コラム

 公開日: 2016-09-11  最終更新日: 2016-09-14

唱歌の会と「小さな木の実」のこと

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈広島平和記念資料館に展示された犠牲者の作品〉

 おかげさまで、「真の優しさを考え、歌う会」は無事、終了しました。
 鎌倉女子大准教授小山裕之先生の合唱指導には舌を巻きました。
 時間が経つにつれ、自分と歌の距離がどんどん縮まり、歌に込められているものが自分の心から湧き出してくるのです。
 いかなる境遇にある方でも、先生の前に出れば、きっと、〈自分の歌〉を唄い元気になることでしょう。

 唄ったのは以下の5曲です。
「ふるさと」では、息継ぎと、盛り上げる場所を教わりました。
「赤とんぼ」では、高音の出し方と、抑揚のつけたかを教わりました。
「小さな木の実」では、音符とそれに合わせた言葉の一つ一つを追うだけでなく、歌詞が紡ぐ物語を意識し、歌が表現しようとしている世界へ入ることを教わりました。
「見上げてごらん夜の星を」では、一つの曲が持つ波をつかみ、大きく、小さく、ゆっくり、早くといったメリハリのついた唄い方を教わりました。
「もみじ」では、習ったことの総集編として、全員で立ったまま唄いました。

 最後に先生がご自身でピアノを弾きながら外国語の歌を一曲ご披露され、万雷の拍手でお開きとなりました。
 本当はアンコールとなったところですが、会館の使用時間に制限があるため、次回を期して閉会宣言を行いました。

 先生は、楽譜は読めても読めなくても大丈夫と言われました。
 音符と発声を合わせようとばかりしていると、肝腎のものがかえってつかみにくくなる場合さえあります。
 歌詞のイメージと、メロディーの流れに入れば、唄えるのです。
 ただし、「学生はちゃんと読まなければならないんですが」と、小さな声でつけ加えました。
 さすが、四国の霊場を巡拝し、お大師様のご加護を実感された方であると感じました。
 お大師様は、般若心経を読み解いた文章の中でこう言っておられるからです。
「名医は薬草を見つけ鉱山技師は宝石を見つける。
 秘されている価値を見いだすかどうかはそれぞれの問題である」
 同じ草や石も、目にする人の心によって現れ方が違います。
 貴重な薬草も、それを見分ける力がなく、必要としてもいない人にはただの雑草であり、草刈りの対象となって刈られてしまうことでしょう。
 宝石を含んだ石も、それを見分ける力がなく、宝を求めてもいない人にはただの石ころであり、意識にもとどめられないか、蹴飛ばされるか、モノを叩くのに使われるかわかりません。
 厳密に楽譜を追い、正確に朗々と唄う能力を高めねばならない立場を目ざしてもいない私たちは、書かれたものを大まかにつかみ取り、自分の心を開いて楽しく唄えば、それで楽譜は役割を果たしたことになります。
 先生は、この胆のところを言われたのでしょう。

 5つの歌それぞれに深い感興を覚えました。
 特に、初めて唄った「小さな木の実」の歌詞を先生が朗読された時には、身体が震えました。
 帰山して調べ、驚きました。
 作詞家海野洋司が未発表にしていた自作の「草原の秋」が元になったこと。
 ビゼーの旋律に打たれた編曲者石川皓也(アキラ)が、それを心にしまっておいたこと。
 歌手の大庭照子が、自分でなければ唄えない自分の歌を追い求めていたこと。
 三者三様の深い思いが縁の糸で結ばれた時、珠玉の歌が生まれました。
 それから約40年、いまだに老若男女の情緒へ訴えかけ続けているているこの歌は、これかもきっと唄い継がれることでしょう。
 いつか又、皆さんと一緒に唄いたいものです。
 ご参加くださった方々をお見送りしました。
 一期一会の楽しいひとときでした。

※小山裕之先生は仙台市でも歌の指導をしておられます。
 ご希望の方は直接小山先生へ連絡してみて下さい。℡080-1839-6579

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA

 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、この世の幸せとあの世の安心を祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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TEL:022-346-2106

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