)のところはご理解いただけたのではないかと思っています。
 当山の人生相談に来られる方だけでなく、より広く、この〈思いやりを思い出す方法〉をお伝えしてゆきたいと願っています。
 私たちの人生が幸せなものになり、社会が幸せで満たされるためには、私たち一人一人の心から思いやりの光が発せられなければならないからです。

 そう言えば、会場からお受けしたご質問の一番目は「あらゆる宗教に共通しているものは何ですか?」でした。
 すかさず「思いやりです!」とお答えしました。
 愛、慈悲、いつくしみ、さまざまな呼び方はあっても、相手を思いやる心は私たちの心中におわす仏神の心です。
 それに根ざさない宗教はないと思われます。
 この世に生まれ落ち、自力のみでは決して生きられない生きものである人間が生き延び、育ってゆくために、無条件の思いやりは欠かせません。
 私たちはそれを持ち、発揮する者としてこの世にやってきました。
 人間が人間として生きるとは、思いやりの光を発しつつ生きることに他なりません。
 だから仏教では、私たちを〈み仏の子〉と考えるのです。
 思いやりを忘れずに、日々、生きて行こうではありませんか。
 なお、11月14日(土)に開催する寺子屋でも、この瞑想を行いますので、どうぞふるっておでかけください。

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