コラム

 公開日: 2016-03-29 

「私の八月十五日」を読む(第一回) ─亡くなった母親の胸で泣いていた赤ん坊─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 仙台市泉区長命ヶ丘に「ほっといっぷく」という高齢者のサークルがある。
 年に8回、集い、そのうちの一回は子供たちとの交流会に当てられる。
 ある時、乃木大将の詩吟をきっかけにして、「私たちは8月15日をどう迎えたのだろう」という話題になり、それぞれの体験談が冊子「私の八月十五日」にまとめられた。
 語られた方がなくなり、法事の席で読み上げられるなど、子や孫の世代へ伝えておきたい真実が、徐々に人々の心へ伝わりつつある。
 編集されたKさんが当山に深いゆかりの方であるというご縁によって、このたび、増刷した一冊をいただき、ネットでのご披露をお許しいただいた。
 どの稿も、涙なしには読めない。

 以下、順次、転載したい。
 願わくば「不戦日本」が揺るぎなきものでありますよう。

○発刊によせて (長命ヶ丘一丁目町内会 会長永山三男)

 長命ヶ丘一丁目に『ボランティアほっと』が開設されてから十年の節目を迎えました。
 この会をお世話されてきた福祉部の皆様、そしてお集まり下さっている高齢の皆様方(寿会)に感謝を申しあげます。

 さて、昨年、定例の交流会の席で寿会の方から『』という質問が出されて、参加された方々に次々と当時のお話を語っていただきました。
 その後、このお話を次の世代にも伝えておこうという事に至った次第です。

 太平洋戦争が終結してから五十九年になります。
 当時の有様が忘れ去れようとしている今日ですが、戦争中、何事にも耐えながら生き抜いて来られた方々の貴重なお話です。
 有志の方々に原稿作成をお引き受け頂きましたので、題名を『私の八月十五日』として発刊することに致しました。
 どこにもない、又これまでにもなかった体験秘談の貴重な冊子となりました。
 長年に亘り、この会にお集まり頂いております皆様方の心と心のふれあいから生まれたものと思っております。

 発刊にあたりましてご協力いただいた寿会、『ボランティアほっと』の皆様に心から感謝を申し上げる次第です。

○私の八月十五日 (I・H S12生 女性)

 私は父の仕事の関係で、当時、秋田におりました。
 まだ、幼かったので、当時のことは何も覚えていないのですが、ひとつだけ鮮烈な印象として残っていることがあります。
 ちょうど土崎の港が爆撃を受けたとき、私たちも逃げました。
 母に手を引かれて走る途中、激しい赤ん坊の泣き声が聞こえてきました。
 見ると、血だらけになった若いお母さんが、塀かコンクリートか何かに凭れて地面にべったりと座っていました。
 赤ん坊は、そのお母さんの胸の中で泣いていたのです。
 たぶん、あのお母さんは息絶えていたのでしょう。

 みんなみんな、自分の逃げることに必死だったのだと、いま思います。
 あの赤ん坊が生きておられれば、もう六十才近くになられたはずです。

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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