コラム

 公開日: 2016-01-24 

イラク戦争と靖国神社への祈り(その14) ─ご本尊様とは何か?─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈勝手に、いつしか、薫陶を受けているという不思議〉

 平成16年1月、自衛隊のイラク派兵に鑑み、仏神と祖霊のご加護で自衛隊員の無事帰還をはかるべく、靖国神社へ向かって托鉢行を始めた。
 世界の情勢が急変を見せ始めた今、そのおりの記録を加筆訂正しながら再掲しておきたい。
 不戦日本の願いを込めて。

○ご本尊様(2月22日)

 わけあって分骨を考えておられるAさんから問われた。
「本家と別に亡き主人のお位牌をつくるよりも、何か仏様をお授けいただきたいのですが……」
 かつての夫は今、その実家のお墓に眠り、お位牌もまた、実家のお仏壇で供養されている。
 Aさんは、せめて分骨をと望んでおられるが、ことはなかなか難しい。
 もちろん、自分の家でお祀りするお位牌を作るのは自由だが、すぐにできることをやればそれで解決というものでもない。

 今般の決断は、さすが、思案を重ねられた上の言葉である。
 ご主人への思慕・柱を失ったご心の揺れなどを抱え、さまざま思いあぐねたあげく、自分にとって最も必要なのは、御霊をも自分をも守り、お導きくださるみ仏であると気づかれた。

 み仏をご本尊様としてお招きするには、手を合わせるご自身の心が素直になれる方を選びたい。
 人の心情も、性格も、あるいは問題意識などもさまざまなので、み仏はたくさんおられる。
 あくまでも優しい観音様・恐ろしくも頼もしいお不動様・親しみやすいお地蔵様・いかにも尊貴なお大日様や阿弥陀様・思慕の念を起こさせるお大師様やお釈迦様。
 どなたも必ず、求める人にとって必要な安寧をお与えくださる。

 ご縁になってしばらくすると、自分で選んだようでも、み仏から選んでいただいたように思えてくるのは不思議である。
 そうなるまで祈り続けていただきたい。
 まずは、御霊とご自身と安寧のために。
 そして、生きとし生けるもののために。

(かつて、隠形流居合の行者Bさんから訊ねられたことがある。
「気合を発し、剣を揮う時の実感と、印を結び、真言を唱える時の気持がうまく結びつきません。
 お不動様をご本尊として所定の作法を行っても、尊象のようなお姿をした方がおられるという実感は持てないのです」
 お応えした。
「お不動様であれ、Bさんの守本尊様であれ、み仏は私たちの心におわします。
 ところが私たちはなかなかそのことに気づきません。
 でも、追いつめられた時や、修練を繰り返して行く先などに、〈その時〉は待っているものです。
 私たちは、優れた人格者にお会いすると、その大きさや、温かさや、深さや、柔軟さや、高邁さなどに圧倒され、憧れます。
 それは、自分の心の音叉が、そうした音色で共鳴し始めたことを意味します。
 また、薫陶(クントウ)という言葉があります。
 お香を焚いて佳い香りを染み込ませながら土をこねて美しい陶器を作ることが転じて、師が人格の影響力をもって弟子を成長させるという意味になりました。
 これもまた、真っ白なカンバスのような弟子の心に師の絵や文字が描かれるというよりは、師にある徳の香りを感じとる弟子の感性が、感得体験を繰り返すことによって磨かれ反応力を増し、同時に自分も、育つ感性をもって生きつつ、いつしか徳の香りを強く発するようになる過程全体を指していると思います。
 ご縁のご本尊様はすなわち、自分の霊性や仏性を薫陶してくださる方です。
 いつか、ご自身の心に何か〈必死の思い〉が生じた時、〝ああ、そうか〟〝ああ、ありがたい〟などと感じられる時が来ることでしょう。
 無理に自分へ思い込ませようとせず、淡々と所定の作法を行っていれば充分です。
 それらはすべて、お大師やお釈迦様をはじめとする行者、聖者の方々が貴重な感得体験に基づいて研究し、〝これだ〟と信じてまとめ、遺してくださったものなので、後世の私たちが自分の霊性や仏性を活かす手段の一つとして信頼に足るものであることは確かだからです」

 なぜ、確かなのか?
 それは、小生自身がさんざん迷い、探し廻ったあげくに出会い、今、現実に生きている日々において、強く清浄な音叉として共鳴を導き出してくださっているからである。)

「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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