コラム

 公開日: 2016-04-25 

戦争を生き延びた青年 ─70年前の真実─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈地域の長老にもご参加いただいたお花見会〉



〈一面の桜色〉



〈毎年、進境著しい詩吟のご披露〉

 90才になるAさんから、太平洋戦争に敗れた当時の生々しい話をお聴きした。
 20才のAさんは昭和20年11月に士官学校へ入ることになっていたが、4ヶ月早い7月になって突然、赤紙(アカガミ…召集令状)が来た。
 びっくりするいとまもなく、直ちに軍歌に送られた出征となった。

「♪勝って来るぞと 勇ましく
 誓つて故郷(クニ)を 出たからは
 手柄(テガラ)たてずに 死なれよか
 進軍ラツパ 聞くたびに
 瞼に浮かぶ 旗の波」

 宮城県大和町から軽便(ケイベン…コンパクトな鉄道)に乗り、着いた仙台市で空襲を受けた。
 小さな隊の隊長を命ぜられたAさんは、部下たちを引き連れて河原の土手へ逃げ、ヤブのあたりでじっとしていた。
 生き延びたと思えたのも束の間、そのまま九州へ送られた。
 仲間は、山形県と福島県で招集された若者たちだった。
 招集以来、まったく教育や訓練を受けていないし、武器へ触らせられもしない。
 目的も知らされぬ一行は、ひそひそと語り合ったり、思ったりした。
〝我々はきっと爆弾を持たされ、上陸してきた米英軍へ突っこまされるのだろう〟
 九州に着いたら、山腹で野営させられた。
 相変わらず訓練も武器もなく、食糧さえ満足に配られず、近所の畑からサツマイモを盗り、生のままで食べたりした。
 仲間がどんどん痩せたり、病気になったりしているうちに、突然、帰省を許された。
 汽車などに乗り継ぎながら仙台市を経由し、大和町へたどりついたら11月になっていた。
 途中のことは思い出したくもないと言う。
 何しろ、地べたにこぼれている米粒を広い、ゴミを払ってこれも生のまま食べて生き延びた。

 山腹を目ざして行軍する途中で歓声を上げ、やがて沈黙した時のことは忘れられない。
 立派な高射砲陣地だと思ったら、近づいて見ると、それは木材にペンキを塗ったシロモノだった。
 あの時、日本は負けると誰もが確信したという。
 
 Aさんは思う。
「私らは日本がどれだけやられているか、さっぱりわかりませんでしたが、天皇陛下はすっかりわかっておられて終戦の御聖断を下されたんでしょうね。
 あと少し戦争が延びたら、どういう形で死ぬにしても、私らのいのちはなかったでしょう。
 あの時、生き残った私ら若者は皆、口でどう言うにしても、心の底では、戦争が終わってよかったと思いながら、東北に帰ってきたんです。
 そうして、今の子供たちや孫たちがいます。」

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
「のうぼう あきゃしゃきゃらばや おん ありきゃまりぼり そわか」
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8

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