コラム

 公開日: 2016-03-07 

水子地蔵墓と現代の苦

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



1 水子地蔵墓へのお納骨

 過日、水子地蔵墓へお納骨を行いました。
 水子地蔵様の台座に小さな扉をつけ、お地蔵様のお足元へお骨を納められるようにしたのです。
 まだ、寒い日が続く時期なのに、風もなく、陽光の恵みが感じられる佳い日でした。
 成人していない〈お父さん〉も〈お母さん〉も親につきそわれ、神妙な面持ちで手を合わせました。
 緊張し、表情を失ったような二人にとって、できごとの持つ意味を本当に知るようになるのは数十年先かも知れません。

2 水子霊への供養や後悔

 人生相談に来られたAさんはしみじみと言われました。
「結局、男の子を授かることはできませんでした。
 もちろん、女の子たちはそれぞれまっとうに育っており、何の文句もありませんが、ごくたまに、夫へこう言いたくなります。
『あの時、性別を教えてもらってから決めた方がよかったのかしら……』
 夫の答はずっと同じです。
『あの時はああするしかなかったんだから、もういいじゃないか』
 それでも二人して還暦を過ぎ、そう遠くない将来、ご先祖様を毎日ご供養しているお仏壇を嗣ぐ人がなくてすっかり途絶えることを考えると、堕胎した罰が当たったのではないかと思ってしまうんです。
 今になってようやく、子育てをすることや、ご先祖様を供養することの意味がわかってきたのに、もう〈遅い〉なんて……」
 そして、ご夫婦のどちらかに万一の事態が発生した際のことごとを当山へ託しました。
「お骨の状態になってから本堂に来るので、引導を渡してから共同墓で永代供養してください。
 いつかは、先祖代々のお位牌を位牌堂に納めます。
 お仏壇のお焚きあげもお願いします」

3 水子をつくったり暴発したりする若者

 今は、トイレで堕胎したり、生まれてから何年かを過ごした幼子ですら、親が平気で虐待し、殺しもする時代になりました。
 小中学生の堕胎も珍しくはないと耳にします。
 年配者はどうしても「道徳教育がなっていない」「親のしつけが悪い」と考えがちですが、最近の脳科学は興味深い事実をつかんでいます。

 情動などを司る大脳辺縁系は思春期になると急速に発達します。
 一方、適切な社会的行動へ導く前頭葉皮質の発達は遅れ、成人してからもどんどんはたらきを強めます。
 そもそも、感情などで衝動を起こさせる部分と、それをいったん制御して人間社会に即した行動へ結びつける部分とのズレが思春期特有のイライラや、情緒不安定や、暴発的行動などをもたらしてきたのですが、なぜか最近、大脳辺縁系の発達があまりにも早くなったために、子供たちの行動に深刻な影響が出始めているのです。
 こうした状況こそが真の緊急事態ではないでしょうか?
 広い分野の専門家が額を寄せ合って真剣に対応せねばならないのではないでしょうか?

4 新たな現代の苦

 生活環境や生活形態の激変によって、私たちはわずか数十年前には予想もしなかったほど便利で、長生きできる日々を手に入れましたが、一方では、各種のアレルギーや、心の病気や、不可解な暴発の激増、そして、年配者の生を支えきれない社会構造、若い人々の未来を保証できない年金などの重大な問題を抱えるようになりました。
 お釈迦様の説かれた「苦=ままならなさ」は常に、その時代や社会なりの〈姿〉で顕れます。
 私たちが今、息苦しくなったり、生きずらくなったりしてきたと感じるのは、社会全体に苦が増したというよりは、〈私たちすべてが苦を抱えた存在である〉という真実が、社会の無理や矛盾や歪み、また私たちの〈生きものとして変化〉によって、明らかになってきたということではないでしょうか。

 この苦へ対処するには、現代特有の原因を滅する方法と、万古代わらぬ苦の本質に迫る方法があります。
 当山は、人生相談や社会的発言などで〈現代〉と正対し、み仏におすがりする修法で本質的転換や本質的解決を目ざしています。
 水子地蔵墓と身代わり地蔵様の祈りは、おすがりする万人を救います。
「南無大施徳菩薩地蔵尊(ナムダイセトクボサジゾウソン)」
「おん かかか びさんまえい そわか」

「おん ばざら たらま きりく」
 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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