コラム

 公開日: 2015-11-20 

自分で自分の戒名を考える話 ─戒名が降りる時─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈浜の叫び〉

 これまで、生前戒名を自分で考える方々とのご縁がいくつか、あった。
 皆さん、おずおずと言われる。
「私は自分で考えているんですが、いいでしょうか?」
 あるいは、ご遺族から訊かれる。
「実は自分で戒名をつけていたんですが、お葬式をしていただけるでしょうか?」

 戒名は戒律と共に授かる名前である。
 戒律そのものになる新たな存在が、清浄なみ仏の世界から授かる名前である。
 この世で授かれば、僧名となり、あるいは生前戒名となる。
 多くは、あの世の住人となる旅立ちに際して、旅人を特定する戒名となる。

 そうした戒名は、ご本尊様から授かるしかない。
 だから当山では、ご本尊様と一体になる法を結び、降りた戒名をお伝えしている。
 住職が〈考えついた〉ものではない。

 ならば、皆さんが〈考えた〉戒名は無効か?
 もちろん、どなたも、ご本尊様と一体になる法を結んでなどはおられない。
 しかし、当山とご縁になられた方々はどなたも、真剣そのものである。
 
 そもそも、私たちはすべて、み仏の子である。
 その本性が隠れ、自己中心で生きている日々にあって、み仏の子そのものに成り切る瞬間は誰にでも、無数にある。
 ──小さな子供がアリを避けて歩く時。
 ──少年がお祖母ちゃんの荷物を持つ時。
 ──ドライバーが進路を譲る時。
 ──腰の痛みに耐えながら、自分に信頼しきっている入所者を介護士がお風呂へ入れる時。
 何も劇的場面とは限らない。

 さて、自分の戒名を考えている時はどうか?
 やはり、み仏の子になっておられるのではないか?
 死後を想い、いろいろあった人生を振り返るご自身の魂の奥底に、ようやく、しかし確かに、仏性を観ておられないはずはない。
 やがて、み仏の世界から文字が授かる。
 その瞬間、み仏と一体になっていないと誰が言えようか。

 お大師様は説かれた。

「遠くして遠からざるはすなわち我が心なり。
 絶えて絶えざるはこれ吾が性(ショウ)なり」

(どこにあるかわからず、つかみようもないけれど、確かにここにあるのが自分の心というものである。
 凡夫である自分とは隔絶し、絶縁しているように思えるけれど、実は自分の本性として必ずそなわっているのが仏性である)

 修法中の導師がみ仏の世界に入っているのと、自分の死後にそなえるため、懸命に心の底へ降りて仏性の光を見出している方とは、何ら変わりはない。
 だから、当山では、ご自身で考えられた戒名を否定しない。
 同じ〈仏の心〉から生じた名前だからだ。
 こうした理由で、当山のご本尊様から戒名を授かった方も、ご自身で戒名を決められた方も、等しく、全身全霊で引導を渡している。
 もちろん、ご自身の信念から戒名を求めない方も。
 み仏のご加護に救い漏れはない。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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