コラム

 公開日: 2015-11-27 

ご祈祷はどのように行われるか? ─不思議なことが起こる時─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。


 11月26日、重度の糖尿病にかかっている今井駿くん(当時7才)にインシュリンを投与させず、手かざしなどの祈祷で治そうとして結果的に死へ至らしめた会社役員近藤弘治容疑者(60才)が逮捕された。
 当病平癒などの超能力を持つ龍神であると自称していたらしい。
 こうした事件があると、いわゆる〈科学的〉とみなされる事象しか信じない方々から祈祷は一段と見下げられ、侮られる。
 日々、ご祈祷を法務の一つとしている立場から、少々述べてみたい。

 小説家村上春樹氏は作品中に超現実的な場面を多々描くものの、「基本的に信じていない」と言う。

「まったくないとも信じていないけど、あるとも信じていない。
 そういうことについてあまり考えたりもしない」(以下の引用は『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』より)

 こんな氏は、ノモンハンの戦場跡へ行ったおり、慰霊の意識から迫撃砲弾の破片と銃弾をホテルへ持ち帰った。

「夜中にパッと目が覚めたら、部屋が大揺れに揺れているんです。
 僕は完全に目は覚めていたんですよ。
 もう歩けないぐらいに部屋中がガタガタガタガタ揺れていて、ぼくははじめ地震だと思ったのですね。
 それで真っ暗な中を這うようにして行って、ドアを開けて廊下に出たら、ピタッと静まるんです。
 何が起こったのかぜんぜんわからなかったですよ。」

 ご祈祷に出かけると、こうした思いもよらぬできごとに遭うのは珍しくない。
 自死や焼死された方の〈現場〉へ導かれたり、得も言われぬ力で祈祷や供養の修法を邪魔されたりなどは日常茶飯事である。
 ご来山された方へ直接、法をかけるご加持などにあっては、受者が自分で言おうとしてもいないことを言い始め、ようやくご自身の本心を解放して泣いたりされる。
 だから、ノモンハンの話には、〝そうだよね〟と思うしかない。

 氏はできごとを総括する。

「これはぼくは、一種の精神的な波長が合ったみたいなものだろうと思ったのです。
 それだけ自分が物語のなかでノモンハンということにコミットしているから起こったのだと思ったのですね。
 それは超常現象だとかいうふうに思ったわけではないですけれども、なにかそういう作用、つながりを感じたのです。」

 対話している臨床心理学者河合隼雄博士は述べた。

「そういうのをなんていう名前で呼ぶのか非常にむずかしいのですが、ぼくはそんなのありだと思っているのです。
 まさにあるというだけの話で、ただ、下手な説明はしない。
 下手な説明というのはニセ科学になるんですよ。
 ニセ科学というのは、たとえば、砲弾の破片がエネルギーを持っていたからとか、そういうふうに説明するでしょう。
 極端に言うと、治療者として人に会うときは、その人に会うときは、その人に会うときに雨が降っているか?
 偶然、風が吹いたか?
 とかいうようなことも全部考慮に入れます。
 要するに、ふつうの常識だけで考えて治る人はぼくのところへ来られないのですよ。
 だから、こちらもそういうすべてのことに心を開いていないとだめで、そういう中では、いま言われたことはやはり起こりますよ。」
 
 そして、〈全部考慮に入れる〉のは、勘をはたらかせることに通じて行く。
 たとえば電車の中で「ちょっと荷物をお願いします」という時に頼むのは「確かな人」と覚しき相手だが、一瞬にしてその判断ができ、しかもまちがっていないなら、判断の根拠はどこに求められるか?

「自分の人生経験というものをふまえて、そのときの状況でパッと全体的な判断を下すわけです」

 小生も、混み合う大衆食堂で席を確保しつつ料理を受け取りに席を立たねばならず、見知らぬ人へ荷物を託す場合、とっさの判断が必要になり、〈確かな人〉に頼めれば、結果がでないうちから安心できる。
 瞬時に「全体的な判断」をするしかないし、それはなぜか狂わない。

 村上春樹氏に戻るが、氏はノモンハンに「コミット」すなわち関わり合うことに没入していたからこそ、「つながり」が生じたのだろう。
 河合隼雄博士は、知人が亡くなった夢を見た時、それが「確か」だと思える場合と、そう思えない場合があり、夢の中と覚めてからとを問わず、そうした勘はよく当たると言う。
 要は、相手に対する意識が深まり、それが全存在をかけたレベルに達していれば、普通ではない現象が普通に起こり得るのではなかろうか?
 当山の修法においても、お大師様の説かれた即身成仏の修法に入り切れれば、普通でない現象が起こり得る。
 そもそも、「ふつうの常識だけで考えて治る人」は当山へ足を運ばれない。
 博士と同じく行者としての「全部」を総動員してようやく、ご本尊様へおすがりする資格があると考え、修法の修行を続けている。
 当山のご祈祷はこんなふうに行われている。

 今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=qp8h46u4Ja8


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。合掌

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