コラム

 公開日: 2016-05-25 

解雇され家に閉じこもった娘さん ─法律と仏法で共業へ立ち向かおう─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 ある時、仙北の町からAさんが人生相談に来られた。
 30才になる娘さんが突然、会社をクビになり、1年間の就職活動も実らず、閉じこもりの状態になったという。
 社員として採用され、1年近くまじめにはたらいたあげく、営業担当でもないのに成績が悪いからと解雇されたことが発端だ。
 本人以上に憤慨した同僚もいたが、一緒に辞めるわけにもゆかず、誰も抗議らしい抗議ができないまま、会社を去った。
 これまで、母娘は拝み屋や祈祷師から、憑きものの話をされなどしたが、結局、娘さんはそういった所へも足を向けなくなった。

 お話をよく聴き、娘さんの性格や運勢なども考えてみた。
 辞めさせられた原因は単純なものではなさそうだ。
 娘さん自身に、本当の原因として思い当たるフシもあるが、理不尽としか思えず納得できないフシもあることだろう。
 きっと、その全体像は友人にしか告げていまい。
 だから、親御さんが困惑し、怒りがおさまらないのも当然だ。

 もしも話のとおりなら不当解雇の可能性が高い。
 さしたる規律違反がなく、能力に酷い問題もあるわけでなく、企業自体がつぶれそうにない大会社であれば、労働者のあいまいな〈成績〉を理由にいきなり辞めさせられはしない。
 だから、これまでも当山と縁があったそれなりの信頼できる窓口をお教えした。
 ここからのスタートをお勧めしたのは、娘さんの現状で一番問題なのが心の〈しこり〉だからだ。
 辞めさせられた時点からずっと、解消できないものが心に居座った。
 面接にでかけても、それが知らぬ間に言葉や表情や雰囲気として顔を出し、相手に違和感を与えてしまうのではないか。
 だから、出来事がいったい何だったのか、法律や労働に詳しいプロの客観的な判断を仰ぐことが望ましい。
 抗議や訴訟を行うかどうかの一歩、手前が肝心だ。
 自分自身も感情を離れ、プロの指導を受けながら客観的に眺めれば、正体が明らかに見えることだろう。
 しこりの解消という治療にはまず、診察が欠かせない。

 また、娘さんの守本尊様についてお話しし、御守を渡した。
 
 最後に、「私に何かできることがないでしょうか?遠いし、自分は運転しないし、ここへ何度も来るのは難しいのですが……」とすがるような目で訊くAさんへは祈りをお勧めした。
「二つ、方法があります。
 一つは、いつ、どこででも、当山のご本尊様を思い出して祈ることです。
 祈りは時間空間を超えます。
 もう一つは、お近くにあると言っておられた小さな不動堂へ願掛けをすることです。
 漫然とでかけるのではなく一週間なら一週間、決めて必ず実行しましょう。
 満願したならば、今度は一か月とか、百日とか、あるいは娘さんが就職するまでとか、長期間に挑戦しましょう。
 江戸時代までは、日本全国、津々浦々で行われていたやり方です」
 まじめなAさんは不安だ。
「私などの祈りが役に立つのでしょうか?」
 インドのダラムサラで、ダライ・ラマ法王に拝謁したBさんからお聞きしたエピソードをお伝えした。
「はるばる日本から行った方が、チベットのために自分は何も力になれませんと嘆いた時、法王は笑顔で言われたそうです。
『祈ってください。
 世界中の祈りが故国チベットに届けば、必ず大きな力になることでしょう』
 高い霊性を持った人間は、祈ることができます。
 人としてのまことを尽くせるのです。
 それが何の力にもならないのなら、私たちは人間をやめなければなりません」
 信じて祈り、自分が変わることは、自分を含む世界が変わることなのだ。
 Aさんが変われば、娘さんにとっての環境が変わる。
 力にならないわけがない。

 Aさんは真言をしっかり覚え、お不動様の御守を手にして帰られた。
 人が限りなく道具と見なされるこの時代をまっとうに生き抜くためには、自分の霊性を高めることが重要だ。
 悪しき共業(グウゴウ…社会的な業)に負けないため、自分自身の心をダイヤモンドに近づけたい。
 頑なになってはいけないが、汚されない清浄さと、くじけず壊されない勁(ツヨ)さを持ちたい。
「この山里から祈っています。しっかりね」
「私も頑張ります!」
 Aさんは、来られた時とは別人のような光で目を輝かせた。 
 空が群青色と橙色と赤紫色に別れて笹倉山を包む夕刻、キジがケーンと鳴いた。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

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