コラム

 公開日: 2016-04-16 

14才の奮戦 ─二本松少年隊の秘剣─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 福島県の二本松藩は、幕末の動乱にあって最後まで薩摩・長州軍と戦い抜き、滅んだ。
 そこに数え年12才から17才までの62名よりなる少年隊(通称)が結成された。
 隊長は木村銃太郎(22才)である。
 以下、原田伊織著『明治維新という過ち』より記す。

「現実の前線では武家クラスの藩士たちは、できるだけ少年たちを後ろへ後ろへ下げた。
 最前線に立たせることを避けようと心掛け、できることなら逃げ延びることを願ったのである。
 このことは、敵味方を問わず少年たちに対する情としてみられた事実である。」

 納得できた。
 小生は、万が一、外国から侵略を受けたなら、必ず立ち上がるであろう若者たちよりも敵前へ行き、先に死のうと覚悟している。
 もちろん、素手である。
 素手の年寄りたちが若者を護って死んで行く姿は、必ずや衛星を通じて世界へ流れ、観る人間たちの霊性を覚醒させ、それは日本を救う何ごとかにつながるであろうと信じている。
 
 隊士成田才次郎(14才)は、父からたたき込まれていた。

「敵に相まみえたら、斬ってはならぬ、ひたすら突け!」

 彼は重傷を負いつつも死に場所を求めて城下を彷徨い、ようやく長州兵の一団を見つけた。

「やっとの思いで身長からすれば長過ぎる刀を抜き払い、白熊(ハグマ)の冠りもの(熊毛頭…クマケガシラ)を付けた隊長と思(オボ)しき者だけを眼中に収めて突きかかった。
 この指揮官が、長州藩士白井小四郎(31才)であったことが分かっている。
 白井に油断があり、成田の剣は父の教え通り、白井を斬らずに真っ直ぐ突いた。
 白井はその場で絶命。
 絶える息の間に『己の不覚。この子を殺すな』といったらしいが、周囲の兵たちは聞こえなかったのであろう、銃を逆手にとり、成田を撲殺した。」

 才次郎の父親成田外記右衛門がいかなる人物であったかはわからないが、必殺剣として〈突き〉の技を教え込んだことは納得できる。
 相手から外されにくい一方、外されたならこちらのいのちはない。
 また、剣と身体が一体になり突きの姿勢で突っこむ時、防備は面はほぼ、なくなっている。
 だから、各流派において秘されている技の多くが突きであろうと言われている。
 当隠形流(オンギョウリュウ)居合においても事情は変わらない。

 藤沢周平の小説「必死剣 鳥刺し」は映画にもなった。
 平成22年、主人公兼見三左エ門を演じた豊川悦司は見事な立ち回りを見せた。
 彼は、秘剣を繰り出し必ず死なねばならない〈その時〉のため、日々、心身の鍛錬を欠かさず、ついに自分のいのちとひき換えに秘剣を成功させる。
 ぜひ、今からでも、多くの方々に観ていただきたい大傑作である。

 ところで、解剖学者の養老孟司氏は、選挙権年令が18才以上に引き上げられることについてこう述べている。

「1945年8月15日、日本が180度ひっくり返ったのに、実際には(日本人は)ケロッとしている。
 だから、政治って実は大事じゃないということになるんじゃないか。
 政治に何ができるのか、そこが大きな疑問になっている。
 政治は一番ややこしくて、ウソが入りやすい。
 18や19の若い人がそんなこと分かる訳はない。
 今の人は自分の人生は自分のものだと思っているから。
 『特攻』を考えてください。
 (特攻隊員の人生は)自分のものじゃない、あれは将来の子どもたちのため、身近な人たちのため。
 遺書にもそう書いてある。」(時事通信)

 そうかも知れないが、二本松少年隊の史実に接すると、若者を信じたくなるし、年寄りの役割も認識させられる。
 必ずしも剣法に限らず、自分なりの秘剣を胸に育てつつ生きることは、老若男女を問わず人間を真実体験へ導くのではなかろうか。



「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0

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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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