コラム

 公開日: 2016-04-04 

シャルル・アズナブールの「ラ・ボエーム」 ─自由への力─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。

 91才になったフランスのシャンソン歌手シャルル・アズナブールが6月に東京と大阪で公演を行う。
 唄う時点では92才になっている。
 パリのホテルで朝日新聞のインタビューに答えた。

「常に学ぶべきことがある。
 毎晩ベッドで本を読み、毎夕、歌詞を覚える。
 いつも同じ歌ばかりというのは信じられない。
 より楽しんでもらうには、新しい歌も用意せねばならないから」

 毎日、夕方になると歌詞を「覚える」というのは、高齢者ならではの言葉だ。
 私たちは、実際に思い出せなくなるまで〈忘れていると気づかない〉のだが、プロの歌手としてはそういうわけにはゆかない。
 年をとり、そうした可能性が高くなった以上、日々、確認作業を続けるしかない。
 それでもなお、失敗があれば、潮時となるのだろう。

 世界中でコンサートを続け、ファンに楽しみ続けてもらうためには、〈定番〉だけでは通用しない。
 それは何才になっても同じはずだ。
 音楽は時代の感性を映し出す。
 もはや遠く去ってしまった半世紀前の自分の感性を保ちつつ、若い人々の感性にも響くような作品を作り続けるためには、自分が変わり続けねばならない。
 これこそ、プロの力だ。
 
「この歌は自由そのものだ。
 ラ・ボエームは、形を変え、パリに残り続けている。
 どこにあるかうまく言えないけれど」

「ラ・ボエーム」とは「束縛されずに生きる人たち、その心持ちを意味する言葉」である。
 アズナブールをはじめ、無数の歌い手が手がけた名曲だが、中でも、なかにし礼の翻訳を唄ったちあきなおみの絶唱は忘れられない。

「モンマルトルの アパルトマンの 窓辺に開く
 リラの花よ 愛の部屋よ あなたはいつも
 絵を描いてた いとしいひと 私をモデルに
 愛しあった あなたと私は 20歳の頃
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム しあわせの夢を
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム 根のない草花

 貧しかった 私達は 虹のおとずれ
 夢みていた 仲間たちと カフェの隅で
 ボードレールや ベルレーヌの詩を読んでた
 愛しあった あなたと私の 20歳の頃
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム きれいだったあの頃
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム 夢みるさすらい

 夜をあかし 朝になれば コーヒーなど飲んで
 夢をかたり 夢をみたの 愛のねむりの
 愛し合えば 感じなかった その寒さを
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム 若さと夢
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム はかなくうるわし

 あの日のこと 私達の 愛の街角
 訪ねてみた リラも枯れて アパルトマンの
 影さえなく 歩きなれた道も 消えてた
 若き日々の 靴の音は 聞こえなかった
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム 帰らない夢
 ラ・ボエーム ラ・ボエーム 一抹の夢を」

 若い日に田舎から上京して都会暮らしを体験した人々うち、少なからぬ人々が、昔の光景を求めて上京する時を持つのではなかろうか。
 自由は芸術家にのみあるのではない。
 若人にとっては、若さのもつ〈可能性〉そのものが自由の源泉だ。
 老いたアズナブールは、稽古と信念によって自由を確保しつつ生きている。

 東日本大震災から5年経った日本へ向かう気持を述べている。

「すでに傷を負った人たちに、多くは語らない。
 歌で涙を流してもらう。
 前向きな気持ちになってもらう。
 それでいい」

 端的で漏れのない言葉には驚嘆する。
 詩人の魂というものだろう。
 
 難民問題に苦悩するヨーロッパ人の一人として、自分の両親と同じアルメニア系の人々を自分の家へ迎え入れる用意があると大統領へ告げたアズナブール。
 不屈の魂から発する歌を楽しみにしたい。

「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0

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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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