コラム

 公開日: 2016-02-18 

東日本大震災被災の記(第176回) ―般若心経で霊性の復活を─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 東日本大震災からもうすぐ5年になりますが、復旧・復興はまだまだこれからという状態です。
 たくさんの方々が、あの日に〈続く〉生活を余儀なくされ、次のステップへ踏み出せずにおられます。
 原発事故にいたっては、いまだに事故の全容解明がメドもたたず、具体的かつ現実的な避難計画もないままに、次々と原発の再稼働が行われています。
 当山は今年も般若心経108巻の供養会を行い、全国で1万人の方々によるご唱和を持って108万巻の大供養会となるよう願っています。
 古来、ご先祖様が行ってこられた方法で、供養のまことを尽くそうではありませんか。

 なぜ100万巻を目ざすのか?
 それは、100万が千の千倍だからです。
 千は仏教では〈無限〉を意味します。
 その千倍ですから、意味としては〈ありったけ〉〈せいいっぱい〉ということになりましょうか。

 では、なぜ、当山が〈ありったけ〉〈せいいっぱい〉の読誦を提唱するのか?
 そのような、あるいはそうした思いの供養をせねば、この世の私たちも、あの世の御霊も、あまりに巨大なクレバスを真の意味で乗り越えられないのではないかと危惧するからです。
 今の日本は、 『霊性の震災学』をまとめた金菱清教授の指摘どおり「津波や原発によって文化の虚構性が暴かれた社会」のままではないでしょうか。

 震災前、私たちは、日常生活から〈死〉が追い出された、あるいは無いものにされた社会で、文明の根底にあり続けた「弔い」までもほとんど〈無くてよいもの〉として簡略化し、死者は手続きや形式だけで社会から消えて行きました。
 そこで起こっていた霊性のまどろみに喝を与えたのが情け容赦ない日常の崩壊でした。
 あの時は、広島型原爆に換算して3万発以上ものエネルギーが発生して起こされた地震と津波に襲われました。
 膨大な死が生じ、生き残った私たちは、無我夢中で必死に弔いのまことを尽くしました。
 誰もが、できる限りのことをしないではいられませんでした。
 震災前まで流行っていた〈あれも要らない〉〈これも要らない〉といった風潮は嘘のように消えました。
 そして、多くの人びとがが「自分にできることは何か?」と問い、真の智慧がはたらき、真の布施が行われました。
 皮膚が剥がされたような切実な感覚で死の真実がとらえられ、自己中心という魔ものは力を失っていました。

 さて、今はどうか?
 早くも、あまりに早くも震災前に戻りつつあると驚きの目を瞠っているのは小生だけでしょうか?
 家やインフラなどのモノの世界は遅々として戻らない一方、死をないことにし、弔いを限りなく〈手続き〉に近づける雰囲気は、恐ろしいほど速やかに復活しました。
 よみがえった霊性は、忙しい日常生活の中で、またもや、はたらきを失いつつあるように見受けられます。
 ちなみに、金菱清氏は、霊性をこう定義しています。
「身体性を伴う言語以前の、コミュニケーションの場」
「生者と死者が呼び合い、交換(※交感か?)し、現世と他界が共存する両義性の世界」

 この供養会では、霊性の次元に立ち、供養のまことを尽くすことによって御霊の安寧を目ざすと共に、私たち自身が、生活から死と死者を追い出したつもりでいる「文化の虚構性」を克服する一歩にしたいと願っています。
 当日は例祭に当たり、護摩法も行いますので、お盆の迎え火のように、御霊の降臨を感じられるかも知れません。
 途中参加や、途中退席もかまいませんので、どうぞ、どこかで一巻だけでもお唱えいただきたく存じます。

 なお、お塔婆を立てて供養されたい方は、電話やメールなどでお申し込みください。
 経典百万巻を供える納経供養会も同時開催いたします。
 般若心経、観音経、理趣経百字偈など、供養の心を込めて書いたお経をお送りください。
 般若心経百万返の読経と合わせて御霊をご供養しましょう。
 もしも、写経用紙が必要な方はどうぞ、お申し出ください。
 百文字で綴られた『理趣経(リシュキョウ)百字偈(ゲ)』という大乗仏教の根幹である〈菩薩(ボサツ)として生きる道〉を説いた経文の下書きをお送りいたします。
(お塔婆も納経も、ご志納金は皆様の判断で結構です)
 参加された方には般若心経法を結んだ御守をお授けします。

・日 時:3月6日(日)午前10時より
・場 所:当山講堂
・参加費:無料
・駐車場:50台可
・送 迎:9時30分地下鉄泉中央駅そば「イズミティ21」前より(前日午後5時までにお申し込みください)

 今日の守本尊勢至菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=qp8h46u4Ja8

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。合掌

この記事を書いたプロ

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TEL:022-346-2106

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