コラム

 公開日: 2016-07-03 

7月の運勢 ─高慢心でなく健全な気位を─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。


〈広島の平和記念公園で出会った招魂木(オガタマノキ)。身震いする思いでした。当山の個別型永代供養樹木葬「法楽陵」の御神木である招魂木もこうなることでしょう。楽しみです。〉


〈樹木葬「法楽陵」〉

 7月7日から8月6日までが小暑と大暑の文月(フヅキ)です。
 今月の運勢、留意点をかいつまんで述べます。

 今月は、とにかく高慢心に注意しましょう。
 高慢心には大きく分けて二種類あり、他者と比較して自分を高くしないではいられない「慢」と、比較せず自分勝手に自分の価値を高いと自惚(ウヌボ)れ傲(オゴ)る「憍(キョウ)」です。
 前者は、自分に都合のよい尺度を持ち出して他者を貶(オトシ)め、後者は無意味な自己満足で終わります。
 いずれも、自らを省みる智慧と謙虚さに欠け、自ら向上の可能性を阻害し、他者へ不愉快な気持を生じさせるだけでなく、真の和合や親和を排除する情けない煩悩(ボンノウ)です。
 
 ポトラッチという言葉があります。
 北アメリカの太平洋側北西部からカナダの沿岸部にかけて、原住民の間で行われてきた贈りものの儀式です。
 そもそもは、裕福な人々が、結婚式や葬式などで参加者へ食糧や装飾品などを贈り、富裕ぶりを誇示するだけでなく、富を社会へ還元する意味合いもある宗教的儀式でした。
 それが時と共に華美になり、豪勢になり、競争意識も芽生えて争いさえ引き起こすほどになり、ついに禁止されました。

 私たちも無意識のうちに、自分流のポトラッチを求めてはいないでしょうか?
 ほとんどその価値が疑われない〈自己実現〉という言葉の裏に、こうした〈見せびらかし〉の欲動がないでしょうか?
 個人主義であるのに、〈個〉であることに毅然として耐えられるほど強くなく、無理をしてでも他者に勝る旗や力を示し、他者に認められないではいられない焦りのようなものがないでしょうか?

 お釈迦様は説かれました。
「無数の敵を相手にし、たった1人で勝者となる者も、自分にうち克つ者にはかなわない。
 彼こそが最も戦に強い者である」
 ソクラテスも、ほとんど同じことを言っているのは驚きです。
 お釈迦様より100年以上も後に生まれたはずなのに。
「私は、敵を倒した者より、自分の欲望を克服した者の方を、より勇者と見る。
 自らに勝つことこそ、最も難しい勝利だからだ」

 何ごとも、負ければ辛く、悔しく、残念ですが、勝てば勝ったで、満足感や達成感に続いて高慢心という煩悩(ボンノウ)が生じます。
 それがまた周囲に無用の争いや反発や離反や怨みや妬みを引き起こします。
 人生はやはり、ままなりません。
 私たち自身にとって、また周囲の人々にとっても何が求められるべきか、よく考えたいものです。

 月光がモノの形をくっきりと浮かび上がらせる光景や、ミニトマトがたわわな実をつけた様子などに、自分が生きて〈在る〉ことを実感し、感謝できれば、ポトラッチを探し求めるなど思い浮かぶこともないはずです。
 たとえ特段のモノや地位に恵まれまいと、一人間としてこの世に〈在る〉気位をしっかり持っていれば、不足ない気持で生きられることでしょう。
 向上心や切磋琢磨する心は持っていても、高慢心などは無用です。
 その反対に、わずかばかりの才能や財産や地位や実績などにすがり、誇り、高慢心を持つ一方で、気高く清浄で品位ある気位を知らなければ、真の福徳は得られようはずもありません。

 私たちは一人残らず、縁が調えば一人で生まれ、縁が壊れれば一人で死んで行く存在です。
 その存在は誰とも比較できません。
 ときおり、自分を省みれば、つまらぬ高慢心、はた迷惑な高慢心、空しい拠り所の高慢心を持っていることに気づくかも知れません。
 それを穢らわしいと感じ、恥じる気持になれれば大丈夫でしょう。
 健全な気位には爽やかさこそあれ、何らの疚(ヤマ)しさも伴っていません。
 謙虚に、健全な気位を持って生きようではありませんか。

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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