コラム

 公開日: 2016-04-13 

妨げられている再生可能エネルギーの利用 ─メルトダウンを隠した東電と原発政策─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 福島第一原発は、メルトダウンという致命的な事故を起こした。
 その事実を認めたのは事故発生から2カ月後である。
 しかも東京電力はこれまで、「メルトダウンを判断する根拠はなかった」というおよそ信じがたい説明をしてきたが、今年の4月11日、岡村祐一原子力・立地本部長代理が、メルトダウンの判断基準が社内にあることをようやく認めた。
 何と、事故当時、「個人的な知識としては知っていた」という。

 このたび、新潟県の技術委員会は、〈国へ対して報告が義務づけられている〉メルトダウンの事実が隠されてきた経緯を明らかにするよう、東電へ申し入れた。
 成り行きをしっかり見守りたい。

 これはあまりにも重い事実ではないか。
 定められている報告義務を果たすための根拠がなかったという会社の説明はいったい、誰の判断によって行われたのか?
 また、法的義務を果たすための根拠を持っていないという東電の説明を「そうですか」とそのまま放置してきた政府の責任者は誰なのか?
 国民の生命にかかわるこれほど重大なことごとを、本当に政府は〈知らなかった〉のか?
 それで済むのか?
 全国の原発がいったい、いかなる管理をされているか、政府関係者を除く人々の手によって再度、徹底検証が行われるべきではないか。

 ことの重大さは、とてつもなく大きい。
 それは、原発を食品に置き換えてみれば、より明確に想像できる。
 たとえば、多数の人命にかかわる重大事故を起こした会社が、食品に用いられるいかなる物質が危険であるか決めていなかったために、報告義務をおっている危険な事態の発生に気づかず、放置したようなものだ。
 こんな会社が何ら責任を問われず、何ごともなかったかのように存続が許され、以前と同じ商売を続けるなど、社会正義からも、社会常識からもあまりにかけ離れているではないか。
 国に守られた核発電の会社なら何をやっても、何をやらなくても、責任を問われぬまま存続が許されるのか?
 あの当時、福島県どころか、東日本、あるいは日本全体が破壊されかねない状況だったのに……。

 ブログ「あらためて、原発(核発電)の非人間性を想う」へ書いた身近なできごとが裏付けられた。
 共同通信は4月5日、「原発優遇 市場ゆがめる」によって、電力小売全面自由化が形だけのものであるという事実を告発した。

「原発の電力は使いたくない」

「価格は高くても再生可能エネルギーの電気を使いたい」

 こうした一般国民の願いが、自由化というスローガンと裏腹に、巧妙な手口で妨げられている。

「消費者に提供する電気がどのような発電方式によってつくられたものかを示す『電源構成』の公表が進んでいない」

「原発事故後、再生可能エネルギーの急拡大に危機感を持った既存の電力会社が『自由化が進んだら高コストの原発は維持できなくなる』と訴え、制限なしに受け入れを拒否することが認められた」

 これでは、消費者は発電会社を選びようがなく、発電会社は電力を消費者へ送りようがない。
 
「この結果、原発を抱える電力会社が市場に大量の電力を供給し、小規模な再生可能エネルギーの電気を排除することになる」

 これが現在の電力行政の実態だ。
 膨大な被害者を生んだ世界史的なできごとである福島原発の事故は、原発に群がり目先の利益を求める企業群と、そこから莫大な政治資金を得る政治家によって、あたかも〈なかった〉かのように扱われている。

 ちなみに、福島原発の事故によって国の方向を変えたドイツはこうなっている。

「電源構成はもちろん、発電時に出る放射性廃棄物の量まで公表が義務づけられている」

「再生可能エネルギーを最優先で電力網に受け入れ、(再生可能エネルギーを生み出す電力会社に対する)安易な出力抑制を認めない」

 これこそが、日本国民の大多数が望む姿ではないか。
 しかし、日本の電力政策はその正反対である。
 国民の声に背き、原発最優先のまま、何も変わっていない。
 
「真の自由化を実現し、消費者の多様な要望に応えるには、情報公開の徹底に加え、発電設備を持つ既存の電力会社が送電網を支配する体制を早急に改め、独立した送配電会社が発電事業者に公平なアクセスを保証することが重要だ」

 この指摘には、過半の国民が同意するのではなかろうか。
 私たちは本気になって原発問題にぶつからねばならない。
 福島では、吉田所長らのいのちがけの奮闘はもちろん、たまたま溜めたままになっていたプールの水がうまい具合に燃料棒を浸すなど、僥倖としか言いようのない数々のできごとが重なったため、東日本全体や日本全体が破壊されるところまでは行かないで済んだ。
 それでも数十万の人々が直接的・間接的な被害に苦しみ、自死すらも相次いでいる。
 あの時、アメリカ人やドイツ人など、事態を正確に把握していた国の政府から情報を受けた人々は、たちまちに日本から脱出していたことを忘れてはならない。
 メルトダウンにより日本は〈終わる〉と予想されていたのだ。

 政治家の本音を見極め、国民の意思を明らかにしようではないか。

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
「のうぼう あきゃしゃきゃらばや おん ありきゃまりぼり そわか」
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。

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