コラム

 公開日: 2016-01-29 

イラク戦争と靖国神社への祈り(その15) ─死への同行を頼まれたら……─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 平成16年1月、自衛隊のイラク派兵に鑑み、仏神と祖霊のご加護で自衛隊員の無事帰還をはかるべく、靖国神社へ向かって托鉢行を始めた。
 世界の情勢が急変を見せ始めた今、そのおりの記録を加筆訂正しながら再掲しておきたい。
 不戦日本の願いを込めて。

 一旦、戻ると法務が相次ぐ。

○不安の解消(2月23日)

 思わぬ大金を得た男性がそれを目当てに群がる人々へ気前よく分け与えた結果、もらった人々はそれぞれ事業に失敗するなどの憂き目に遭い、結果的に誰も寄りつかなくなったという。
 男性は孤独と失意の裡に死を迎え、ある女性Aさんへ「一緒に逝ってくれ」と頼んで亡くなった。
 懇請されたAさんは困惑のあまり体調を崩し、そのうちに、周囲から祟りや障りや憑依の話を聞かされて不安を増した。
 眠られなくなり、当山を訪ねられた。

 Aさんの状態は、はたして御霊のせいなのか?
 不安はどこから来るのか?
 御霊か、それとも無責任に不安をあおり立てる人々か。

 答は、自分の心と言うしかない。
 人を憎んだり好きになったりするのは自分の心であって、憎しみも好感も相手から〈来た〉のではない。
 Aさんの不安は、他人の言葉をきっかけとして自分の心中に〈生まれた〉のだ。

 対処法は4つ。

 一つは、ごく特殊な例外はあっても、ものの道理として「一緒に逝ってくれ」には実効力がなく、「動物が憑いた」には実体がないことを自分の頭で確認すること。
 自分の身体も言葉も心も、いかに動かすかは自分次第である。
 もちろん、言霊にも情念にも訴えかける影響力はあるが、それらこそ〈やって来る〉ものであって、それらがAさんに成り代わって身口意を動かすことは不可能だ。
 ましてや、男性が飼っていた動物の霊にAさんを操る力などありようがない。

 もう一つは、心のレベルを変えること。
 真言を唱え、経典を読誦し、瞑想を行ない、心中におわすみ仏にはたらいていただこう。
 眼・耳・鼻・舌・身・意識のはたらきが変われば、見え方・聞こえ方・嗅ぎ方・味わい方・触感・思い浮かべ方が変わる。
 死者であれ、生者であれ、相手の言葉に潜む怖れや悪意や嘲笑や不安や混乱や無知が客観的に眺められれば、憐れみの気持は生まれても、言葉に左右されることはなくなる。
 暗い道で眼にしたニョロッとしたものが縄であると正確に認識できる人は、「蛇だっ!」と驚き、怖れ、逃げ出さずに済む。
 縄をどうしたらよいか、適切な判断ができる。

 もう一つは、心身のクリーニングを行うこと。
 ご加持(カジ)がその代表的方法である。
 自分に生じたものによって自分が縛られているような状況は、この秘法が役立つ場面である。
 法を受けてリラックスした心身は、不要、あるいは不自然なものを削ぎ落とす。

 そしてもう一つは、亡き男性の供養を行うこと。
 きっと、Aさんご自身では、とても心からそうした気持になれないだろう。
 その時こそ、僧侶の出番である。
 行った方がよいと思えるのに自分でできないのなら、プロへ頼むしかない。
 自分が同席しようとしまいと、僧侶が行う供養の修法を信じられるならば、男性が成仏するための、言い換えればあの世で確かな安心を得ていただくための何かを行ったという実感は持てる。
 この「よかれ」と思うことが大切である。
 怖れがもたらす忌避の心は、忌避という一種の執着を生む。
 一方、よかれと思うのは一時的には相手との距離を縮める行為だが、それは必ず、ある種の解放をもたらす。
 成仏を願えば、相手が成仏に近づくだけでなく、自分にもいつしか、み仏の心がはたらいており、苦の原因となる執着から共に遠ざかることができる。 
 
 亡くなられた男性はきっと〈いい人〉だったのだろう。
 行為や善意が周囲から喜ばれている間は幸せ感でいっぱいだったのかも知れないし、あるいは他人に知られたくない不安やコンプレックスなどを解消したくて、いい人を演じていたのかも知れないが、いずれにしても、人を引き寄せていた。
 そして、少なくとも、財をばらまくことそのものは誰かを傷つける悪行ではない。
 ただ、子供が欲しがるあめ玉を欲求に応じて与え、虫歯や肥満にさせてしまう親に似た不注意はあったのだろう。
 結果的に、裏切られたといった気持になり、怨みや寂しさのあまりAさんに同行を頼んだことは残念と言うしかない。
 心から成仏を祈りたい。

 夜に白河市へ向かう予定だったが、信徒さんのお宅でご不幸があり、あと2~3日は出発できない。
 すべてみ仏へお任せして進むのみ。

(ご縁の方々のプラ-バシーに配慮した記述を行っています)

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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