コラム

 公開日: 2015-11-21 

平和への道は思いやりと包容力 ─アントワーヌ・レリス氏、シャルリー・エブド─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 パリ在住の仏人映画ジャーナリスト、アントワーヌ・レリス氏は、11月13日のパリ同時多発テロで妻を失った。
 しかし、テロリストたちへ対し、フェイスブックで以下のメッセージを発している。

「金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。
 私の最愛の人であり、息子の母親だった。
 でも君たちを憎むつもりはない。
 君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。
 君たちは死んだ魂だ。
 君たちは、神の名において無差別な殺戮をした。
 もし神が自らの姿に似せて我々人間をつくったのだとしたら、妻の体に撃ち込まれた銃弾の一つ一つは神の心の傷となっているだろう。

 だから、決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。
 君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。
 君たちは、私が恐れ、隣人を疑いの目で見つめ、安全のために自由を犠牲にすることを望んだ。
 だが君たちの負けだ。
 プレーヤーはまだここにいる。

 今朝、ついに妻と再会した。
 何日も待ち続けた末に。彼女は金曜の夜に出かけた時のまま、そして私が恋に落ちた12年以上前と同じように美しかった。
 もちろん悲しみに打ちのめされている。
 君たちの小さな勝利を認めよう。
 でもそれはごくわずかな時間だけだ。
 妻はいつも私たちとともにあり、再び巡り合うだろう。
 君たちが決してたどり着けない自由な魂たちの天国で。

 私と息子は2人になった。
 でも世界中の軍隊よりも強い。
 そして君たちのために割く時間はこれ以上ない。
 昼寝から目覚めたメルビルのところに行かなければいけない。
 彼は生後17カ月で、いつものようにおやつを食べ、私たちはいつものように遊ぶ。
 そして幼い彼の人生が幸せで自由であり続けることが君たちを辱めるだろう。
 彼の憎しみを勝ち取ることもないのだから。」

 自立した魂が輝いている。
 憎悪はどこからでもなく、自分の心から発するという真実に立ち、それを断固、拒否している。
 憎悪の地獄に堕ちない毅然とした霊性が息づいている。
 
 お釈迦様は、自分も説法の旅へ出たいと願い出た弟子へ、無視されたり、殴られたりといった迫害を受けた場合にどう対処するかを訊ね、いかなる場合も怒ったり、憎んだり、争ったりしない覚悟のほどを確認した上で、許可したとされている。
 忍辱(ニンニク)という不動心を保つ修行こそがあらゆる修行の〈尊〉であると説かれた。

 仕掛けられた側が動じなければ、仕掛けた側の思惑は無化され、仕掛けは無為に終わる。
 ガンジーの非暴力・不服従運動はその典型である。
 ガンジーも、アントワーヌ・レリス氏も、洋の東西を問わぬ宗教が持つ強さ、芯を教えた。

 一方、フランスの風刺週刊誌シャルリー・エブドは、18日号で、テロを批判する風刺画を掲載した。
 現地には評価する声も批判もあるが、一定の評価はしたい。
 幸いにも、ムハンマドやアッラーが登場していないからだ。
 1月7日のシャルリー・エブド襲撃事件に何かを学んだのではなかろうか。
 自由という錦の御旗を絶対視して、いつでも、どこでも、いかようにも掲げるのが正義であるという頑なさがいくらかでも緩和されたのなら、社会の平安に一歩、前進したはずだ。

 争いや戦争を起こさせないのは正義の力ではない。
 すべての戦争は、正義を標榜する。
 平和と安寧をもたらすのは、個人的にも、社会的にも、国家的にも、政治的にも、宗教的にも、傲慢さと頑なさを離れた思いやりであり、包容力である。
 フランスは悲劇の体験をしたが、アントワーヌ・レリス氏も、シャルリー・エブドも、私たちへ大切なことを教えている。
 私たちが本当に平和を望むなら、多様な宗教、思想、文化、社会システムを尊重し合う〈共存〉〈共生〉しか方法はない。
 そのために最も必要不可欠なのは、霊性に発し自立心に裏打ちされた思いやりであり、包容力だと思う。

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8


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