コラム

 公開日: 2016-07-17  最終更新日: 2016-07-19

【現代の偉人伝第229話】バーニー・サンダース ─アメリカの不公正・日本の行き詰まり─ 

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 7月14日付の朝日新聞は、ニューヨーク・タイムズが掲載した米上院議員バーニー・サンダース氏の文章を抄訳し、「グローバル経済 大多数に役立たぬ、今こそ変革」と題して紹介した。
 70才半ばになる同氏は民主党の大統領候補選びに手を挙げ、草の根選挙でヒラリー氏へ肉薄した。
 これがアメリカ大統領を目ざす人物かと目を疑うほど明確にアメリカの病理を衝き、政治の光があまり及んでいない人々から強い支持を受けた。
 政治の役割が民衆の願いを聞き届けるところにあるとすれば、何よりもまず、社会の歪みに苦しむ人々へ手を差し伸べねばならないはずである。
 しかし、どの国にあっても、なかなかそうはなりにくい。
 権力者の住む世界、権力者を取り巻く人々や支える仕組みなどが、〈苦しむ人々〉から遊離しがちなのだろう。
 しかし、ユダヤ系移民の貧しい家庭で育った氏は、一貫して「格差が少なく普通の人々が政治的な力を持てる社会の形成」を目ざし、政治活動を続けてきた。
 今般の戦いで、若者たちに囲まれ、白髪を振り乱して社会の不公正を糺す氏は、新風を巻き起こした。

 この記事は、氏の主張をほぼ網羅していると思う。
 文化的、経済的、そして軍事的にも限りなくアメリカと一体化しつつある日本の現況を省み、行く先を考える上で、欠かせない視点がいくつも含まれている。
 三度、読み、多くの日本人がぜひ、読んでおくべき文章と確信し、いささか長文ではあるが転載した。
 ぜひ、多くの日本人に読み、考えていただきたい。

 ちなみに、日本経済新聞は6月21日、「結婚したい20代 大幅減 男性で28ポイント、収入も影響か」を掲載した。

「20代の独身男女のうち、結婚したい人の割合が3年前と比べて男性で約28ポイント、女性で約23ポイントと大幅に減少したことが、21日までに明治安田生活福祉研究所の調査で分かった。
 男性が独身でいる理由は『収入が少ない』が最多。
 所得が理由で結婚に消極的になっている現状が浮かび上がった。

 調査は今年3月、恋愛と結婚をテーマに全国の20~40代の男女を対象にインターネットで実施。約3600人が答えた。

 20代では『できるだけ早く結婚したい』『いずれ結婚したい』との回答が、男性で3年前の67.1%から38.7%に減少。
 女性は82.2%から59.0%に落ち込んだ。
 30代では男性が40.3%、女性は45.7%でいずれも10ポイント以上減った。

 独身でいる理由は、男性では『家族を養うほどの収入がない』が最多だったのに対し、女性では『結婚したいと思える相手がいない』だった。

 20~30代の未婚女性の半数以上が結婚相手に年収400万円以上を望む一方、実際にこの収入がある20代男性は15.2%、30代男性は37.0%にとどまった。
 調査の担当者は『このギャップが男性が結婚に前向きになれない一因とみられる』と指摘した。〔共同〕」

 これが日本の実態である。
 さて、以下、バーニー・サンダース氏の声に耳を傾けたい。

「実に驚いた。
 英国の労働者たちが、自分たちや子どもたちを失望させているとして、欧州連合(EU)とグローバル経済に背を向けた。
 こうした労働者たちの多くは、英国内の大金持ちが裕福になるなか、自分たちの生活水準が下がるのを目の当たりにしてきた。

 苦しんでいるのは、英国人だけではない。
 世界の経済エリートがログイン前の続き築き、維持してきたグローバル化の進む経済は、世界中で人々を失望させている。
 信じられないことに、この地球上で最も裕福な62人が、世界の人口の半分の下層の人たちである約36億人の合計と同じくらいの富を所有している。
 上位1%の所有する富は、ほかの99%の人たちの合計よりも多い。
 大金持ちは想像を絶するぜいたくを味わっているが、何十億にものぼる人々は、悲惨な貧困や失業、そして不十分な医療、教育、住宅、飲み水に耐えている。

     *

 このような世界経済の現状に対する拒絶反応は、米国でも起こりうるのだろうか? もちろん起きる。

 私は民主党の大統領候補の指名争いで、米国内の46の州をまわった。
 そして、政治やメディアのエスタブリッシュメント(既成勢力)が認識さえしていないような痛ましい現実を、数多く見聞きした。

