コラム

 公開日: 2016-03-16 

河合弁護士から聴く脱原発論 ─原発事故による被害の実態・ドイツの成功例─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 3月15日、ある勉強会において映画「日本と原発 4年後」の監督河合弘之弁護士から話をお聴きした。
 あまり知られていないと思われるいくつかのポイントを書き留めておきたい。

1 日本と中国の自然エネルギー

○中国は現在、世界一の自然エネルギー大国となっている。
 風力発電は日本の30倍、太陽光発電は5倍の規模である。
 10年前、ドイツで行われた世界自然エネルギー大会以来、日本へ技術を学びに来るなどして、急速に発展した。
 日本は地熱発電の技術で世界最高水準にあり、ヨーロッパ各国などで日本製のシステムが用いられているが、国内での普及はまだまだである。
 この10年間の推移と原発事故は、「安全安心キャンペーン」で原発の危険性をないことにしてきた電力会社と政府の方向性を変えねばならないことを示している。

2 原発事故によるものと思われる甲状腺癌の多発と現状

○福島原発の事故によるものと思われる甲状腺癌の患者は現在167名、そのうち116名は手術を行った。
 すでに複数回の手術を余儀なくされた例もあり、「甲状腺癌は転移しない」という風説は誤っている。
 しかし、いずれも事故との関連とは「考えにくい」との理由で、東電は事故と病気の因果関係を認めていない。
 つまり、放射線による肉体的被害はすべて「気のせい」とされつつある。
 現在、1万人以上が、住めなくなったことによる損害賠償請求などを行っているが、その99パーセントは財物被害であり、このままでは、肉体的被害を恐れるがゆえに発生した財物被害もまた、「気のせい」とされてしまう恐れがある。
 精神的苦痛も同様に「気のせい」とされる恐れがある。
 東電が手術代を肩代わりする理由は〈人道上行う恩恵〉という位置づけであり、事故による責任はまったく認めていない。
 診療し、手術する病院も発症の原因については一切、口を閉ざしており、患者に病気の原因が知らされないという異常事態が続いている。
 インフォームド・コンセントとはほど遠く、セカンドオピニオンも求めにくいまま、患者は増えつつある。

○放射線による身体的被害の実態は福島県を始め、どこも発表していないが、「甲状腺癌110番」などで把握し、事実として明確な被害についての責任を追及すべきである。
 身体的被害が明らかになれば、それを避けたいという住民の精神的苦痛も、避けたいがための財物被害も認めざるを得なくなり、被害に対する賠償が正当に行われることになる。
 身体的被害が認められない限り、現に発生している他の被害はすべて「気のせい」で片付けられてしまう。
 子育て中のシングルマザーが甲状腺癌に罹り、生活が困難になるなど被害は悲惨であり、拡大の一途をたどっていながら、情報は伏せられ、国も東電も責任をとっていない状況は異常である。
 電力各社は原発1基当たり、およそ500億円から600億円の年間収入を得ており、それを確保するための〈原子力村の存続〉が第一とされている。
 儲けのため、事故の被害実態を隠し、事故に備えた現実的避難計画が立たないまま再稼働をすることは社会正義に反する。

3 ドイツの脱原発

○脱温暖化、脱CO2のために自然エネルギーへの転換をはかるのは世界的趨勢であり、すでに「自然エネルギー産業」が勃興しつつある。
 福島原発の事故をきっかけにドイツはエネルギー政策を根本的に転換した。

※原発事故を知ったメルケル首相の真摯な述懐である。
「原子力発電所を安全に運転させることができるかどうかについて、首相として責任が持てない」
「自分の原子力についての考え方が楽観的すぎたことを悟った」

 日本では、「ドイツはフランスから不足分の電力をいつでも買えるので原発をやめられる」という誤った風説が流されている。
 しかしU各国間では、スマートグリッドという電力網があり、国境を越えた電力の安定供給体制が整っているので、2国間のことをとりあげること自体、無意味である。
 しかも、ドイツ国内で消費される電力量よりも生産される電力量の方が大きいので、フランスから買うなどという想定そのものが成り立たない。
 日本では、ドイツにおけるフィット(電力の固定価格買い取り制度)の改訂に関し、自然エネルギーの未来を不安視する風説が流されている。
 しかし、現地では国策転換による当然の微調整と理解されており、政府も国民も、国家と世界のために行うエネルギー政策を推進する決意に揺らぎはない。
  ドイツを訪問し、現地で確認すると、日本で流されているような原発擁護議論などはない。

※昨年、来日したドイツのメルケル首相は、安倍総理へ語った。
「議会制民主主義に基づくこの国(ドイツ)で、過半数を超える市民が原発全廃を支持しているのだから、そうした世論に逆行する政党は敗北する」

※エーオンというドイツ最大のエネルギー企業は、原発や火力発電から再生可能エネルギーを開発する組織へと変身しており、ドイツでは官民を挙げた脱原発が行われている。

 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M

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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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