コラム

 公開日: 2016-03-23 

【現代の偉人伝】第224話 ─孫を預かる「おばあちゃんの部屋」運動─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈平穏な東京駅。私たちの尊大で戦闘的な心が災厄を招かぬよう祈りつつ通る〉

 仙台市北部の小学校で「おばあちゃんの部屋」というボランティア活動が続いている。
 20年ほど前、当山にご縁のAさんが声をかけて始まった子どもの一時預かりは、今やPTAの組織的活動に組み込まれ、学校にとって、子育て中の母親たちにとって、そして何よりも子どもたちにとって、なくてはならないものになっている。

 きっかけは授業参観だった。
 複数の子どもを持つ母親は、小さな子どもがまとわりついてゆっくり参観ができず、授業を受けている子どもも、そばにいる幼子も、落ちつかない。
 そこでおばあちゃんたちが立ち上がった。
 空き部屋を借りて子ども達を預かり、教室に落ちつきを取り戻そうとしたのだ。

 これが大好評。
 運動のネーミングは、一人の女の子が母親へ語った一言によって決まった。
「今日もおばあちゃんの部屋へ行こう」

 集まった幼子たちは、みんなでお婆ちゃんたちからいろいろなことを習う。
 お婆ちゃんたちも、自分が役立つことの嬉しさでいっぱい。
 授業参観は、どの子どもにとっても有意義で、かけがえのないものとなる。

 今から6年前、Aさんはこの活動について書いた。

「保護者や先生方との関わりの中でそれぞれの立場の違い、世代的な隔たりを知らされると共に多くの事を学んだ。
 孫のお陰とも言える。」

「いつの世にあっても、子どもは先であり、未来であり、希望である。
 この地域を土壌として日々成長していく子ども達は、地域にとっての宝であるとも言える。
 土壌は豊かで肥沃なものでありたい。」

「学校と親に委せるだけでなく、地域に住むみんなが、それぞれの立場で、できることを担い合い、前向きに応援していければと願う。」

「直接、教育に携わる学校と家庭(教師と保護者)の重ね合った大きくて厚い、温かい掌の上で子ども達が健全に育まれ、成長していくことを心から願い、ばあちゃんはばあちゃんなりに、ささやかな支援を申し出て今日に至っている。」

「この地域を土壌として育つ子ども達の健全な育成を願って、学校の教育方針とPTAの活動方針に沿い、慈愛を理念とした陰からの支援協力に努める。」

「参加者は子どもの安全と健康に細心の注意を払って任に当たる。
 また幼児と触れ合う中で得られる多くの幸福に感謝し合う。」

 こうして、地域に眠っているお婆ちゃんたちのエネルギーと智慧が活き活きとはたらき、若い夫婦やその子ども達とおばあちゃん達との接点ができる。
 ただし、気をつけているのは、あくまでも子どものための自主的なお手伝いであり、母親や父親が遊びにでかけるための〈便利な〉道具にはならないという点である。
 母親や父親に〝利用する〟という意識が生じたり、おばあちゃんが負担感に苛まれたりすると、本来の意義と価値を見失いかねないからだ。

 小生は、ブログ「3世代同居住宅への補助について」の中で、〈あの時代〉へは戻れないと書いた。
「私たちはとっくに、新たな家族のありよう、新たな地域のありようを模索せねばならない段階へ入っている。
 私たち一人一人が家族として、社会人としてまっとうに生きる心がけや、生きざまや、生活スタイルを考えねばならない。
 あるいは自分の尊厳をかけて、権利と義務についてよく考えねばならない。
 そうした努力の総和として、やがて新たな時代が幕を開けることだろう。」
 Aさんたちは、新たな時代の幕を開けられた。
 お上のつくった制度や補助に頼らず、善意と誠意と工夫と協力によって一歩二歩も進んでおられる。
 子どもの未来を想う心が地域を生かしている。
 この「おばあちゃんの部屋」が全国へ広がるよう願ってやまない。

「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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