 この15年間に米国では、6万カ所近くの工場が閉鎖され、製造業で480万人以上の高給の職が消えた。
 このほとんどは、低賃金国に企業の移転を促す破滅的な貿易協定と関係している。
 そして実に4700万人近い米国人が、貧困に陥っている。
 医療保険に入っていない人は推定で2800万人にのぼり、入っていても不十分な人は数多い。
 何百万もの人々が、法外な額の学費ローンに苦しんでいる。
 たぶん近代史で初めて、いまの若者世代は親世代よりも低い水準の生活を送るだろう。
 恐ろしいことに、教育水準の低い何百万もの米国人が、絶望や麻薬やアルコールに屈して前の世代より寿命が短くなるだろう。

 一方で、米国ではいまや上位0・1%の人々が、下位90%の人々の合計にほぼ相当する富を所有している。
 所得が増えたうちの58%は、上位1%の人々の懐に入る。

 私は大統領選の間、8ドルや9ドルの時給ではやりくりできない労働者、年額9千ドルの社会保障で必要な薬を買おうと苦心する退職者や大学の学費を払えない若者たちと話した。
 プエルトリコで米国の市民権を持つ人たちも訪れた。
 ここでは子どもの約58%が貧困のなかに暮らしていた。

 はっきりさせておこう。
 グローバル経済は、米国でも世界でも、大多数の人々の役に立っていない。
 経済エリートが得をするようにと、彼らが生み出した経済モデルだ。
 私たち米国人は、真の変革を起こさなければならない。
 だが、民衆扇動や、偏狭な考えや、移民排斥感情による変革は必要ない。
 これらは、EU離脱キャンペーンでの巧みな言葉に使われ、(共和党の大統領候補指名が確実な)ドナルド・トランプ氏の訴えの中核をなすものでもある。

     *

 私たち米国人は、世界中の人々をもっと緊密に結びつけ、極端なナショナリズムを抑え、戦争が起きる可能性を減らす国際協力を、力強く支援する大統領を求めている。
 そして、民主的な権利を尊重するとともに、ウォール街や製薬会社といった強力な利益団体だけでなく、労働者の利益も保護する経済を求めて闘う大統領だ。

 そして、いまの『自由貿易』政策を根本から否定し、公正な貿易へと移行すべきだ。
 米国人が、時給何セントかにしかならない低賃金国の労働者と競争させられるのは間違いだ。
 環太平洋経済連携協定(TPP)を打ち負かさなければならない。
 持続可能な経済モデルを構築する貧しい国々に、手を貸す必要がある。

 大企業や富裕層が何兆ドルもの納税を回避する国際スキャンダルには、終止符を打つ。
 また、地球規模の気候変動と闘い、化石燃料から世界のエネルギーシステムを移行させることで、世界中に何千万人分もの雇用をつくり出す必要もある。

 世界全体の軍事費を減らし、戦争の要因になる貧困や憎しみ、絶望や無学といったものに立ち向かうため、国際的な取り組みを進めるべきだ。
 英国で離脱派に過半数を与えたのと同じ力が、米国でトランプ氏を利することにもなるという考えは、民主党に対する警鐘だ。
 英国の離脱派と同じく、当然のことながら米国の何百万もの有権者も、中間層を破壊しつつある経済的な力に怒りといら立ちを覚えている。

 この極めて重要な瞬間に、民主党と新しい民主党の大統領は、苦労にあえいでいる人や取り残されてきた人々を支持すると、明確に打ち出すべきだ。
 ほんのひと握りの億万長者だけでなく、すべての人々の役に立つような国家経済と世界経済をつくり出さなければならない。」

 日本経済新聞が〈結婚できない若者〉をとり挙げた6月21日、朝日新聞は米国屈指の投資家ジム・ロジャース氏へのインタビュー記事を載せた。

「この先良いことは何一つ起きないとあきらめ、昨年夏に日本株を全部売り払いました」

 お金に厳しい氏はこう見抜いたからだ。

「アベノミクスは常軌を逸したようにお金を刷り続け、円の価値はわずか数年で一時、3割も落ちました。
 短期的に輸出企業は助かるのでしょうが、輸入コストが上がって物価の上昇を招き、国民生活は厳しくなります。」

「自国通貨の価値を下げたり、インフレを起こそうとする手法で成功した国は過去にどこもありません。」

 お札を刷ってお金の価値が下がれば、国は借金を減らしやすくなる一方で、収入の増えない庶民の家計はますます苦しくなり、自分の身を自分で何とかしようとお金を貯めているお年寄りは不安にかられ、いかに政府や経済界が鐘太鼓を鳴らそうと、財布の紐を弛めはしない。
 アメリカの実態をよく眺め、歯止めのないグローバル経済と、無節操な自由競争の先に幸せが待っているという白昼夢は、誰のために、誰によって演出されているのか、また、私たちの足元と未来はどうなっているか、よくよく考えたい。

 皆が気づき、実感もしている現代文明の根本的大問題に取り組もうとする政治家は少ない。
 バーニー・サンダース氏は先駆者であり、英雄である。 

「おん ばざら たらま きりく」
 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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