コラム

 公開日: 2016-07-09 

口癖のチェックをしてみませんか? ─イヤダ・キライダ・ダメダの話─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 もう一篇、杉山平一の詩を紹介しておきたい。
 それは「一日」である。

「一日中
 がまんして

 イヤダ

 キライダ

 ダメダ

 その口ぐせは出さなかった

 帰って家族の前で呟いてみるか

『お母さん
 お父さんが玄関で何か
 ブツブツ言っているよ』」

 私たちには口癖がある。
 そのほとんどは、いつ始まったかわからない。
 自分でその癖に気づかぬ場合もある。

 小生は最近、ある女性から笑われた。
「いつも、素晴らしい、っておっしゃるんですね」
 指摘されてみればそのとおりだが、これまで気にしたことはなかった。

 食べものの店から出る時は、何か誉め言葉をかけようと心がけている。
 ただし、ライオンやダンプカーや海を見た小さな子が発する「凄い!」に通じる「おいしい」という言葉だけは使わないようにしている。
 それでも、考えごとなどで頭がボーッとしていたりすると、おいしいでごまかしてしまう場合も少なくない。
 
 芸がないと言えばないのだが、おいしさにノックアウトされた時などは、「参った」という意味を込めて「おいしい」を使う場合もある。
 自死したランナー円谷幸吉の遺書は忘れられない。
「父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました。」

 親元から離れ、日本を代表して世界と戦った孤高の人は、遺書をこう結んだ。
「幸吉は父母上様の側で暮しとうございました。」
 だから、余計に「美味しうございました」が際立つ。

 食生活ジャーナリスト岸朝子は、試食の際に決まり文句を用いた。
「おいしゅうございます」
 故人の一言は、テレビを眺めている人々へ生唾を呑み込ませた。

 かなり、脱線した。
 もしも周囲の人へ、小生の口癖をもう一つ挙げて欲しいと頼めば、「ありがたい」になるはずだ。
 小生が「素晴らしい」と「ありがたい」を言わなくなるのは死んだ時だろう。

 使わないことにしている言葉は他にもある。
 それは「嫌い」だ。
 客観的評価から離れた独断であり、身勝手で、狭量で、毒を含み、世界を狭めるような気がしてならない。

 きっと遙かな昔、野にあったご先祖様が、自分の身を守るために排除せなばならない毒キノコなどへ対して忌避の感情を込めて用いたのだろう。
 その事情は理解できるが、現代人における「嫌い」の感情は、かなり異質だ。
 自分が張るバリアであり、ある意味、弱点でもある。

 杉山平一は、「イヤダ」「キライダ」「ダメダ」に、自己防衛の胸苦しさを感じていたのではなかったか。
 だから、試しに、使わないでみた。
 結果は一筋縄ではゆかず、「ブツブツ言っている」時、懐かしい自分に戻れて小さな安心を感じていたのかも知れない。

 この一日はきっと、後の実りに結びついていることだろう。
 
「おん さんまや さとばん」※今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0

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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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